ゲームは子供に悪影響!時には最悪の結末も…


子供がゲームに熱中しすぎて注意してもゲームをやめないのを見ていると、親御さんとしては、ゲームが子供に与える悪影響について心配になってくると思います。

文部科学省の調査によると、今や小中学生の過半数の子供たちが、ゲームを平日でも1時間以上やっているといいます。スマホの普及により、ゲームをする小中学生の数は増加し、ゲームをする時間も増えてきています。

私自身、過去にオンラインゲームに熱中していた時期があり、ゲーム場で遊んでるたくさんの子供たちと関わってきました。

PCでゲームする男の子
最初は、親との約束を守り、短時間でゲームを終えてた子供たちが、次第に長時間ゲームにのめりこむようになり、大切な受験期になってもゲームを止められず受験を失敗してしまう子供たちも見てきました。

ゲームに熱中する時間が長くなればなるほど学業がおろそかになるという悪影響は出てきますが、ゲームが子供に与える悪影響は、単に成績だけの問題ではないといいます。

今回は、子供に与えるゲームの悪影響の恐ろしさを、かなり以前から訴えてきた精神科医の岡田尊司氏の著書から、ゲームが子供に与える悪影響について考えてみたいと思います。

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ゲームが子供に与える悪影響

ゲームで遊ぶ子供たちA
ゲームは多くの子供たちが熱中する人気の遊びですが、依存性が高く中毒になりやすいという危険性をはらんでいます。しかもゲーム開始年齢が早ければ早いほど、ゲーム中毒になりやすいといわれます。

ゲームに熱中してくると脳の線条体や前頭前野でのドーパミンの放出が増えるのでワクワク感や気分の高揚感が高まります。

ドーパミンとは
  • ドーパミンは、脳内の神経伝達物質の一つで、人に「やる気」や快感を与える物質です。目標を達成できそうなときに感じるワクワク感や、目標達成したときのヤッター!と思った瞬間などにドーパミンの放出が起きます。

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ゲームへの依存が進んでくると、同じ程度のワクワク感を得るためには、ゲームをすることでしか感じられなくなり、他の活動への興味が薄れていきます。

次第に子供はゲームを止められなくなり、親が注意しても隠れて続けようとします。親が起きてる間にゲームをすると怒られるので、親が寝てからゲーム場に来るという子供たちもいました。

さらに依存が進むと、ゲームを邪魔するものに対して、激しい攻撃を行なうようになり暴力暴言もしばしばみられるようになります。

私がオンラインゲームで見た子供たちの中には、ゲームマネー欲しさにゲーム場の他の小学生の子を恐喝していた子供もおり、中には警察に捕まった子供までいました。

ゲームのために、たやすく犯罪にまで手を染めてしまう子供たちの脳の中では、一体何が起きているのでしょうか。

ゲーム中毒に陥った青少年たちの脳は、麻薬中毒の脳と似てくるという研究報告が海外で数多く発表されています。(参考:ゲーム中毒


子供のゲームへの依存が進むにつれ、下記のような様々な悪影響が出てきます。

【身体面】
  • 視力低下・肩こり・頭痛・腱鞘炎・腰痛・運動不足による肥満
  • てんかん発作(ゲームの激しい光や点滅が引き金になることがある)
【学業面】
  • 成績低下・遅刻・欠席・留年・退学
【精神面】
  • ひきこもり・昼夜逆転・意欲低下・うつ状態・自殺企図(きと)・自殺念慮(ねんりょ)
  • (自殺企図:自殺しようとすること、自殺念慮:自殺願望を持つが、実際の行為までは至らない)
【経済面】
  • 浪費・多額の借金など
【家族・対人関係】
  • 家庭内暴力・暴言・友人(家族)関係の悪化



ゲームの中でも暴力的なゲームは、特に子供に悪影響を与えるといわれています。

それでは次に、青少年たちが、特に熱中しやすい暴力的なゲームが、どんな悪影響を子供に与えるのかについて一緒に見ていきましょう。

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暴力的なゲームが子供に与える悪影響

暴力的なゲームをする青年

精神科医の岡田尊司氏は、現代のいじめ、家庭内暴力、ひきこもり、異常犯罪の低年齢化などの問題は、ある種の暴力的なゲーム(ネット、テレビ、ビデオなどの暴力シーンも含む)が原因だと指摘しています。

大人は暴力的なシーンを見ても、明日には忘れてしまうことでも、脳の未発達な子供に繰り返し暴力的なシーンを見せることは、将来的に多大な悪影響を与えてしまう可能性があるといいます。


暴力的なゲームが子供に与える悪影響

いじめをする少年のイラスト
  1. 攻撃性を高める。

  2. 暴力シーンを見すぎて、暴力に対して無感覚になり、本来、人として感じるはずの暴力に対する嫌悪感がなくなる。

    また暴力をやめなければという危機感も感じなくなる。

    子供たちにアンケートをとると、ゲーム時間が長ければ長いほど暴力シーンを見るとワクワクすると答える子供たちが増える。

  3. 相手の気持ちや弱い立場の者への共感や思いやりが無くなる。


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アメリカでは、事件当日まで銃を一度も撃ったことのない少年たちが、驚くべき射撃の腕前で、何のためらいもなく顔見知りの人達に銃弾を命中させていくという事件が起きています。

1996年から2005年の10年間に、アメリカだけで50件以上の銃や刃物による殺傷事件が、学校内で起きています。同様の事件は、アメリカだけでなく、ヨーロッパやカナダ、南米、そして日本でも起きています。

生まれて初めて手にした銃を、彼らが、まるでプロのテロリストさながらに(あやつ)れたのは、シューティングゲームで身に付けた高度なゲームテクニックだといいます。

しかし本当のゲームの怖さは、ゲームによって射撃の腕前を身に付けたということではなく、彼らが何のためらいもなく殺人のタブーを犯したということだと岡田氏は指摘します。

警官と犯人
人間や他の動物には、同種のものを殺めることに対する強い抑止がかかる仕組みがプログラムされているといいます。

第二次世界大戦中においても、狙撃兵の15~20%の者しか実際には敵に発砲していなかったそうで、兵士でさえも、敵を殺めることに強いためらいを感じるのです。

また銃殺刑を執行する際に、銃殺隊のうちの何割かは引き金を引けなかったそうで、人を殺めるという行為には、それほど強い抑止がかかるように、人間にはプログラムされているのです。

ましてや、子供が親を殺めたり、無関係な人達を殺めてしまうという事態は、この殺人のタブーという人間に本来備わっている禁止プログラムが働かなくなっていることを示していると岡田氏は指摘します。

では、人間に本来備わっている禁止プログラムを変えてしまうことは、果たして可能なのでしょうか。それがゲームで可能になるというのですから驚きです。


軍の幹部達
第二次大戦中、射撃訓練用に使われていたのは黒い円の標的だったそうですが、この訓練が実戦に役立たないことが分かり、飛び出し式の人型シルエットに代えたそうです。

人型シルエットが立ち上がった瞬間に、発砲する訓練を積むと、実戦での発砲率も数倍に膨れ上がったといいます。

フォークランド紛争でアルゼンチン軍とイギリス軍が戦ったとき、アルゼンチン軍は昔ながらの黒い円の標的を用いていたため、発砲率が10~15%に留まったのに対して、イギリス軍は人型シルエットで射撃訓練を行なっていたため、発砲率が9割を超えたといいます。

またアメリカ軍は、90年代から軍事訓練にシミュレーション・ゲームを採用しているそうですが、こうしたゲームによる訓練を受けた兵士は、敵に対して発砲することに躊躇(ちゅうちょ)しなくなるといいます。

それまでの訓練では、新兵の半数以上は実際に敵に遭遇しても、相手を殺めることに本能的なブレーキがかかり、発砲して敵を殺めると、強い吐き気に襲われるなどの反応が起きていたのが、シミュレーション・ゲームで敵を倒すことを訓練すると、9割以上の者が躊躇(ためら)いなく敵に向かって引き金を引き、しかも相手が倒れても動揺することがないというのです。

このシミュレーション・ゲームは、本来、人間に備わっているはずの人を殺めることへの葛藤(かっとう)を兵士たちから消してしまったのです。


PCに向かう子供

今のゲームは、解像度が上がり映画のような高いリアリティを持っているものも多いので、大人の私でさえ5分間画面を見ているだけで吐き気がしてくるようなゲームもあります。

黒い円の標的が、起き上がる人型シルエットに代わっただけで、兵士の発砲率が15%から90%に跳ね上がったのです。視覚的に現実の場面にほんの少し似せるだけで、殺人というもっとも強いタブーを打ち破る力を、繰り返しの視覚の刺激が与えてしまうのです。

ましてや、映画のようなリアリティの高い映像の中で、人を殺めるゲームを繰り返すことは、殺人シミュレーターで子供たちが、殺人の訓練に日夜励んでいることにほかならないと岡田氏は危惧します。


脳のイラスト
また、2006年アメリカとドイツの研究者たちは、暴力的なゲームをするとき、脳の中の rACC(吻側前部帯状回)の活動が抑制される一方、dACC(背側前部帯状回)の活動と扁桃体の活動は活発になることを発表しました。

ちょっと難しい専門用語が出てきましたが、rACCというのは他者の痛みを感じる脳の部分で、それに対して、dACCは自分の痛みを感じる脳の部分だそうです。そして扁桃体は、恐怖といった情動の中枢で、敵か味方か、攻撃か逃げるかを瞬時に判断する本能的行動に関わる器官です。

つまり、この研究報告は、暴力的ゲームをプレイするとき、他者の痛みには鈍感になり、自分の痛みに対しては過剰に反応し、攻撃的な反応が衝動的に生じてしまうメカニズムの一端を、脳レベルで解き明かしたものだと岡田氏はいいます。

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ゲーム依存症になりやすい子供

ゲームに熱中する男女の子供

ゲーム依存症は、誰でもが同じように依存症になりやすいわけではなく依存しやすい傾向の子がいます。一般的にゲーム依存症になりやすいのは、男子が女子より3倍以上リスクが高くなります。

また早くからゲームに触れ始めた子では、依存症になる危険性が高くなり、小学校に上がる前から始めた子では、小学校入学後に始めた子に比べて3.5倍も依存症になる危険度が上がるといいます。


ゲーム依存症になりやすい子供のタイプ
ゲームに熱中する子供たちのイラスト
★小さい頃、落ち着きがなく活発な子
★集団の輪の中に入っていくのが苦手な子
★幼い頃の愛情不足の子
★過保護な子
★学校でいじめや孤立を味わったことがある子
★偏食のある子
★こだわりの強い子
★同じことを繰り返す強迫傾向がある子

ADHD(注意欠如多動性障害)の傾向がある子には暴力的なゲームは厳禁



ゲーム依存に陥りやすいハイリスクな子供には、暴力的なゲームは一層注意が必要です。

特にADHD(注意欠如多動性障害)の傾向がある子は、影響を受けやすく破壊性行動障害への進行を助長する危険性があるので、保護者や教師は早い段階から暴力的なゲームから子供を引き離すよう指導する必要があると岡田氏は警告しています。


案内する女性A 子供がスマホ依存症になる原因については、こちらの記事もご参考になさってください。→ スマホ依存症の原因 なぜ中毒になるのか徹底分析

また子供のスマホ依存症の段階別症状の変化とスマホ依存症の対策については、こちらの記事もご参考になさってください。
スマホ依存症から子供を守る!ネット中毒の症状と対策

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ゲームが良い影響を与える分野

リスクとメリットの天びん

ゲームは、脳の成長段階の子供には悪影響を与えますが、かといってゲームの全てが悪いというわけではなく、ゲームの使い方によっては学習や訓練用に大きな効果を上げる場合もあります。

学習障害を持つ子供の場合には、ゲームをとり入れたプログラムを使うことによってスムーズに学習が進められるようになるものもあり、また外科手術の訓練などにおいては、シミュレーションゲームが非常に有効との報告もあります。

さらに老人福祉などの分野にゲームを取り入れることの有用性も、今後大いに期待されるところです。

しかし、脳の発達過程にある子供たちに、ゲームを遊び道具の一つとして与えることは、将来的にあまりにリスクが大きすぎます。

安全性とリスクを天びんにかけた上で、リスクが大きい分野では規制をし、メリットが大いに期待できる分野でこそ、ゲームの活躍の場を広げていくべきでしょう。

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子供をゲームの悪影響から守る

子供とパソコン

親御さんとしては、子供がゲームを欲しがったとき、他の子供たちがゲームで遊んでいれば、うちの子だけゲームを禁止したら、仲間はずれにされたり、いじめに繋がるのではないかという心配も湧いてくるでしょう。

しかし、脳の発達段階にある大切な成長時期に、子供の脳をゲームにさらすことは、将来的に子供にどんな悪影響が出てくるか分からないというリスクがあります。

いったんゲーム依存症になると、そこから脱出することは容易ではありません。

重度のゲーム依存症になると、不登校、ひきこもり、自殺企図、自殺念慮、家庭内暴力、そして最悪、傷害事件へと発展するケースもあります。

ゲーム依存症は月日をかけて、じわじわと形成されていくので、本人も周りも気が付かないうちに徐々に進行していきます。

主婦
それじゃ、どうすればいいの?
どうしたら、うちの子をゲーム依存症から守れるの?


ゲーム依存症からわが子を守るために第一に気をつけたいことは…

◆早いうちからゲームに触れさせないこと
◆小学校に上がる前の使用は避けること


兄弟がいる場合は、上の子の影響で下の子が早くからゲームに触れる機会が増えてきます。そうした点を考えると、一番下の子供が、少なくとも10歳になるまでは子供にゲームをさせない環境を与えることが望ましいと岡田氏はいいます。

スマホやパソコンを子供に早く与えすぎないことと同時に、与えるときには、フィルタリング・ソフトの利用などで有害サイトから子供を守ってあげることも大切です。


主婦
でも、親に隠れてゲームするかもしれないし、24時間見張ってることなんて出来ないわ


親がいくら子供を守ろうとしても、親の目の届かない場所で子供がゲームに熱中することもあるかもしれません。そのためにも、なぜゲームをやらせないのか、その理由について早いうちから子供によく話してきかせることが、とても重要です。

ゲームは楽しいだけでなく危険性をもった遊びであることを幼いうちから繰り返し教えることで、子供は子供なりにゲームの危険性を理解し、一定の歯止めがかかりやすくなります。

ゲームをただ禁止されるだけだと子供は不満を持つだけですが、ゲームの危険性を十分理解させることで、子供自身の心の中に、ゲーム依存に陥らないための抑止力が芽生えるように導いていくことが大切です。


★子供にゲームの危険性を幼いうちから教えましょう♪

  1. 麻薬のように依存性があって止められなくなる危険があること

  2. 性格が怒りっぽくなったり、優しかった人も優しくなくなる危険があること

  3. 注意力や根気がなくなって、将来、勉強も仕事もできなくなってしまう危険があること

  4. 熱中しすぎて、学校を辞めたり、仕事も辞めてしまう人もいること

  5. 現実とゲームの世界との境界が分からなくなって、よその人を傷つけたり、場合によっては殺したり、家族を殺した人もいること

自分の子供に、そんな風になってほしくないので、うちではゲームをやらせないということを子供が幼いうちから繰り返しきちんと説明しましょう。

(出典:脳内汚染からの脱出)

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子供の未来の笑顔のために

子供の笑顔

ゲームが子供に与える悪影響はとても深刻です。ゲームに夢中になりすぎて世界中には突然死する若者まで出ています。

ゲームの悪影響は月日をかけて、じわじわと子供たちの脳と心を(むしば)んでいくので、本人も周りの大人達も、その事になかなか気付かないのです。

ゲームは、単に視力障害などの身体面への悪影響だけでなく、子供たちの精神を破壊し、中には精神障害を引き起こす誘因となったり、発達障害を悪化させるケースもあるといいます。

子供たちはゲームに対して無防備です。子供たちをゲームの悪影響から守ってやれるのは周囲の大人だけです。

私たちの周りには沢山のゲームが溢れていますが、どうすることが子供の未来の笑顔に繋がるのかを今一度真剣に考えて慎重に行動していきましょう!

参考書籍
「脳内汚染」「脳内汚染からの脱出」岡田尊司著
本記事は岡田氏の著書を参考にさせていただきました。詳しくお知りになりたい方は岡田氏の書籍をご覧ください。私も大変感銘を受けた素晴らしい本です。お子さんをお持ちの方には特にお勧めです♪

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