インフルエンザに麻黄湯!飲み方の正しいコツ3か条!


インフルエンザに麻黄湯(まおうとう)を使われる方が年々増えてきました。麻黄湯は、飲んでも眠くならないので、運転される方や受験生にも喜ばれる漢方薬ですが、飲み方を間違えると、効果が得られないばかりか副作用が出る場合もあります。

おばあさん
寒気がして頭が痛い。。。孫のインフルエンザがうつったのかもしれないね(^^;;

孫が飲んでたあの麻黄湯っていう漢方薬、インフルエンザによく効いたみたいだから、おじいさん、同じものを買ってきて~!

おじいさん
ばあさんは血圧高いけど、麻黄湯って飲んでも大丈夫なのかい??

漢方医
ちょっと待ってください!

麻黄湯は、血圧上昇、頻脈、動悸などの副作用が出る場合がありますので、高齢者や高血圧、心臓病などの持病がある方には使いません。



◆インフルエンザに麻黄湯を使う場合には…

マスクしてる男女 1.体質
2.症状
3.タイミング


この3点について正しい飲み方をすることが大切です。

それでは、どのような飲み方をすれば麻黄湯でインフルエンザを効果的に治すことができるのかを、一緒に見ていきましょう♪

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インフルエンザに麻黄湯が効果を発揮する飲み方3か条

悪寒のする男女3人

従来のインフルエンザの治療薬であるタミフルなどの抗ウィルス薬は、副作用や耐性ウィルスの問題があり、漢方薬でインフルエンザを治療することが注目されるようになってきました。

しかも近年の研究では、インフルエンザに麻黄湯を使用した場合、抗ウィルス薬と同等の効果があり、さらにインフルエンザの関節痛に関しては、麻黄湯のほうが抗ウィルス薬よりも改善効果が高かったという報告もあります。

しかし麻黄湯は、誰もが飲んでインフルエンザに効くわけではなく、限られた条件にマッチしたときだけに効くお薬なので、使い方に注意が必要です。

インフルエンザを麻黄湯で治すためには、次の3つの条件に全て当てはまることが必要です。

インフルエンザの寒気で震える男性A
  1. 体質
     
    麻黄湯が効くのは実証タイプ

  2. 症状

    ゾクゾクする寒気、汗をかいていない、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状がある。

  3. タイミング

    「インフルエンザにかかったかな?」と思うごく初期に飲み始めることが大事!ゾクゾクと寒気がして、汗をかいていない時に飲む。

    麻黄湯を飲み始めて汗がどっと出始めたら麻黄湯を飲むのをやめる。
ポイント
麻黄湯は強い生薬なので、だらだらと飲み続けると汗をかきすぎてグッタリしてしまいます。ゾクゾク寒気がするときに飲んで、汗がどっと出始めたら麻黄湯を飲むのはやめましょう。

麻黄湯は胃腸障害や排尿障害、不眠などの副作用が出る場合があります。インフルエンザや風邪に麻黄湯を使う場合は、ゾクゾク寒気がするときに短期集中的に使うのがコツです。

麻黄湯は、身体を温め発汗させることによってインフルエンザを治すので、解熱剤との併用は、麻黄湯の効果を半減させるので避けましょう。


それでは、上記の一つひとつについて更に詳しく見ていきましょう。

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◆体質 麻黄湯が効くのは実証タイプ


漢方での診断は、「その人がもっている体質や病態、病気の進行度合い」などを表した「証」を基本にして行ないます。その証の分け方の一つに虚実があります。

その人の体力・抵抗力・反応の程度から「実証」「虚証」「中間証」の3つに分けられ、同じ風寒型のインフルエンザでも処方される漢方薬が違ってきます。

実 証
実証は体力があり、病気に対する抵抗力や反応も強い状態です。風邪・インフルエンザのときは、症状が激しく現われます。
実証タイプの男性
  • がっちりした体格
  • 筋肉質、小太り
  • 胃腸は丈夫
  • 夏は暑がるが夏バテしない
  • 声は力強い
  • 便秘気味
  • 寝汗をかかない
  • 麻黄が有効

虚 証
虚証は体力がなく、病気に対する抵抗力や反応も弱い状態です。風邪・インフルエンザでも、症状があまり激しく出ません。
虚証タイプの女性
  • きゃしゃな体格
  • 内臓下垂体質、水太り
  • 胃腸が弱い
  • 夏バテする・冬の寒さに弱い
  • 声は弱々しい
  • 軟便・下痢傾向
  • 寝汗をかきやすい
  • 麻黄で副作用


「中間証」というのは、どちらとも言いきれない、いわば両者の中間的なタイプの人です。

同じ家族の中でも高齢のおじいさん、おばあさんはインフルエンザにかかってもあまり症状が激しく現われない虚証タイプで、その孫は症状が激しく現われる実証タイプの場合には、同じインフルエンザでも処方される漢方薬は異なってきます。

麻黄湯が効くのは実証タイプで、虚証タイプの人の風邪・インフルエンザのひき始めの初期には、桂枝湯(けいしとう)、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)、香蘇散(こうそさん)などが使われます。


証の判定は、体格や年齢だけではありませんので、実際に証の判定をする場合には、漢方の専門医に診てもらいましょう。

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◆症状 麻黄湯が効くのは風寒型の風邪・インフルエンザ

インフルエンザの女の子

漢方では、風邪もインフルエンザも分けて考えず治療法は同じですが、風邪・インフルエンザのひき始めの症状から、風寒型、風熱型など幾つかのタイプに分けて治療法を考えます。

風寒型(冬に多い) 

  • ゾクゾクする寒気
  • 頭痛、関節痛
  • 首や肩のこり

  • 風寒型に効く代表的な漢方薬
    【麻黄湯・葛根湯・桂枝湯】


風熱型

  • 寒気はあまり感じない
  • 身体が熱っぽく、暑さで寝ていても布団をはがす
  • のどの痛み・のどが渇く・冷たいものを飲みたがる

  • 風熱型に効く体表的な漢方薬
    【銀翹散(ぎんぎょうさん)】

風熱型の風邪・インフルエンザの場合は、身体にたまった熱を取ることが大切なので、麻黄湯や葛根湯などの身体を温める作用のある漢方薬は使ってはいけません。

    

麻黄湯でインフルエンザを治すためには、麻黄湯に適した体質と症状であることが大切ですが、その他に、麻黄湯を飲むタイミングもかなり重要なポイントになります。飲むタイミングがバッチリ合えば、翌日にはケロっと治ってしまう場合もあります。

では次に、麻黄湯を飲むタイミングについて一緒に見ていきましょう。

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◆飲むタイミングは風邪・インフルエンザのごく初期に!

 
麻黄湯は白湯で
麻黄湯でインフルエンザを効果的に治すには、ゾクゾクする寒気を感じ始めて「インフルエンザにかかったかな?」と思う、ごく初期に麻黄湯を飲むのがコツです。大事なポイントは、汗をかいていないことです。

ポイント!
  • 麻黄湯は、寒気がして汗をかいていない状態のときに飲む。
  • 汗をかいているときには麻黄湯は使わない。


麻黄湯を飲むと身体の芯から温まってくるので、汗をいっぱいかき始めます。汗がたくさん出てきたら、自然と熱も下がってくるので、麻黄湯の服用はやめます。その後も他の症状がある(たとえば咳が続く)場合には、別の漢方薬が処方されます。

風邪やインフルエンザのときに飲む漢方薬は、ひき始めの初期に飲むものと、こじれて長引いたときに飲む漢方薬とでは違ってきます。インフルエンザが長引いたときには、麻黄湯は飲まず、漢方医にご相談なさってください。

麻黄湯の飲み方
麻黄湯の飲み方は、エキス製剤の場合は、1回の服用に1包の薬を、コップ半分以上の熱湯によく溶かし、少し冷ましてから服用します。

あるいは、薬1包を口に含んで、白湯で服用してもかまいません。麻黄湯の温める作用を十分発揮するためにも、水よりも白湯で飲みましょう。


犬の案内 インフルエンザに葛根湯を使う場合は、こちらの記事もご参考になさってくださいね♪

インフルエンザに葛根湯が効果を発揮するための3つの条件

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麻黄湯にインフルエンザの予防効果はない!

受験生のインフルエンザ予防A
受験を控えてるお子さんや仕事の都合などで、どうしてもインフルエンザを予防したい時ってありますよね。残念ながら麻黄湯にはインフルエンザを予防する効果はありません。

漢方薬で風邪・インフルエンザの予防をしたい場合には、板藍根(バンランコン)を1日1回お茶(板藍茶(ばんらんちゃ))にして飲むといいと、知り合いの漢方薬剤師が勧めていました。

板藍根は、中国では風邪・インフルエンザの予防として、うがいをする時に板藍根を使ったり、お茶代わりに飲んだりする習慣があるそうです。

板藍根には、抗ウイルス作用や解熱作用があり、感染症に効果があるといわれています。また、腫れを抑え、のどを潤す作用もあります。

ただ、板藍根は体を冷やす作用が強い漢方でもあります。

通常、1日1回、板藍茶(ばんらんちゃ)を飲むぐらいなら、体が冷えることはないと漢方薬剤師が話していましたが、冷え性の人や、高齢者、小さな子供など体力があまりない人が、インフルエンザ予防として長期間服用するのは避けたほうがいいかもしれません。

その際には、うがい薬として使ったり、また、喉が痛いときには、短期的に板藍根の「のど飴」を使うのもいいでしょう。


漢方薬以外では、エキナセアというハーブティが、インフルエンザ予防として私の周囲では人気があります。エキナセアは、板藍根とは反対に、身体を温める作用の強いハーブですが、インフルエンザの治療薬としても使えるハーブです。


それでは最後に、麻黄湯の風邪・インフルエンザ以外の効能や副作用について一緒に見ていきましょう。

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麻黄湯の効果と副作用

漢方医A
麻黄湯は痛みを取り、咳をしずめる作用があることから、関節リウマチや気管支ぜんそくにも使われます。麻黄湯は強い生薬なので、使い方を間違えると副作用が出る場合がありますので注意が必要です。


【麻黄湯に含まれる4種類の生薬】
麻黄湯の表A


【麻黄湯の効果】
漢方薬剤師の女性A 風邪・インフルエンザの初期
関節リウマチ
気管支ぜんそく
乳児の鼻づまり

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【麻黄湯の副作用】
高血圧症、甲状腺機能亢進症、循環器系障害、胃腸障害、高度腎障害、排尿障害などが悪化する場合があります。

麻黄の中のエフェドリンという成分には、眠気覚まし効果があるので不眠の症状が出る場合があります。

偽アルドステロン症(手足のだるさ・血圧上昇・こむら返り)などの副作用には適切な処置が必要です。

妊婦、妊娠している可能性のある人は使用できない場合があります。

乳児が風邪で鼻がつまり、哺乳困難になったときなどにも麻黄湯は有用とされていますが、虚弱な乳児に用いると、汗をかきすぎて、ぐったりしてしまうので注意が必要です。

麻黄湯のまとめ
インフルエンザに麻黄湯を使うときには、実証タイプの人で、ゾクゾクと寒気がして、汗をかいていない状態で「インフルエンザにかかったかな?」と思うごく初期に飲むことが大切です。

漢方薬は、抗ウィルス薬と違い、耐性ウィルスの問題がないので、抗ウィルス薬が効かない場合にも麻黄湯は効果を発揮します。また麻黄湯は保険適用なので、料金的にも経済的です。

今年もインフルエンザの流行時期がやってきますが、万全のインフルエンザ対策をして乗り切っていきましょう♪

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