ペンギンは鳥?なぜ飛べないの?その答えは南極の海に!


ペンギンがよちよち歩く姿は、とても可愛いですよね。ペンギンが歩く姿は、どこか人間の子供に似ていて親近感を感じます。

そんな可愛いペンギンですが、鳥なのに空を飛べない、魚のように深海には(もぐ)る、地上では人間のように立って歩く・・・と、全然鳥らしく見えないのですが、ペンギンって本当に鳥なの?と素朴な疑問がわく人もいるでしょう。

今回は、「ペンギンってホントに鳥?」という疑問と、「ペンギンがどうして空を飛べなくなったのか」、そのナゾについて探ってみました。

★ペンギンのよちよち歩きの可愛さ満載の動画です↓やまかんりにん様よりお借りしました)



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ペンギンってホントに鳥なの?

ペンギンの親子フキだし付き

ペンギンは、分類上は、鳥類ペンギン(もく)(学名 Sphenisciformes)、ペンギン科(学名 Spheniscidae)に分類される鳥です。

しかし空を飛べない、潜水(せんすい)が得意、陸では立って歩く・・・と、ちっとも鳥らしく見えないペンギンですが、鳥の定義である特徴(羽毛(うもう)前肢(ぜんし)が変化した(つばさ)、歯のないくちばしを持ち卵生(らんせい)であるなど)は、しっかり兼ね備えています。

ペンギン目ペンギン科の仲間たちは、分類方法によって16~18種類いて、南極圏とその周辺に生息しています。ペンギンは、寒い氷の大地に住むと思われていますが、南極大陸で繁殖するのは、エンペラーペンギン(皇帝ペンギン)とアデリーペンギンの2種類のみです。

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意外に思われるかもしれませんが、赤道直下の常夏の島ガラパゴスにもペンギンはいます。ガラパゴスペンギンは暑さに適応し、南極周辺のペンギンよりも体が小さく体長50cmほどで羽毛が少ないのが特徴です。

このようにペンギンは、マイナス50℃の南極から気温40℃の赤道直下まで南半球に幅広く生息する海鳥なのです。


ペンギンは鳥なのに、なぜ飛べないの?

ペンギンが海に入る写真

◆空を飛ぶことを捨てた鳥たち


昔はペンギンも大空を自由に飛び回っていました。その証拠に、ペンギンの尻尾(しっぽ)には尾椎骨(びついこつ)という空を飛ぶ鳥が共通して持っている長い尾の痕跡(こんせき)が残っています。

鳥の祖先は、今から約1億3500万年前、爬虫類(はちゅうるい)から発生したと考えられていて、尾椎骨(びついこつ)は、その爬虫類からの進化の名残りと考えられています。

鳥の中には、ペンギンの他にも、ダチョウ、エミュー、キーウィのように進化の過程で空を飛ぶことを捨てた鳥たちもいます。

ダチョウとエミュー

では、ペンギンはなぜ空を飛べなくなったのでしょうか。そのナゾをひも解くためには、大昔のペンギンの祖先の歴史までさかのぼります。

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◆ペンギンが飛べなくなったわけ


ペンギンのフキだし
今のペンギンの原型と思われるペンギン(プロトペンギン)の化石が、5500万年前のニュージーランドの地層から見つかっています。

しかし、ペンギンの先祖は、それよりずっと前の恐竜がいた時代(白亜紀(はくあき))に登場していたと考えられています。

1億2000万年前、ペンギンの祖先である鳥たちは、どう猛な肉食獣を避けて、より豊富なエサを求めて北半球から南半球へと飛び立っていきました。

肉食獣たちは、空を飛べないため、そのまま北半球に残ります。

鳥たちが移動した南半球の地には、鳥の敵はなく、地上には豊富な食料がありました。身の危険もなく食料も豊富にある南半球での暮らしの中で、鳥は苦労して空を飛ぶ必要がなくなりました。

鳥は飛ぶことで、さまざまな利益を得てきましたが、飛ばなくても身の安全確保と食料が得られるのなら、鳥は飛ばなくなります。

ポイント1
  • 鳥は、身の安全確保と食料が得られるのなら飛ばなくなる!


なぜなら、重力に逆らって飛ぶということは、物凄いエネルギーが必要になるので、鳥が飛び続けるためには多くのエサを獲得しなければなりません。

それにひきかえ、飛ばない鳥には飛ぶためのエネルギーは要らないので、莫大なエネルギーの節約になります。

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やがて、敵もいなく豊富な食料に恵まれた環境の中で、ペンギンの個体数の数も急増し、そのため、当時、南半球の地(今のニュージーランドやオーストラリア)と地続きだった南極へと進んだペンギンもあらわれました。

南極の新天地に移動したものの、やがて、そこは故郷と分離してしまいます。かつて温暖だった南極大陸は、環流(かんりゅう)に囲まれ、環境は激変。温暖だった環境は急変していき森林に取って代わって南極は氷の世界へと変わっていきました。

南極大陸とペンギンの写真

食べるものがなくなり追い詰められたペンギンの祖先は、地球で最も冷たい海に命がけで飛び込み、エサを探しました。しかし、その氷点下の海の中にこそ、ペンギンを救う豊富な恵みがあったのです。

南極環流(なんきょくかんりゅう)の流れる冷たい海は、実は地球で最も恵みにあふれている場所でした。ペンギンたちは、その海で生きることを選び、寒さへと適応していったのです。

ポイント2
  • 南極の冷たい海は、ペンギンたちのエサの宝庫
  • 飛ぶよりも潜ることに専念したほうが豊富なエサが手に入る

水温が低いと、小さな海洋生物の(かて)になる栄養塩類が固まります。その結果そこには多くのプランクトンが発生し、中でもオキアミを狙い、沢山の魚たちがこの南極環流の海に集まってきます。

ペンギンの祖先は、エサの宝庫である還流の流れにそって、南極の周辺の島々へさらに住処(すみか)を広げていきました。そのため現在のペンギンの生息域には、ほとんどこの環流が流れています。

そして環流はガラパゴスにも流れています。エサを求め、その赤道直下の島までたどり着いたのが、ガラパゴスペンギンの祖先だったのでしょう。

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ペンギンが飛ばなくなったことで得たメリット

★ペンギンの素晴らしいジャンプ力をご覧ください。失敗して海にドボンするのも、ご愛嬌です(笑)。↑

ペンギンは、飛ばなくてもよくなったことで体重を軽くする必要もなくなり、外敵の少ない極寒の地、南極で暮らすために必要な皮下脂肪を沢山身につけることができるようになりました。

空を飛ぶ鳥は、体重を軽くするため骨の中が空洞になっていますが、ペンギンの骨は中身が詰まっていて、普通の鳥より重くなっています。重い体のほうが泳いだり潜ったりするのには都合がいいのです。

ペンギンが飛ばないメリットC

さらに、飛ぶことを止めたペンギンは、翼をヒレに変えたことで海中で驚異的な推進力を生みだすことができたのです。

空を飛ぶ鳥の翼は、骨が空洞で軽いのに比べて、ペンギンの翼(フリッパー)は、骨が固く一枚岩のようになっていて、これが水中で抜群の推進力を生み出します。ペンギンは、翼(フリッパー)をふるだけで、海面から高さ6メートルの崖の上へジャンプして飛び上がることもできます。

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ペンギンは鳥だけど、実は定温動物ではなかった?

      
皇帝ペンギンの泳ぎ

ペンギンは、陸にいるより海で過ごす時間のほうが圧倒的に長く、南極のエンペラーペンギンは約600メートルも潜り、潜水中は脈拍も低下し、血液中の酸素消費を抑えるといいます。

また近年の研究によると、ペンギンは潜水中は、胃の中の温度を10度以上も下げて酸素消費を抑えていることが分かってきました。

ペンギンは、鳥類なので定温動物というのが常識だと思われてきましたが、深海でのエサ探しに適応するため体温まで下げていたというのは驚きです!

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魚のようにエラを持たないペンギンは、いったん水の中に入ると、息を止めている必要があります。

息を止めていられる時間が長いほど、ペンギンはエサのある深いところで長時間過ごせるので都合がよいのです。その際、高い体温を維持するために酸素を大量に消費するやり方では、息を止めてるペンギンにとっては都合が悪いのです。

そこでペンギンは、潜水中の体温を下げてしまう戦略を選びました。しかし泳ぐために必要な翼を動かす筋肉が冷えてしまっては都合が悪い・・そこでペンギンは、お腹の中の温度を一時的に下げることを選んだのです。

お腹の中の体温が一時的に下がったところで潜水に困ることはないので、少しでも長く潜水できるように、ペンギンはお腹の中の体温を10度以上も下げる方法を選んだのでしょう。


ペンギンは秒速2メートルで泳ぐ

ボクらは海の中を飛ぶ鳥

ペンギンに、データロガーと呼ばれる機器をつけて計測すると、ペンギンは秒速2メートルで海中を泳ぐというのですから、まさにペンギンは海の中を飛ぶ鳥です。

ペンギンは、魚のような流線型(りゅうせんけい)の体なので水の抵抗が少なく、羽毛に含まれた脂は潤滑油(じゅんかつゆ)の機能を果たします。また羽の間に蓄えた空気で、浮力(ふりょく)調節も行なっているといいます。

ペンギンは、飛ぶ場所を空から海に変えた海鳥なのです。

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ペンギンは、なぜ白黒のツートンカラーなの?

ペンギンの白黒は保護色A

ペンギンのトレードマークである白と黒のツートンカラーにも実は意味があります。空から狙う敵に対しては、ペンギンの背中の黒色が保護色(ほごしょく)になり、海中で下からペンギンを狙う敵に対しては、お腹の白い色が、太陽光に溶け込み、まるで保護色のような役目をしています。

しかし、最近の研究ではペンギンの白黒の色には、獲物(えもの)への(おど)の効果もあるのではないかという説が有力視されてるようです。

ペンギンの白黒はなぜ
海の中の魚群に、ペンギンのようなツートンカラーの模様を見せると、魚達は一時的にパニックになることが実験でわかっています。

ペンギンは、魚達にパニックを起こさせて、群れをかく乱させて魚をとりやすくしているのではないかというのですが、これが本当ならペンギンって賢いですね。

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ペンギンのよちよち歩きは、泳ぐための進化

ペンギンの可愛らしさを象徴するよちよち歩きですが、ペンギンが2本足で歩くのも、実は泳ぐために適応したためなのです。

飛ぶ鳥の脚はお腹の下についています。しかし、これでは水中で泳ぐ際に摩擦(まさつ)を生みます。そこでペンギンは泳ぐ時に邪魔にならないように、脚をお尻の下につけました。

その結果、ペンギンは陸に上がったときに、2本足の直立歩行(ちょくりつほこう)をすることになったのです。

ペンギンの写真A

ちなみに、ペンギンの脚は、ほとんど隠れているので短いと思われてる方が多いと思いますが、ペンギンの脚は、体全体の4割程の長さがあり意外と長いのです。


ペンギンが、しもやけにならない理由

ペンギンの足はむき出しですが、極寒の地でも、しもやけにならないのは血管の仕組みに秘密があります。

体温と外気の温度差が大きいと、しもやけになりますが、ペンギンは心臓から送り出した温かな血液(動脈)を、体の先端で外気に冷やされた静脈で包んでいます。そのため、体温と外の温度差が少なくなるため、しもやけにならないのです。

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おわりに

ペンギン2羽の写真B
かつて、大空を飛んでいたペンギンの祖先が、空を捨て、冷たい海の中へ入っていったわけは、大自然に秘められた意外な海の恵みでした。

ペンギンは、飛ぶことを捨て、豊かな恵みの海でたくましく生きる道を選んだのです。ペンギンは、空から海へと順応していった不思議な鳥です。 

見た目の可愛さだけでなく、南極の寒さにも耐え抜く強いペンギンは、深い海の底の神秘を私たちに教えてくれる掛けがえのない地球の仲間なのです。

参考書籍
  • やっぱりペンギンは飛んでいる!拝啓、ホントに鳥ですか?いとう良一著
  • ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ 佐藤克文著



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