冷えからくる腹痛・下痢の治し方12か条!低体温の克服がカギ


カキ氷を食べ過ぎて腹痛の男性
体が冷えてお腹が痛くなることは誰でもありますよね。でも、突然、電車の中や会議中に腹痛に襲われると困っちゃいますよね。

私も昔は、凄い冷え性だったので、冷えからくる腹痛で何度もエライ目に遭いました。外出中に突然お腹が痛くなり、我慢できなくてコンビニのトイレに駆け込んだこともあります。

血相変えてトイレに駆け込んだところを、運悪く店員にバッチリ見られてしまい、小心者の私は、バツが悪くて、そのまま店を出ることもできず、買いたくもない雑誌を買ってしまったことも…。トイレ使用料にしては、ちと高すぎました。

冷えからくる腹痛や下痢は、突然やってくるので、焦ることも多いです。そんな時に、どう対処したらいいのか、また慢性の冷えからくる腹痛は、どのように対処したら改善できるのか、今回は冷えからくる腹痛の具体的な対処法について一緒に見ていきたいと思います。

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冷えからくる腹痛・下痢の治し方・12の対処法

冷えからくる腹痛に苦しむ女性
冷えからくる腹痛と下痢を解消するには、深部体温を上げて、胃腸を温めることが大切です。

特定の原因となる病気がない下痢は、「冷え」と「水分の摂りすぎ」によって起こります。そのため下痢の場合は、特に尿や汗で余分な水分を排泄することも必要です。

下痢をしたからといって、すぐに下痢止めを飲むと、食中毒がからんでる場合などには、かえって症状を悪化させてしまいます。

冷えからくる腹痛の対処法の基本は、効率よく体を温めることです。

ただ、冷え性(慢性の冷え)の人の場合は、単に体を温めるだけでなく、慢性の冷えを招いてる原因をとり除き、運動などにより筋肉量を増やし、熱を作れる力を高めることも大切です。

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対処法をより分かりやすくするために「急性の冷え」と「慢性の冷え」とに分けてみました。

急性の冷え
急性の冷えからくる腹痛は、だれでも起こる可能性があります。冷え性とは無縁の人でも、暴飲暴食やエアコンの当たりすぎなどによって、一時的に急激に体が冷えて腹痛が起きます。

【急性の冷えの対処法】

  • カイロでピンポイントで温める
  • 足湯
  • 服をゆるめる
  • 体を温める飲み物を飲む
  • 腹式呼吸

慢性の冷え(冷え性の人)
慢性の冷えからくる腹痛は、下記のような原因により、体内で熱を産みだす機能が低下することによって起こります。

現代人は、慢性的な冷えを抱えてる低体温の人が増えているので、一年中、冷えからくる腹痛に悩まされてる人も少なくありません。

【慢性の冷えの原因】

  • 運動不足による筋肉量の低下
  • ストレス
  • 冷えを起こすライフスタイル(エアコン・薄着ファッション・シャワー派)
  • 体を冷やす食習慣(体を冷やす食べ物や水分のとり過ぎ)
  • 薬の飲み過ぎ
【慢性の冷えの対処法】

  • カイロでピンポイントで温める
  • 足湯
  • 入浴
  • シャワーお灸
  • 食生活を見直して体質改善する
  • 運動で筋肉量を増やす
  • 五本指ソックス・レッグウォーマー・湯たんぽの活用
  • 漢方薬で治す
  • 薬(化学薬品)の飲みすぎに要注意
  • 腹式呼吸

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医師
女性は慢性の冷えに要注意!

女性の場合、冷え性であることを自覚していない隠れ冷え性の人も含めると、なんと8割以上の女性に「冷え」があるといわれています。

女性は、男性と比べて筋肉量が少ないので、体の中で熱を産みだす量がもともと少なく、冷えやすいのです。

夏冷えは、冷えと水分過剰から下痢を起こしやすくなるのに対して、冬冷えは、血行不良で腸の活動がにぶくなって便秘しやすくなります。

それでは、冷えからくる腹痛の具体的な対処法について、一つひとつ更に詳しく見ていきましょう。


1 カイロをピンポイントに貼る


冷え子
冷え性でもオシャレしたい!厚着なんてカッコ悪くてイヤ!絶対にイヤじゃ~~!

うんうん!その気持ちは、よく分かります。でも、薄手のワンピース1枚で冷房ガンガンの部屋にいれば、冷えから腹痛が起きて、あなた自身がつらい思いをすることになります。

そんな時には、使い捨ての小さな貼るタイプのカイロをピンポイントに貼れば、オシャレ心も満足させながら冷え性対策もできます。

下着にカイロを貼ったり、薄手の腹巻にカイロを貼り付けると効果的ですよ。最近は、とても可愛いファッション性の高い腹巻も色々あって女性に人気です。

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インナーで体の中心部分を温めることは、冷えによる腹痛予防に非常に効果的です。ただし、体を締め付ける下着は、血行が悪くなるので避けましょう。

冷えを取ると、イライラすることがなくなり、集中力も増して、落ち込むことが少なくなります。

可愛い腹巻に、小さなカイロをこっそりしのばせて、冷え知らずのあなたになってくださいね。


カイロを貼るならココが効果的
カイロを貼る場所
貼るタイプのカイロを使うときは、大きな血管が通っている場所や、体の中心部が狙い目です。

冷えからくる腹痛のときは、腰(仙骨(せんこつ)のあたり)とおへその下の下腹部の2箇所に貼って、両面からはさむようにして温めます。

ちなみに上半身を温めたいときには、左右の肩甲骨(けんこうこつ)の間にカイロを貼ります。

また、足のつけ根のそけい部もカイロで温めると効果の高い場所です。大きな血管が通ってるため下半身に向かう血流が温まります。

そけい部のイラスト
ただ、そけい部は皮膚が薄くて弱い場所なので、温度調節機能のついた携帯カイロのほうが安心です。スカートやパンツのポケットに入れておくと一日中あたたかく過ごせますよ♪

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2 冷えによる下痢には足湯がすぐ効く!


足湯のイラスト
下痢などで下腹部の痛みが強いときには、足湯がオススメです!足だけなので高めの温度42~43度のお湯を使います。洗面器にお湯をはり、足首まで入れて15~20分ほどじっとしていると、下半身がぽかぽかに♪

冬場は、継ぎ足し用のお湯をポットに用意しておきます。入浴よりも手軽に下半身を集中的に素早く温めることができるので、下痢のときには、ぜひ試してみてくださいね。

下痢でつらいときは、体内から余分な水分や老廃物を排出するジュニパーベリーか、保温効果の高いローズマリーのエッセンシャルオイル(精油)を1~2滴お湯に入れると、芳香浴の効果もプラスされて気持ちがいいですよ♪

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3 服をゆるめる


冷えからくる急激な腹痛のときは、まずお腹をゆるめます。お腹を締め付けてると、血行の悪さから、より痛みを感じやすくなるからです。

女性はタイトな洋服を着ることが多いので、ジッパーをはずすだけでも血行はよくなります。

ひざを立てて横になる女性のイラスト
横になることができるなら、ベルトやジッパーをはずして、ひざを曲げた姿勢で横になります。ひざを曲げて横になると、腹筋がゆるむため血行がさらによくなり、痛みが和らぎます。


4 体を温める飲み物を飲む


冷えからくる腹痛・下痢にオススメの飲み物♪
梅醤番茶(うめしょうばんちゃ)
梅醤番茶(うめしょうばんちゃ)は、腹痛、下痢の特効薬です。冷えによる腹痛・下痢のときは、これを一日2~4回、飲みます。

下痢のときは水分とともにナトリウムなどの電解質も失われるので、脱水にならないように、塩分もとるようにします。

作り方
  1. 種を除いた梅干し1個を、湯のみ茶碗に入れ、果肉をよくつぶす。
  2. しょう油大さじ1を加えて、生姜のしぼり汁を5~10滴加え、熱い番茶を注いで、よくかき混ぜる。

ダイコン湯
ダイコン湯も、冷えからくる腹痛・下痢にオススメです。

作り方
  1. どんぶりに、すりおろした大根大さじ3(大根2~3cm分)、すりおろしたショウガ大さじ半分を入れる。
  2. しょう油を好みで大さじ1/2~1を加え、熱い番茶を注ぐ。

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ショウガ

ショウガは胃腸を温め、利尿や発汗など水分代謝をうながすので、冷えからくる腹痛には最適の食べ物です。

また、ショウガには食中毒を起こす細菌を殺菌する作用や毒素排出作用もあるので、食中毒などによる急性の下痢にも効果を発揮します。



5 腹式呼吸


自律神経の説明図
現代人は、ストレスによる交感神経の過緊張を原因とする低体温の人が増えています。

自律神経は、交感神経と副交感神経からできていますが、ストレスが加わると、交感神経が優位になり、毛細血管が縮まるため、体の末端が冷えてしまいます。

普通なら、すぐに緊張がとけ、副交感神経が優位になって、体温調節されるのですが、ストレスが多すぎると、緊張がとけにくくなり、体が冷えたままになります。

ところが、「腹式呼吸」をすると、自律神経のバランスを、大きく副交感神経優位に変えることができます。

呼吸法には、肋骨を広げることで肺に空気を取り込む「胸式呼吸」と、お腹を出したり引っ込めたりして横隔膜を上下させることで空気を取り込む「腹式呼吸」とがあります。

副交感神経を刺激する腹式呼吸のポイントは、鼻で行うことです。つまり、鼻から吸って口から吐く腹式呼吸ではなく、鼻から吸って鼻から吐く腹式呼吸がいいのです。


腹式呼吸の画像
腹式呼吸のやり方
下腹部の丹田(おへその下)に意識を集中しながら、お腹の中身をすべて押し出すような気持ちで、お腹をゆっくりと引っ込めながら、息をできるかぎり長く鼻から吐きます。

すべて吐ききったら、おなかの力をフッとゆるめます。すると意識的に吸い込まなくても、自然と空気が入ってきます。

呼吸の際に、少しでも胸が動いてしまったら、それはもう腹式呼吸ではありません。

腹式呼吸は、お腹を引っ込めたり出したりして行う呼吸法です。鏡などを使って自分の胸の動きを確認しながら練習するといいですよ。

現代人の冷えのほとんどは、交感神経の過緊張が原因です。睡眠不足や過労などの身体的ストレス、人間関係におけるトラブルなどの精神的ストレスによって、交感神経が過緊張になっています。

腹式呼吸が体得できると、いつでもどこでも、自律神経のバランスの乱れを自分の意志でコントロールできるようになりますよ♪

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6 入 浴


入浴のイラスト
最近はシャワー派の人も増えていますが、慢性的な体の冷えによる腹痛には、なんといっても湯船にしっかりつかることが一番です。

お湯の温度は、自分の体温に4度ぐらいプラスした温度が一番いいといわれています。つまり36℃の人なら40℃です。

効率よく体を温めるためには、アロマバスがお勧めです。香りの効果でリラックス&リフレッシュできます。

ローズマリー、ジンジャー、レモン、もみの木など、冷え性改善効果の高い精油を2~3滴浴槽に入れて、よくかき混ぜます。

でも、真夏の猛暑日に湯船につかるのは、どうにも暑くて・・という人は、湯船にミントオイルを入れるといいですよ♪

ミントは血行をよくし、清涼感や冷感を与える効果もあるので、お風呂から上がっても涼しく感じられます。

また、湯船につかりながら、下半身のマッサージを行うと、より血行がよくなります。後ほど運動の章で、湯船の中で行うと、冷え解消とダイエットにバツグンの効果を発揮する方法もご紹介しますね♪

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7 シャワーお灸


体の冷えを自覚している人や、体温が36℃以下の人は、お風呂で湯船にゆっくりつかるのがベストですが、「忙しくてそんな時間ないよ!」という人には、シャワーお灸がオススメです。

シャワーお灸は、体や髪を洗ったあとに、おへその下に10秒くらい少し熱めのお湯を当て、脇腹にも10秒ほど当てます。次にお尻の割れ目の上の方(仙骨(せんこつ)の周辺)にも10秒ほど当てます。

仙骨の部位の図
1セット終えたら、シャワーの温度をもう少しだけ熱くします。シャワーの温度に体が慣れたら、少しずつ温度を上げていき、これを3セット繰り返します。

温度の目安としては、44度~47度位までです。お湯によるヤケドの危険があるので、それ以上は温度を上げないでください。

3セット行い、シャワーを当てた部分が赤くなってきたらOK。赤くなっていなければ、赤くなるまで、もう少しシャワーを当てます。

シャワーお灸の後は、全身に熱いシャワーをかけたり、バスタブに張ったお湯に浸かったりしないでください。

シャワーお灸を行った後に全身をお湯で温めてしまうと、熱が分散し、効果がなくなってしまいます。シャワーお灸は、朝晩行うと効果的ですよ。

ただし、シャワーの温度は少しずつ体を慣らしながら上げていってくださいね。いきなり上げてしまうと、体がビックリしてしまい、「アチチチ!」となってしまいます。← 私がやらかしました(笑)

注意のマーク
アルコールを飲んだ後や飲む前にはシャワーお灸はやらないでください。アルコールが回りやすくなります。また熱がある時、ケガをしてる時にも行わないでください。

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8 食生活を見直して体質改善する

フルーツ盛り合わせ
ポイント
  • 体を冷やす食べ物・飲み物を避ける
  • 副交感神経を刺激する食材を食べる
  • 食べ過ぎない
  • 水分をとり過ぎない

冷えからくる腹痛を予防するためには、体を冷やす食べ物・飲み物を避けることが大切ですが、それじゃ、体を温める食べ物をいっぱい食べればいいのかというと、食べすぎも、また体を冷やしてしまいます。

食べ過ぎると、消化のために胃腸に血液が集まります。その結果、骨格筋、脳、心臓に供給される血液量が少なくなるので、かえって体熱が低下するのです。

また、「冷え」に「水分のとり過ぎ」が加わると、下痢を起こしてしまいます。その理由は、あとの章「なぜ冷えると腹痛や下痢が起きるの?」で、詳しくお話しますね。

現代人は交感神経の過緊張を原因とする低体温の人が増えているため、副交感神経を刺激する食材も、体を温める食材といえます。

【体を冷やす食べ物】
・冷たい飲み物 コーラ・ジュース・ビールなど
・南方産の食べ物 バナナ・パイナップル・メロン・トマト・スイカなど
・生野菜
・白っぽい食べ物 白砂糖・化学調味料・化学薬品
・柔らかい食べ物 パン・バター・マヨネーズ・クリーム

体を温める食べ物、冷やす食べ物については、こちらで詳しくご紹介していますので、ぜひ参考になさってくださいね♪
◆体を温める食べ物 冷やす食べ物 冷え性を治そう♪

【副交感神経を刺激する(体を温める)食材】
・食物繊維の多い食材 豆類・ごぼう・海藻類・きのこ類
・排泄反射を促す食材 唐辛子・わさび・ゴーヤ・ショウガ 


9 運動


足首運動のイラスト
【冷え解消に効果的な簡単運動】

  • ウォーキング
  • 足首回し
  • ふくらはぎマッサージ
  • レッグ・レイズ運動(足を少し開いて直立し、その場でかかとの上げ下げを繰り返す)


体温の40%以上は筋肉から作られています。現代人に低体温の人が増えたのは、昔のように歩かなくなったことや、掃除・洗濯など機械まかせの便利な生活の中で、運動量が減ったことも一因です。

筋肉を動かすことで熱が生まれますが、現代人は運動不足により筋肉量が低下しています。そこで、体を温め、冷えによる腹痛を改善するためには、筋肉運動が必要になってきます。

人間の筋肉の70%以上は、腰から下に集中してるので、ウォーキングなど下肢を使う運動がより効果的です。

フットマッサージ
たとえば、足首回しをすると、冷え解消とダイエットにバツグンの効果があります。

足首回しを片足ずつ内回し、外回しを1日200回続けた人が、冷えを解消し、1年で14kgも痩せたという報告もあります。

また、ふくらはぎは、第二の心臓といわれていますが、実はこのふくらはぎ、よ~くもんで柔らかくすると、血行不良の解消にバツグンの効果を発揮してくれます。

あなたも、ぜひお風呂の中で足首回しと、ふくらはぎマッサージを習慣にしてみてくださいね。下半身冷えの人は、冷えからくる腹痛が解消されるだけでなく、ダイエット効果も期待できますよ♪


10 五本指ソックスとレッグウォーマー、湯たんぽの活用


下半身が冷えているときは、五本指ソックスの重ねばきやレッグウォーマーをつけると血行がよくなりポカポカしてきます。

★五本指ソックス
五本指ソックス
五本指ソックスは、指が1本1本分かれているので、足先が開くだけでなく、足の指の付け根に刺激が加わるので、はいている間じゅう、血行がよくなります。生地は、保温と放熱で熱の調整ができるシルクがベストです。

シルクの五本指ソックスの上に、ウールかコットンのゆるめの靴下を重ねばきします。ポイントは、重ねばきする靴下は血めぐりの妨げにならないように、ゆるめのものを選びます。

★レッグウォーマー
レッグウォーマー
ふくらはぎは、血液を足先から心臓へ押し戻すポンプの役割をしています。そのため、ここを温めることで、筋肉の動きがよくなり、血行も良くなって全身が温まります。

それに対して足首には、ほとんど筋肉がついていません。筋肉量が少ないということは、水分がそこに溜まりやすく冷えやすいということでもあります。

レッグウォーマーでふくらはぎと足首を温めると、下半身冷えに非常に効果的です。

★湯たんぽ
湯たんぽ
寒い冬には、電気毛布を使っている人もいますが、電気毛布を使っていると体温調節する自律神経のバランスが崩れて、自分の力で温めることができない体になってしまいます。

また電気毛布は、電磁波の問題からもオススメできません。どうしても寒くて眠れない人には、湯たんぽがオススメです。

湯たんぽは、自然とお湯の温度が下がっていき、寝ている間に足からずれたりします。大事なのは、一晩中ずっと体を温めたまま寝ないことなのです。


11 漢方薬で治す

漢方のイメージ画像
ストレスを解消しないと、なくならない冷えもあります。

ストレスによる冷えにも、レベルがありますが、日常生活で冷え性対策をしてみても良くならない場合には、漢方薬がいいかもしれません。冷え性の改善は、漢方医学がもっとも得意とする分野です。

慢性の胃痛で胃カメラを飲んでも異常が見つからない場合、ストレスによる冷えが原因のことも少なくありません。

漢方薬の場合、まず「証」をあきらかにし、その「証」にあう漢方薬を飲んで、体質改善を目指します。「証」にあわない漢方薬を飲んだ場合には、効果がないばかりか副作用が出る場合もあります。

そのため自己判断でドラッグストアなどで漢方薬を購入するよりは、漢方医か漢方薬剤師のいるところで処方してもらうほうが改善率は高くなります。


12 薬(化学薬品)の飲みすぎに要注意!

手に薬を取る
薬(化学薬品)は、正しく使用すれば様々な薬効が期待できますが、同時にいろいろな副作用を体に与えてしまう危険性も持っています。

特に、長期間、同じ薬の服用を続けることは、自分でも気づかないうちに低体温を招いてる場合も多いんだとか!

降圧剤、睡眠薬、睡眠導入剤、アレルギー薬(塗り薬を含む)、胃腸薬、こうした薬はすべて、常用すると交感神経を過剰に緊張させ、血行不良による低体温を招き、免疫力を大きく低下させることになります。

日本人は世界的に見ても、ふだんから薬を服用している人が多く、それによる薬剤性ストレスで低体温になっている人が多いのですが、そうした危険に対する知識は、まだまだ普及していません。

「薬を飲んでいるから安心」と思っていた人は、ぜひこれを機会に少しずつでも常用する薬を減らしていくことに意識を向けていただきたいと思います。

(出典:体温を上げると健康になる 齋藤真嗣医師著)


A子さん
うーん・・冷えからくる腹痛の対処法は、よく分かったけど、なんかスッキリしないな~

B介さん
なにがスッキリしないの?便秘してんの?

A子さん
ンモォー!!ちゃうよ!なんで冷えるとお腹痛くなったり下痢するのかなって思ってさ。

B介さん
そう言われれば、そうやね。なんでやろ?

寝冷えすると、お腹をこわすことは経験的に分かっていても、その理由を聴かれると、答えにつまる人も多いと思います。

では最後に、体が冷えると、どうして腹痛や下痢が起きるのか、その理由についても一緒に見ておきましょう。


なぜ冷えると腹痛や下痢が起きるの?

酔っ払って腹痛が起きた男性
私たちの体は、36.5℃~37.1℃の体温で最もよく働くようにできています。

ところが、現代人は平熱が36℃以下という低体温の人が増えています。低体温で体が冷えると、血行が悪くなり、内臓の働きも落ちて免疫力も低下します。

チェック
体温は測る時間帯によっても変化します。午前10時が1日の平均体温なので、午前10時に脇の下で体温を測ってみましょう。

その時に、36.5℃ない人は、冷え性です。ちなみに医学的な「低体温症」とは、体の中心部の温度が35℃以下の場合をいいますが、一般的には、36℃ない場合を低体温と呼んでいます。

たとえば食べ物を消化するときに働く消化酵素は、37℃のときに最も活性化されます。しかし、体温が一度下がると、その働きは約半分まで落ちてしまい、その結果、消化不良を起こしてしまいます。

また、35.5℃の体温が恒常的に続くと、排泄機能が低下したり、自律神経失調症状やアレルギー症状が現れたりします。

冬山で遭難すると凍死するように、私たちが生命を維持するためには、体温は非常に重要ですよね。寒い思いをすると体がブルブル震えてくるのは、その振動によって少しでも体温を上げ、体を冷えから守ろうとするためです。

つまり体が冷えると、内臓の働きが落ちて生命維持が危うくなるので、体は「これはマズイ!なんとか体温を上げなくちゃ!」と頑張り始めます。

そこで体は、冷えの一因である体内の余分な水分を排泄して、体を温めようとします。

寝冷えするとお腹が痛くなって下痢をするのは、体内の余分な水分を捨てて体を温めようとするメカニズムが働くためです。

雨に濡れると体が冷えますよね。同じ35℃でも、外気温の35℃なら暑いと感じるのに、35℃のお風呂はぬるいと感じるように、水には体を冷やす作用があります。

水の体を冷やす作用のイラスト

つまり余分な水分が体内に滞っていると、体は冷えて、さまざまな病気を引き起こします。ちなみに、35℃では、ガン細胞が最も増殖するようになります。体温が一度低下すると免疫力は30%以上も落ちます。

女性の場合、平熱が35℃台になると、排卵が止まり、卵巣機能が完全にパワーダウンして女性ホルモンの分泌がストップしてしまうこともあります。

このように生命維持のためには、体温の低下は重大な危機を招きかねないので、腹痛を起こして一気に余分な水分を排泄しようとして下痢が起こります。

特定の原因となる病気がない下痢は、「冷え」と「水分の摂りすぎ」によって起こります。夏は冷房による冷えと、冷たい飲み物の摂りすぎによって腹痛と下痢を起こしやすくなります。

夜ビールを4~5本飲んでから寝るという人は要注意です。短時間に大量の水分をとると下痢を起こしやすくなるので、一度に1㍑以上の水分を飲まないようにしましょう。


まとめ

腹痛の女性B
今回は、冷えからくる腹痛の対処法を一緒に見てきましたが、腹痛には特定の病気が原因で起きるものもあります。

下痢をしたときの対処の仕方は、冷えや暴飲暴食など思い当たる原因があれば、整腸剤や下痢止めの薬をすぐに飲まないで様子をみたほうがいいでしょう。

2~3回の下痢は、胃・腸の解毒作用や清掃作用とみなしてよいからです。すぐに下痢止めを飲むと、症状が悪化する場合もあります。

ただし次のような症状があれば、すぐ病院へ行って診察を受けてください。

  • 2~3食抜いても、ひっきりなしに下痢が続き、脱水症状があると思われた時
  • 強い腹痛を伴うとき
  • 悪寒や発熱を伴うとき
  • 血液が多量に出たり、水便に血液がまざっているとき

カイロを貼った腹巻を常用するようになったら、原因不明の慢性胃痛が治ってしまった人もいます。冷えは万病の元です。あなたも体を温めて健康な体を手に入れてくださいね。


参考書籍
  • 体温を上げると健康になる 齋藤真嗣著
  • 体を温めると病気は必ず治る 石原結實著
  • 腹痛・便秘がつらいときの本 対馬ルリ子総監修
  • 夏冷え・冬冷えがつらいときの本 対馬ルリ子総監修
  • 胃腸は語る 胃相・腸相からみた健康・長寿法 新谷弘実著
  • シャワーお灸 白神典明著
  • 深部体温を上げればやせる!不調がとれる!有吉与志恵著
  • 体を温めると病気は必ず治る 実践編 石原結實著
  • アロマテラピー 梅原亜也子著
  • アロマテラピー・レシピ 宮川明子監修
  • アロマテラピーバイブル 塩屋紹子監修




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