乳がん検診の頻度を決める前に絶対に知っておきたい事!


乳がん病棟のナースステーション
日本で乳がん検診は、どのくらいの頻度で受けることが推奨されているかというと、厚労省は40歳以上の女性の場合、2年に一度の頻度で、視触診とマンモグラフィ検診を受けることを推奨しています。

乳がんは、早期発見・早期治療が大切といわれてる為、推奨されている2年に一度よりも、より高頻度で乳がん検診を受けている方もいらっしゃると思います。

実は、私も年4回、乳がん検診をずっと受け続けていました。そして数年後、乳がんを発症し、それまで知らなかった乳がん検診のデメリットを初めて味わったのです。

乳がんになって自分の胸を失いたくないからこそ受け続けてきた乳がん検診でしたが、それがかえって逆の結果を招く場合があるとは想像もしていませんでした。

近年、欧米では、マンモグラフィ検診は、「乳がん死亡率を下げない」「治療しなくてもいい乳がんを見つけてしまう」というデメリットが問題視され、マンモグラフィ検診の効果を否定する調査結果が各国から報告されています。

こうした世界的な流れからも分かるように、マンモグラフィ検診をどの位の頻度で受けたら良いのかについては、マンモグラフィのデメリットをよく把握した上で、より慎重に決めることが大切です。

あなたの大事な乳房を守るために、乳がん検診の頻度を決める前に是非知っておいていただきたいマンモグラフィ検診のデメリットについて取り上げてみました。

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乳がん検診を3ヶ月に一度の頻度で受けて乳がん発症!

診察風景

私は、母が若い時に乳がんで全摘手術を受けていたので、その娘である私は高リスク群といわれ、40歳の時から、医師から3ヶ月に1度の頻度でマンモグラフィ検診を受けるように言われました。

1年に4回もマンモグラフィ検診を受けるとなると、さすがに放射線被曝が気になりましたが、当時は医師から「放射線は微々たるものなので気にしなくていい」と言われ、その言葉を鵜呑みにしていました。

そして年4回、マンモグラフィ検診を数年間受け続け、放射線をたっぷり浴び続けたある日、検診で乳がんが見つかりました。早期乳がんでした。

ここまでの話ですと、乳がん検診を受け続けてきたから早期発見できて良かったという話に聞こえるでしょうが、実際は違っていて、私は乳がん検診を受けてさえいなければ手術もしないで今も元気でいたと思います。

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私のケースは、治療しなくてもいい乳がん(非浸潤性乳がん)だったのですが、それが転移性乳がん(浸潤性乳がん)と誤診され、2度も温存手術を受け、危うくリンパ切除や抗がん剤治療・放射線治療といった必要のない治療まで受けさせられるところでした。途中で疑問を感じ、転院したことにより誤診であることが分かりました。

このようにマンモグラフィ検診は、治療しなくてもいい乳がんを見つけ、放っておいても問題のないものまで治療し、温存手術や、場合によっては乳房全摘となる場合も多くあります

また反対に、マンモグラフィ検診は、その特徴から悪性の乳がんを見つけられない場合もあり乳がん検診として万能でないことも分かっています。

それでは次に、欧米でマンモグラフィ検診が乳がん検診として効果なしと判断された具体的な理由について一緒に見ていきましょう。


マンモグラフィの乳がん検診のデメリット

マンモグラフィ検診
どんな検診にもメリット・デメリットの両面がありますが、マンモグラフィ検診のデメリットは、次の4点です。

  1. 乳がん死亡率を減少させない
  2. 過剰診断や誤診が多い
  3. 放射線被曝
  4. 乳房圧迫するため乳がん細胞の拡散の恐れがある

それでは一つひとつについて、さらに詳しく見ていきましょう。

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◆マンモグラフィ検診は乳がん死亡率を下げない


マンモグラフィ検診は、早期乳がんを発見することによって、命取りになる転移性乳がんの発生を減らすことが目的です。

しかし、欧米諸国での長年に渡る調査の結果、早期乳がんの発見が2倍に増えても、肝心の転移性乳がんの発生を減らすことが出来ず、しかも発見しなくてもいい乳がんを見つけ過剰診断されるという害作用もあり、マンモグラフィ検診の有効性を否定する国が増えてきました。

アメリカでは、1976年~2008年にかけて乳がんの発生率を調べた結果、早期乳がんの発生数は2倍に増加しているのですが、命取りになる転移性乳がんの発生数は一定でした。

その上、マンモグラフィ検診では、発見しなくてもいいガンを発見され、手術されたり抗がん剤を打たれたりすることが非常に多く、米国でのこの研究では、30年間で130万人以上の米国女性が、治療の必要のない乳がんにもかかわらず過剰診断されたと推計しており、2008年の単年度だけで7万人以上の女性で乳がんが過剰診断されたと推計しました。

この調査結果を受けて、米国予防医学専門委員会は、それまで「40歳以上の女性に対してマンモグラフィを用いた乳がん検診の1~2年に1回の受診を推奨する」としていたのを「推奨しない」と引き下げると勧告しました

カナダでは、1980年~1985年に、40~59歳だった女性9万人を対象に、マンモグラフィ検診を受けるグループと、受けないグループに分けた比較試験が行なわれました。

そして各グループでの乳がんの発見数や死亡数を、その後25年間にわたって調べたところ、乳がんと診断されたのはマンモグラフィ群が3250人、対象群が3133人。そのうち乳がんで死亡したのは500人と505人だったので、40~59歳の女性に対する定期的なマンモグラフィ検診は、乳がん死亡率を減少させないと結論付けました。

(出典:日本は世界一の医療被曝大国 近藤誠 著)

合計60万人以上の女性を対象に検証している10報の試験について統合的に検証した、世界的な臨床研究の評価誌である「コクランレビュー」によれば、乳がんによる死亡率を下げる効果はないと指摘。やはりマンモグラフィー検診の有益性は認められないと指摘している。

(引用:https://www.mededge.jp/a/canc/2682)

こうした世界的な流れの中で、スイスの医療委員会は、マンモグラフィ乳がん検診の廃止を勧告しました。

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A子さん
でも、なぜマンモグラフィ検診は、死亡率を減らすことができないの?


【マンモグラフィ検診が、乳がん死亡率を減らさない理由】

慶応医大で長年乳がん治療に携わってきた近藤誠医師の説明によると、ガンにはタチが悪いものと、タチがいいものとがあるとのこと。タチが悪いというのは、他の臓器に転移が潜んでいるものです。

たとえ検査で転移が見つからなくても、タチの悪い乳がんの場合には他臓器に転移が潜んでいて残念ながら手遅れだといいます。

それに対しタチがいい乳がんというのは、体のどこにも転移が潜んでいません。マンモグラフィ検診で見つかるほどの大きさのガンになるまでには、既に何年もかかっているので、そういう長い期間を費やして癌が成長するまで転移しなかったということは、その癌細胞には転移能力がないことの表れだといいます。

従って、その種の転移しない乳がんに対しては、治療しないで放っておいても、転移することはなく、したがって患者が死ぬこともないのです。

そのため、マンモグラフィ検診を受けても受けなくても死亡率は変わらないというのが近藤医師の主張です。



またアメリカの研究によると、乳がんの3分の1は、毎年のマンモグラフィの合間に発見されていて、この種の乳がんは、1ヶ月で大きさが2倍になり、より転移しやすい特徴を持ったガンだといいます。

マンモグラフィ検診で異常なしの診断があった2~3週間後に見つかることもあり、この種の乳がんの場合は、マンモグラフィ検診は受けても意味がないそうです。

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◆マンモグラフィ検診は過剰診断につながる


病院の廊下A
マンモグラフィ検診は、万能ではなく過剰診断が多いこともデメリットの一つです。つまり放っておいても転移しない癌も見つけてしまうのです。

高齢で亡くなった女性の解剖をすると、この種の転移しない乳がんが、乳房の中に見つかることもよくあるといいます。つまり、この種の乳がんは死ぬまで乳房の中にあっても他臓器に転移しないので問題がない乳がんなのです。

しかしマンモグラフィで見つけてしまうと、将来悪性化するかもしれないとの予防的措置で治療されてしまいます。

しかも、その場合、マンモグラフィで見つかる乳がんは、正常乳腺の間に溶け込むように広がっていて、その範囲が分かりにくいために乳房全摘となる場合も多いのです。

私がマンモグラフィで発見されたのは、まさにこの種のタイプの乳がんでしたが、私の場合は、さらに運が悪かったのは、生検で誤診され、転移性の乳がん(浸潤性乳がん)と間違って診断されたことです。


またマンモグラフィ検診は、過剰診断とは反対に、実際は悪性の乳がんなのに、異常なしと誤診されるケースもあります

マンモグラフィは、乳腺が発達している場合、乳腺としこりの区別がつきにくいため、誤診しやすくなるケースもあります。そのため、乳腺が発達している20~30代の女性にはマンモグラフィ検診は不向きだといわれています。

若い女性に向いているのは、マンモグラフィ検診より超音波によるエコー検査のほうです。しかしエコー検査にも欠点があり、細かい石灰化が見つけにくいことや検査する医師の技術によって発見率が違ってくるという問題もあります。


チューリップの吹き出し2

またエストロゲン補充療法を行なっている閉経後の女性の場合や、乳房インプラントを使用している女性の場合も、マンモグラフィ検診では乳がんを見つけにくいといわれています。

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◆放射線被曝

 
マンモグラフィ検診2

マンモグラフィ検診は、放射線被曝も気になります。特に、私のように医師から年4回もマンモグラフィ検診を受けるようにいわれると、内心こんなに放射線を浴びても大丈夫なのだろうかと不安に感じていたのも事実です。

マンモグラフィ検診では、1回の検査で最低レベルでも、40,000μSv (40 mSv)程の線量を浴びるそうです。日本人が受ける平均的な自然放射線量は、1年間で1,100 μSv/y (1.1 mSv/y)。ということは、1回のマンモグラフィで約36倍、私の場合は、これを年4回やったわけです。

しかも患者の医療被曝線量については、線量限度が設けられていないので、医師が必要だと考えれば、幾らでも検査という名のもとに、医療被曝させられてしまいます。

慶応医学部放射線科で長年乳がん治療にたずさわってきた近藤医師によると、乳房は臓器の中で発がん性が一番高い臓器で、マンモグラフィ検診によって被曝することは、乳がん発症の原因となり得ると、はっきりとおっしゃっています。

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また、毛細血管拡張性運動失調症という遺伝病を引き起こす遺伝子(A-T遺伝子)は、放射線の被曝によって発ガンしやすく、この遺伝子を持たない女性に比べると乳がんになるリスクが5倍も高いといいます。

米国での調査によると、この遺伝子を持ってるアメリカ人女性は1~2%と少数ですが、実際、アメリカ国内の年間、乳がん発症数のうち20%強が、このA-T遺伝子も持ちながら放射線を受けた女性達だと考えられているそうです。

マンモグラフィの吹き出し3

45歳~69歳までの女性4万2千人を対象としたスウェーデンのある研究では、閉経前に定期的にマンモグラフィ検診を受けた55歳以下の女性は、乳がんで死亡するリスクが29%上昇したといいます。

またカナダの研究者達は、40~49歳でマンモグラフィ検診を受けた女性が、単に乳房への触診のみを受けた女性に比べて、乳がんによる死亡率が52%も増加したと発表しています。

アメリカとヨーロッパで行なわれた6つのよく管理された臨床試験でも、現代の放射線量の低いマンモグラフィであっても、閉経前の女性たちの死亡率を高めることが報告されています。

マンモグラフィ検査だけでなく、すべての医療放射線には、何らかのリスクがあります。日本は世界一の医療被曝国であり、日本人のX線検査による発ガンリスクは世界一だと言われています。

乳がんを早期発見するために受ける医療行為によって、かえって乳がんリスクを高めることがないように、医療被曝は可能な限り避けることが自分の身を守ることに繋がります。

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◆乳房圧迫するため乳がん細胞の拡散の恐れがある


マンモグラフィによる乳房圧迫

マンモグラフィ検診は、乳房を痛くなるほど、きつく圧迫するため、それで血管が破壊され、まだ見つけていない乳がんの細胞を拡散させてしまう恐れがあるそうです。

最近の研究では、腫瘍が機械的に動かされると、転移は最大80%まで増加するといわれています。

あるスウェーデンの研究では、放射線専門医が「女性たちが耐えられる限界まで、強く圧迫する」やり方でマンモグラフィ検診を行なった女性たちは、検診を受けていない女性たちよりも、30%ほど乳がん死亡率を高めたという報告もあります。


マンモグラフィに代わる安全な乳がん検査は?

乳がんセルフチェックイメージ画像
乳がんをセルフチェックする自己触診は、もっとも安全で、少なくともマンモグラフィ検診より効果的です。アメリカでは乳がんを発症する女性の90%が、乳がんを自分自身で発見しています。

毎月の定期的なセルフチェックと合わせて、医師にも触診してもらえば、より効果的です。よく訓練された医師の定期的な触診を受けていれば、検知率は87%と高く、小さな腫瘍でさえ見つけることが出来るといいます

またフィンランドでの調査では、セルフチェックを行なっている女性たちのほうが、セルフチェックの習慣がない女性たちよりも、乳がんによる死亡者数が30%も少なかったと報告されています。


センサーパッドという道具を使用すると、自己触診の正確性をより高めることができます。センサーパッドは、潤滑剤を入れたプラスチックシートで、このシートを乳房の上に乗せて自己触診を行なうと、異常があったときに発見しやすくなります。

生理が終わった4~5日後の乳房の柔らかい時に、また閉経後の人は毎月、日を決めてセルフチェックをしましょう!

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乳がん検診の頻度は、発症リスクに応じて、より慎重に!


日本人女性の乳がんの好発年齢は、40代~60代です。乳がん発症のリスクは個人によっても異なります。年齢や発症リスクに応じて、マンモグラフィ検診は、より慎重に利用しましょう。

まとめの花束
  1. マンモグラフィ検診の利用は、より慎重に!
  2. セルフチェックを習慣化し可能な限り、より安全な方法を選ぶ
  3. すべての不必要な医療放射線を避ける

あなたが、大切な乳房を無駄に傷つけられることなく、乳がん発症のリスクを高めることなく、より安全に乳がんチェックをして下さることを心から切に願っています!

参考書籍
  • 日本は世界一の医療被曝大国 近藤誠著
  • 乳がんリスクファクターのすべてを知る サミュエルS.エプスタイン著

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4 Responses to “乳がん検診の頻度を決める前に絶対に知っておきたい事!”

  1. 通りすがり より:

    被ばくの「ばく」は爆でなく「曝」です。

    少なくとも国際放射線防護委員会(ICRP)が、一般人が浴びていいと定めている年間1ミリシーベルトは、優に超えてしまっています
    →この年間1mSvという線量限度には、医療被ばくや自然被ばくを含みません。

    • poteto より:

      通りすがり様

      誤字のご指摘どうもありがとうございます。早速訂正させていただきました。

      >この年間1mSvという線量限度には、医療被ばくや自然被ばくを含みません。

      線量限度には医療被ばくと自然被ばくは含まれないというのは、おっしゃる通りでした。勉強になりました。教えていただきどうもありがとうございます。

      それにしても、患者の医療被ばく線量について限度がないというのも怖いなと思いました。

  2. よてぺ より:

    近藤誠先生はかなり偏った意見をおっしゃることで有名です。信者のような方が多いのですが、もう少し広い目で色々な情報をご覧になってはいかがでしょうか?
    近藤先生への反対意見、かなり多いですよ。

    • poteto より:

      よてぺ様

      コメントどうもありがとうございます。

      近藤先生への反対意見があることは勿論存じ上げていますよ。近藤先生のように、ある意味医療を否定するようなことをはっきりおっしゃる方だと同業者からの反発も大きいだろうと思います。

      近藤先生の場合、慶応病院で乳がん治療に従事なさってた時から、同じ慶応病院の医師の間では異端児扱いのところがありましたからね。

      にもかかわらず、当時、近藤先生のところには日本全国から多くの乳がん患者が押しかけていました。近藤先生に救われた乳がん患者が多いことは事実だと思います。


      ただ、誤解のないように申し上げておきますが、私は近藤医師の信者でもありませんし、そもそも近藤医師の信者という存在があるのかどうかも不明です。

      私は自分の乳がん治療に疑問を感じた時、著名な乳がん専門医達にセカンドオピニオンを受けて回りました。当時、いわゆる乳がんの名医といわれた先生方のところに、片っ端からご意見を伺いに回ったわけです。

      その結果は、多くの乳がん専門医達のご意見を伺って、その時点で誤診であることを見抜いていたのは、たった2名のドクターだけでした。そのお一人が近藤先生です。

      近藤先生の主張には賛否両論あると思います。医療の世界では意見が分かれることは、よくあることだと思います。ただ、乳がん治療医として近藤先生が非常に優れた医師であることは、私も含めて多くの乳がん患者たちが認めるところだと思います。

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