喘息の症状!大人は自覚してない潜在患者が多いので要注意!


喘息(ぜんそく)は子どもの病気と考えられがちですが、全体の患者数から見ると、大人喘息は小児喘息よりも、はるかに数は多いそうです。

大人喘息を発症する年代は、20~40歳代が30%、40歳を過ぎてからの発症は半数以上にもなり、60歳を過ぎてから発症する患者さんもいます。

実際、私の母は、80代になって大人喘息になりました。母の場合、随分遅い喘息デビューでしたが、治療後は、2年間喘息症状が全く出なかったので、すっかり良くなったものと思い込んでいました。

ところが、ある日、その甘い考えは吹っ飛びます。母は風邪をひき、激しい咳き込みが続いたと思ったら突然動けなくなり、あわてて救急車を呼ぶことに。。。

救急車
喘息の怖いところは、突然急変することです。喘息死は年々減ってきたとはいえ、2014年でも年間1,547人の人が喘息で命を落とされています

さらに驚くことは、喘息死するのは重症患者さんかと思いきや、最近は、軽症や中等症の喘息患者さんが、急激に悪化して亡くなるケースも増えているそうです。しかも喘息死の約9割が65歳以上の高齢者と聞いて、母のことがとても心配になりました。

今回は、油断できない大人喘息の症状について、まとめてみました。

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大人喘息(成人喘息)の症状

高齢の女性の喘息発作
喘息(気管支喘息)は、空気の通り道である気道に、慢性的な炎症が起こっている病気です。炎症が起こっている気道は、非常に敏感になっているため、ダニやほこり、タバコや冷気などのわずかな刺激にも反応して発作が起きます。

喘息の主な症状は、激しい咳き込みや痰(たん)、息苦しさなどです。中でも特徴的なのは、呼吸のたびに「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」と音がする喘鳴(ぜんめい)です。この喘鳴は、狭くなった気道を空気が通るときの音です。

こうした典型的な症状があれば、喘息と判断しやすいのですが、中には喘息と自覚しにくい症状もあります。下記に、大人喘息の症状をまとめてみました。


典型的な喘息の症状
喘息患者の喘鳴
  • 発作性の激しい咳・痰
  • のどがヒューヒュー・ゼイゼイいう
  • 呼吸困難
  • 急に動けなくなる

見過ごされがちな喘息の症状
  • 喫煙暦が長い人で、咳や痰が慢性的に出る
  • 痰だけが大量に出る・痰がからんでとれない
  • 胸が痛い・胸苦しい
  • 少しの動作で息切れしたり動悸がする
  • 夜から明け方にかけて息苦しさ・胸苦しさを感じて目が覚める
  • おしゃべりや長電話中に咳が出る
  • 人混みや満員電車で咳が出る
  • タバコや香水の臭いで咳き込む
  • 背中が張る
  • 走ったあとに咳き込む
  • 寒暖差で咳き込む

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【喘息発作が起こりやすい時間帯・季節】

夜間の喘息発作
  • 夜中から明け方
  • 春・秋などの季節の変わり目
  • 寒暖の差が激しいとき
  • 台風が近づいているとき

喘息の症状は、バラエティーに富んでおり、人によって咳だけの人、胸痛だけの人、背中が張って痛い人、動悸を訴える人、微熱や倦怠感を訴える人など、実にさまざまです

そのため、咳や痰(たん)、喘鳴(ぜんめい)などの喘息の典型的な症状がそろっていない場合には、喘息に気づかずに受診が遅れるケースも少なくありません。


【喘息発作の3つの特徴】
喘息発作の高齢者
  1. 夜間、特に明け方に発作が起こりやすい
  2. 体を動かさず、安静にしていても起こる
  3. 発作は一時的だが、繰り返し起こる


喘息は放っておくと、重症化しやすく命にも関わりかねない病気です。

咳・痰・胸痛・動悸・胸苦しさなどの症状が長引き、その他の病気が見つからない場合には、一度喘息の専門医(呼吸器内科やアレルギー科)を受診してみましょう。

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大人喘息(成人喘息)の特徴


大人喘息には、次の3つの特徴があります


1 慢性化しやすい
  
    小児喘息は、成長と共に自然と治ることも多いですが、大人喘息の寛解は1割程度。大人は、仕事・家事・子育てなどで忙しく治療がおろそかになりがちです。
    ストレスや過労の蓄積で体力が落ちているところに、風邪などが引き金となって喘息になるケースが増えています。私自身も、まさにこのパターンで喘息になりました。

2 成人してから発症することが多い

小児喘息の寛解率の表A
    大人喘息は、小児喘息の持ち越しと思われがちですが、実際は20歳過ぎてから発症するケースが、圧倒的に多くみられます。
    小児喘息の場合、中学校入学までに約6割の子どもは寛解し、約1割が軽症化します。しかし、一度寛解しても、成人になってから再発する例もあるので注意が必要です。
    また15歳以降も症状がよくならない場合は、大人喘息(成人喘息)へ持ち越すことが多いようです。

3 非アトピー型喘息も多い

    小児喘息はアトピー型喘息がほとんどであるのに対して、大人喘息の場合には、アトピー型のほかに非アトピー型喘息も多いため、発作の誘因はさまざまです。

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アトピー型と非アトピー型

喘息には、特定のアレルゲンが引き金となって発作が引き起こされる「アトピー型」と、アレルゲンが特定できない「非アトピー型」とがあります。

★アトピー型喘息

小児喘息の9割、大人喘息の6割が、アトピー型喘息だといわれています。

アトピー型の患者さんは、ダニや花粉など、普通ならば私たちにはあまり害のない物質を、有害な物質と認識します。

そこで、気道に入ってきたダニや花粉などを、なんとか体の外に追い出そうとして、気管支の筋肉を収縮させたり、気道の粘膜から沢山の粘液を分泌して洗い流そうとします。

その結果、呼吸困難や痰、咳といった症状が起こります。行き過ぎた免疫反応の結果が、喘息発作につながるのです。

【発作の誘因】 

アトピー型のアレルゲン
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★非アトピー型喘息

検査をしても、IgE抗体が検出されず、発作の誘因となるアレルゲンが特定できない場合を「非アトピー型」といいます。

喘息の患者さんは、慢性の気道の炎症によって気道が過敏になっているため、少しの刺激にも反応してしまいます。


【発作の誘因】

非アトピー型喘息の主な誘因

高齢者の喘息症状

高齢者は、若年者と比べ、セキ反射が弱いのが特徴です。そのため、高齢者は、咳が少ないので、見かけ上は大した喘息に見えなくても、実際は症状が進行してるケースが多くみられます。

電動ネブライザー
また、高齢者で吸入器がうまく使えない場合には、電動ネブライザーを使うと、ほぼ確実に吸入できます。しかし器具が大きくて、かさばるなどの難点もあります。

吸入薬には色々な種類がありますので、医師と相談して自分に合った吸入薬を選ぶことが大切です。

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女性の喘息

月 経 喘 息

女性の喘息患者さんの場合、月経前~月経中に喘息症状が悪化することがあります。これを月経喘息といいます。月経喘息は、一般に重症例が多く、月経のある喘息患者さんの3~4割にみられます。

月経喘息が起きる理由は、月経前に体に水分が貯まり、気管支の粘膜がむくんで気道が狭くなることなどがあげられます。

このため、吸入ステロイド薬に加えて、むくみを取る利尿剤のラシックスを飲むと、月経喘息に効果があるといわれています

また、アスピリン喘息の患者さんの場合、月経痛で使う鎮痛剤が発作を誘発することがありますので、使用については医師に相談なさってください。

妊娠・出産
妊婦
妊娠によって症状が軽くなる割合と、変化がない割合、悪化する割合は、それぞれ約3分の1ずつあるといわれています。

また、妊娠を契機に、喘息を発症する例もあります。

更 年 期

女性の場合、40代、50代の更年期の身体の変わり目に、過労やストレスが加わって、喘息を発症することが多くあります。

また、エストロゲン単独のホルモン補充療法(HRT)によって、閉経後の喘息発症リスクが50%増加するという報告もあります。

指指し下チェック

女性では、肥満は喘息の明らかなリスクです。特に10歳前後で肥満があると、喘息になる確率が5倍にも上ります。

成人女性では思春期の女児に比べて低めですが、肥満は喘息のリスクです。なお、肥満を解消すると明らかに喘息は楽になります。

出典:ぜんそくをコントロールする 山口泰著


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特殊な喘息


◆アスピリン喘息


大人喘息の約10%がアスピリン(および、同じ効果をもつ非ステロイド性消炎鎮痛薬の服用、注射、坐剤)によって発作を起こすといわれています。時には、命にかかわる大発作となることもあるので注意が必要です


原因となるのはアスピリンだけではなく、インドメタシン、イブプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセンなど多くの薬があげられます。これらは、市販の風邪薬や頭痛薬、生理痛薬、解熱薬に、また消炎・鎮痛のための貼り薬や塗り薬にも成分として含まれていることもあります。


お薬

これ以外にも、高血圧や不整脈の治療薬、眼圧を下げる目薬などによっても発作が起きることがあります。医療機関を受診する際には、必ず医師に喘息であることを伝えるようにしましょう。


またアスピリン喘息の患者さんは、着色料(食用黄色4号、タートラジン)や保存料(安息香酸ナトリウム、パラベン、サルファイト)などの食品添加物、医薬品添加物に対して過敏性を持っていることもあります

加工品や化粧品を買う際には、成分表示をよくチェックするようにしましょう。

アスピリン喘息は、以前服用していて発作が起こらなくても、同じ薬物の服薬で次回発作を起こさないという保障はないので注意が必要です

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◆アルコール誘発喘息


赤ワイン
アルコールを飲むと、5分以内に喘息発作が起きます。これをアルコール誘発喘息と呼んでいます。

アルコールが分解してできるアセトアルデヒドという物質が発作を引き起こすと考えられています。

日本人の喘息患者さんの半数以上に、このアルコール誘発喘息が起きるといわれています

日本人は、アルコールの分解酵素を持っている人が、欧米人に比べて約半分と少なく、アルコール誘発喘息を起こしやすいと考えられています。


喘息コントロール状態が悪いほどアルコールの影響を受けやすくなり、アルコール度数が高いほど喘息発作は起こりやすくなります。

普段はお酒を飲んでも大丈夫な人でも、睡眠不足で体が疲れていたり、大きなストレスにさらされて疲労しているときのお酒は、発作を誘発することがあるので十分に注意が必要です。

アルコールに敏感な方は、調味料として使用するみりんや、料理用ワインなどにも反応することがあります。アルコールを含むチョコレート菓子や健康飲料などにも十分注意して下さい。

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◆運動誘発喘息


サッカー

運動をすると出る喘息発作です。運動誘発喘息は、すべての喘息患者さんに起こりえます。

一般的に運動後10分以内に起こることが多いとされていますが、時には運動時や運動直後には起こらず、帰宅してしばらくしてから発作が起こる遅発型もあるので注意が必要です。

多くの場合、20~30分程度で自然に治ることが多いですが、中には治療薬が必要なケースもあります。マスクをつけたり、運動前に軽いウォーミングアップをしたり、発作止めの薬を吸入しておくと予防になります。


◆職業性喘息


パン作り

仕事環境が原因で発作が起こる喘息を職業性喘息といいます。代表的なものは、パン屋さんやケーキ職人の小麦粉による喘息、そば屋さんのそば喘息などです。

その他、木材を扱う家具屋さん、きのこ農家、化学工場の勤務者、ペンキ屋さんなどが有名です。

仕事場では喘息が悪化し、帰宅すると良くなる、休日には喘息が出ないなどの症状があれば、職業性喘息が疑われます。

喘息と診断されたとき、このような仕事に従事している場合は、職業や仕事環境を医師に伝えてください。

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おわりに

呼吸器内科アレルギー科

喘息というと、急にゼーゼーして、うずくまるといった激しい発作症状を思い浮かべる人も多いと思いますが、胸痛、息切れ、動悸、胸やのどに感じる違和感など、あまり知られていない喘息の症状もあります。

症状があっても、「風邪が長引いているのかな?」「心臓の病気かな?」「心因性のものかな?」と思ってしまい、見過ごされてしまうことも少なくありません。

喘息は発作がないときには、仕事も運動もふつうにできるので、症状を甘く見てしまい、きちんと治療しない人も多いそうです。

しかし、治療をせずに放置すると重症化していき、発作の大きさも頻度も高まっていきます。気になる症状があるときには、呼吸器内科やアレルギー科を受診し、喘息の専門医に診てもらいましょう。

喘息の専門医を探すときには、呼吸器病学会やアレルギー学会に所属しておられる先生で、その学会の認定医や専門医、指導医の資格を持っている先生なら、なお一層よいそうですよ♪

喘息の人は、発作を誘発しやすい食べ物・飲み物にも注意が必要です。喘息を誘発しやすい食品や喘息に効く食べ物や飲み物については、こちらもご参考になさってくださいね。
◆喘息に効く食べ物や飲み物って?!逆に発作を起こす食品は?

参考書籍
  • ぜんそくに克つ生活読本 佐野虎ノ門クリニック院長 佐野靖之著
  • ぜんそく正しい治療がわかる本 昭和大学医学部教授 足立満著
  • 喘息の超コントロール法 久保クリニック院長 久保裕著
  • ぜんそくがよくならない人が読む本 専門医が語る最新治療とその実例 宮武明彦・藤田きみゑ著
  • ぜんそくをコントロールする 山口内科院長 山口泰著
  • ぜんそくの最新治療 半蔵門病院副院長 灰田美知子著



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