ノロウイルスと免疫力の関係!感染に個人差が出るのはなぜ?


ノロウイルスは免疫力が高いと、感染しないのでしょうか。ノロウイルスは、毎年12月~3月頃まで流行が続きますが、中には1シーズンで繰り返し感染する人もいます。

Aさん
オレ、またノロウイルスにやられたぜ。ひと冬で2回も感染するって免疫力が低いってことかよ?

Bさん
俺の妹なんて毎年ノロウイルスにかかってるよ。でも、なぜか俺は平気なんだけどさ。


同じ家族の中でも、ノロウイルスでダウンする人もいれば、その看病をしていても全く平気の人もいます。食中毒で集団感染が起きても、発症する人と発症しない人がいるのは、個人の免疫力の違いなのでしょうか。

それとも、ノロウイルスの感染に個人差が出る理由は、免疫力の他にも何か原因があるのでしょうか。

今回はノロウイルスの感染に個人差が出る理由について取り上げてみました。

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ノロウイルスの感染に個人差が出るのは免疫力のせい?

ノロウイルスの症状の違いのイラスト

ノロウイルスに感染しても、症状が重い人と軽い人、あるいは症状が全く出ない人と、個人差がありますよね。

ノロウイルス感染後に、免疫力があまりない人は症状が重症化しやすくなりますが、では、ノロウイルスにかかる、かからないの違いは、個人の免疫力と直接関係はあるのでしょうか?

その点がよく分からなかったので感染症の専門家にメールで問い合わせてみました。

それによると、ノロウイルスに毎年かかる人と全くかからない人とがいる理由は、現代の医学では、残念ながら解明されていないとのことでした。

多くの研究者たちが解明しようとしていますが、ノロウイルスは培養にも成功していないため、現代の医学では、まだはっきりとノロウイルス感染の原因が解明されていないそうです。つまりノロウイルスの感染と免疫力との関連性は不明とのことでした。

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ノロウイルスの予防については、免疫力をあげることよりも、丁寧な手洗いや食品を中心部までしっかり熱を通すなどして感染経路を断つことのほうが、より効果的だということでしょう。

手洗いのイラストA
しかし、個人の免疫力がノロウイルスの感染に直接関係するかどうかが不明でも、それ以外に、ノロウイルスの感染に個人差が出る理由として、いくつか報告されているものもあります。


ノロウイルスの感染に個人差が出る理由
  1. ノロウイルスはそれぞれの遺伝子型で、感染しやすい血液型と感染しにくい血液型がある。

  2. 過去に同じ遺伝子型のノロウイルスに感染したことで免疫ができたため、発症しないか、あるいは発症しても早期に治癒する。

  3. ノロウイルスに暴露した量も関係し、多い人は症状が重くなり、少ない人は軽くなる。

  4. 乳幼児・高齢者・妊婦などのように免疫力が低い人は、脱水症状が悪化して重症化しやすい。

それでは、一つひとつの理由について、さらに詳しく見ていきましょう。

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ノロウイルスの種類によっては血液型で感染率に差が出る

血液型を調べる採血のイラスト

ノロウイルスは、血液型で感染率に差があり、遺伝的に発病しやすい人と発病しにくい人がいます。

ノロウイルスは、特定の組織血液型抗原をレセプター(ウイルスの結合部分)とするので、ノロウイルスが感染する腸管にノロウイルスの遺伝子型にくっつく組織血液型抗原がなければ、ノロウイルスは腸管に吸着されることなく通過すると考えられています。

そのため腸管の上皮細胞にノロウイルスの遺伝子型とくっつく組織血液型抗原がある人は感染しやすく、ない人は感染しないということになります。

組織血液型抗原とは
血液型というとABO式血液型を思い浮かべる人が多いと思いますが、その他にも色々な分類による血液型があります。その中でもABO式血液型とLewis式血液型の抗原はとても似通ってるため両者をあわせたものを組織血液型抗原といいます。

組織血液型抗原は、唾液や消化管粘液に分泌される人(分泌型)と分泌されない人(非分泌型)とがいます。

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ノロウイルスには7つの遺伝子群(GI~GVII)があり、ヒトに感染するのはGI、GII、GIVですが、GIVによる感染症の発生は少なく,GIIが主流です。さらに、GI、GIIもたくさんの遺伝子型に分類され、それぞれの遺伝子型は抗原性も互いに異なるため、ノロウイルスの遺伝子型によって、かかりやすい人、かかりにくい人が異なります

血液型
たとえば、ノーウォーク類似株は、O型(分泌型)、A型(分泌型)の人に感染しやすく、B型の人には感染しにくいと考えられています。また、スノーマウンテン類似株では、B型(分泌型)、A型(分泌型)の人に感染しやすく、ロードスデイル類似株では、分泌型のA型・B型・O型の人に感染しやすくなります。


しかし、このような組織血液型抗原との関係が当てはまらないノロウイルス群もあり、これまで世界中で流行してきた感染力の強いGII.4型のノロウイルスについては、ABO式のどの血液型でも感染しやすいことが分かっています

また、ノロウイルスの遺伝子型の中には、組織血液型抗原を認識しないウイルス株も存在します。つまり血液型が何型だから安心ということはないようです。

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ノロウイルスの免疫の持続期間はどの位?


過去にノロウイルスにかかった場合、同じ遺伝子型のノロウイルスに再感染した場合には、免疫があるため発症しないか、あるいは早期に治癒します。

OL
ノロウイルスの免疫持続期間ってどの位?

ノロウイルスは小腸の上皮細胞に感染し、そこで増殖します。これを局所感染と呼びますが、ノロウイルスのように局所感染を起こし、潜伏期間が短い感染症では、全身感染を起こすウイルスと違って、感染後の免疫の持続が短くなります。

ノロウイルスの感染を受けると、小腸に分泌抗体であるIgA抗体が出現しますが、この局所の抗体は持続が短く、数ヵ月後には消失するそうです

しかしながら、免疫は永続的なものではなく、再感染が起こりえます。免疫は数ヶ月から一年間程度は持続しますがその後はあまり役立たず、半年から2年も経過するともう再感染がありえます。そこでノロウイルス(Norovirus)の同一の株あるいは近似の株に感染したことがあっても、それから半年以上経過していれば、再び感染することを心配しなければなりません。

引用:横浜市衛生研究所 

OL
でもさ、ノロウイルスの免疫が数年間続くって何かで読んだことあるけど?

ノロウイルスの免疫持続期間については6か月~2年と推定する研究報告や、4年~8年は免疫期間が続くと推定する研究もあり、研究報告によってかなりのバラつきが見られます。

ノロウイルスの免疫持続期間が、はっきりと確定できていない理由は、ノロウイルスは培養に成功していないため、増殖したノロウイルスを使って実際の免疫期間の研究がまだ出来ていません。

そのため本当のノロウイルスの免疫持続期間の確定が、現在も推定でしか出来ていないため、収集したデータの取り方によっては推定される免疫持続期間に幅が出てしまいます。

しかし、少なくとも…

◆ノロウイルスの感染で短期の免疫が獲得されることは間違いない!


つまり、ノロウイルスに一度かかると、しばらくは同じ種類のノロウイルスにやられることはありませんが、ノロウイルスには、たくさんの遺伝子型があるので、種類の違うノロウイルスだと、また感染してしまいます。

そのため1シーズンで何度もノロウイルスにかかってしまうこともあります。

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またノロウイルスの遺伝子は、RNAウイルスなので、誤ったコピーを起こしやすく変異しやすいという特徴があります。

OL
ということは、せっかく免疫がついても、変異したノロウイルスには、前の免疫が効かないってことね!

たとえば、これまで流行していたGII.4の型については、数年間隔で遺伝子変異株の出現があり、その都度、人が免疫を持っていないため大流行を起こしてきました。

これまで流行していたのはGⅡ.4 Sydney(流行の始まりの年は2012年)で、その前はGⅡ.4 New Orleans(2009年)でした。同じGⅡ.4といっても、GⅡ.4 New Orleansに感染したことによって、GⅡ.4 Sydneyへの免疫はつきません。

今シーズン(2015~2016年)は、GⅡ.17が大流行する可能性があるといわれていますが、それは、これまで流行していたGⅡ.4 Sydneyに対する免疫を持っている人が多く、現段階では(2015年10月)、GⅡ.17 Kawasakiの免疫を持っている人がほとんどいないためです。

このようにノロウイルスは免疫の持続が短いこと、そして型がたくさんあり、しかも変異を起こしやすいので、人はノロウイルスに繰り返し何回も感染する可能性があります

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ノロウイルスに暴露した量によっても症状に差が出る

ノロウイルスの嘔吐物処理のイラスト

感染に個人差が出る理由の一つに、ノロウイルスに暴露した量も関係してきます。ノロウイルス感染者の嘔吐物の処理などに直接かかわり、処理の際にマスクや手袋をしなかった場合には暴露量が多くなり、症状も重くなります。反対に暴露量が少ない場合は、症状も軽くなります。


免疫力の低い人は症状が重症化しやすい

乳幼児と妊婦と高齢者の画像A
ウイルスや細菌は、どの位の数になれば発症するのかということが各病原体ごとにだいたい決まっています。

ノロウイルスの場合は、ウイルスの数が10~100個でも感染するといわれているので感染力は非常に強くなります。

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一般の成人に比べ、乳幼児、高齢者、妊婦は免疫力が低くなるので、感染した際に重症化しやすくなります。

ただし免疫力が高ければノロウイルスに絶対感染しないのかという問題については、ノロウイルスの培養に成功していない現段階では不明だそうです。


おわりに(ノロウイルスの免疫)

ノロウイルスに毎年かかる人と全くかからない人とがいる理由は、現代の医学でもまだはっきりと解明されていないようです。

ノロウイルスの流行には、未だに多くの謎が残されていて、免疫力とノロウイルスの感染との関連性についても、まだよく分かっていません。

ただし免疫力が低いと、ノロウイルス感染後に脱水症状が悪化して重症化しやすくなりますので、日頃から免疫力を高めておくことが大切です。

ノロウイルスにかかりやすい人は、特に流行時期には、丁寧な手洗いや食品の中心部までの十分な加熱を心がけ、免疫力を上げて重症化しないように気をつけましょう。

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4 Responses to “ノロウイルスと免疫力の関係!感染に個人差が出るのはなぜ?”

  1. M.KAORU より:

    ノロウイルスに付いて、当方A型ですが、全くかかりません。
    始め孫が家に感染した状態で、下痢、黄土を繰返し、
    その後、12時間後、娘同じに、24時間後家内がなりました。
    娘、家内が良くなったので、
    3日が過ぎ、息子が帰宅その12時間後発病しました。
    毎回、孫の下痢の処理をしましたが、私は全く無いも無い状態でした。

    • poteto より:

      M.KAORU様

      コメントどうもありがとうございます。

      凄いですね!ご家族全員がノロウイルスを発症しても、M.KAORU様だけは全く平気なのですね。

      M.KAORU様のコメントをとても興味深く拝見させていただきました。貴重な体験談をお寄せいただき、どうもありがとうございます。

  2. 桜木 より:

    私は毎年感染性胃腸炎にかかっています。
    嘔吐の苦しさは恐怖でしかありません。
    全くかからない人がいるなんて羨ましい限りです。
    早くワクチンが開発されるといいのですが…。
    このサイトの情報を参考に予防に努めたいと思います。

    • poteto より:

      桜木様

      コメントどうもありがとうございます。

      >私は毎年感染性胃腸炎にかかっています。

      うわー!それは本当にお辛いですね。毎年苦しい経験をなさっていると、ノロウイルスの時期は、恐怖になるでしょうね。

      ノロウイルスにかかられた方々のお話を伺うと、死ぬかと思ったほどの苦しさだったと耳にします。お話を伺ってるだけで、想像を絶する苦しみなのが伝わってきます。


      それにしても、ノロウイルスに毎年かかる方と全くかからない方がいるというのも謎ですよね。

      実は、私も、ノロウイルスには一度もかかったことがないのです(^^;; 

      風邪やインフルエンザにはかかるので、免疫力が特別高いわけでも何でもないのですが、ノロウイルスは、なぜかまだ未体験なのです。

      毎年ノロウイルスに苦しまれてる方達が大勢いらっしゃる中で、一度もかかったことがないとは、あまり大きな声では言えないのですが・・・。

      私の場合は、たまたま今まで、かからなかっただけで、これから先、いつノロウイルスにやられるか分かりませんから、ノロウイルスの時期は、OS-1の常備と、丁寧な手洗いと食品の中心部までの加熱だけは心がけるようにしています。

      ノロウイルスのよい対策法を、早く開発してほしいですよね。毎年多くの方達が地獄の苦しみを味わわなくても済むようなノロウイルス対策が、一刻も早く開発されることを祈るばかりです。

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