日焼けによる湿疹のケア!実は何かの病気の可能性も?!


日焼け(日光皮膚炎)で背中の皮がむけてきた男性
日焼けによってできる湿疹には、さまざまなものがあります。

たとえば夏に、海やプールで日焼けすると、皮膚が赤くなってヒリヒリ痛んだり、ひどい場合には水ぶくれを起こすことは誰でも経験しますよね。

しかし、それとは反対に、それほど日焼けしたと思ってないのに、顔や腕や手の甲などに、ぶつぶつができたり赤くかゆみを伴なう湿疹ができることもあります。

実は、高校時代に私の友人が、ある日突然この状態になり、「なんやこれ?!」と自分の腕に突如表れた湿疹にパニックを起こしました。

後で分かったことですが、友人の腕に表れた湿疹は、光線過敏症(日光アレルギー)によるものだったそうです。

友人の場合は、加齢と共に自然と湿疹が出なくなったそうですが、光線過敏症の中には、放っておくと皮膚ガンになったり治療法が見つかっていない難病もあるそうです。

しかも、ある日突然、誰でも光線過敏症になる可能性はあるので私も油断できません。

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そこで今回は、前半では光線過敏症(日光アレルギー)について、後半では一般的な日焼け(日光皮膚炎)について、日光による2つのタイプの湿疹のケア方法について徹底リサーチした内容をお伝えしますね。

光線過敏症については、小児期、青年期、中高年に分けて、各年代で発症しやすい光線過敏症を順番にご紹介しています。目次からご覧になりたいところを自由に選んでお読みくださいね。

目次のお好きな項目をクリックすると、そこにジャンプします。また、ジャンプ先からは、いつでも目次に戻れるボタンも付いています。行ったり来たりしながら自由にご覧くださいね。

光線過敏症(日光アレルギー)とは

光線過敏症(日光アレルギー)のイメージ画像
普通の人では何も反応が起きない程度の日光照射で、日に当たった部分が赤く腫れたり、かゆみを伴なう湿疹ができたり、水疱や蕁麻疹ができるなど様々な皮膚反応が起きることを光線過敏症(日光アレルギー)といいます。

光線過敏症は紫外線だけでなく可視光線で発症する場合もあります。可視光線で発症する場合には、日焼け止めは効果がありません。

つまり光線過敏症では疾患により、その発症にかかわる波長域が異なるため、これを念頭において適切な光線防御対策を立てる必要があります。

光線過敏症は年齢によって発症しやすい病気がある程度決まっています。下図は、光線過敏症の好発年齢を表したものです。


光線過敏症の好発年齢の表
◆主な光線過敏症

DNA修復傷害
・色素性乾皮症
酵素欠損による代謝障害
・ポルフィリン症
外因性光アレルギー性、光毒性
・光線過敏型薬疹
・光接触皮膚炎
内因性アレルギー性
・日光じんま疹
・多形日光疹
・慢性光線性皮膚炎
原因不明
・種痘様水疱症

(出典:知って防ごう有害紫外線)

それでは次に、小児期、青年期、中高年の順番に、各年代で発症しやすい光線過敏症をご紹介していきますので、ご覧になりたいところから自由にお読みくださいね。

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小児期に好発する光線過敏症

水遊びをする日焼けした子供たち
小児期に好発する光線過敏症は、次の3つです。特に、幼いお子さんをお持ちの親御さんは必見です。

  • 色素性乾皮症
  • 骨髄性プロトポルフィリン症
  • 種痘様水疱症

では、一つひとつ詳しく見ていきましょう。


★色素性乾皮症(XP)の症状と治療


乳児がちょっと日に当たっただけで強いサンバーンを起こしたら真っ先に思い浮かべるのが色素性乾皮症です。

色素性乾皮症は、紫外線により生じたDNAの損傷の修復過程に、先天的な障害があるために起きる高度の光線過敏症です。

短時間日光に当たっただけで激しい日焼け反応を起こし、日光曝露3~4日後に症状がピークに達し、1週間以上続きます。それを繰り返すうちに、そばかすのような小色素斑が増えていきます。

小色素斑は、顔以外にも首の後ろ、手の甲、上胸部まで表れてきます。通常のそばかすと比べて、大きさも色も不均一です。

露出部の皮膚は乾燥し、紫外線遮光を怠ると小児期から皮膚ガンが発生します。色素性乾皮症は、通常の1000倍以上の確率で皮膚ガンを発症します

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さらに患者の過半数に、知能の低下、足の変形といった神経症状があらわれ、次第に聴覚機能も失われ、立つこともしゃべることもできなくなってしまうという遺伝性の難病です。

日本人の発症頻度は2.2万人に1人。色素性乾皮症は、A群~G群の7つと、症状が軽度なバリアントV型の8つに分類されますが、どの病型かによっても症状の程度や現れ方が異なります。

日本では、皮膚症状と神経症状ともに最重症型であるA群が 55% と最も多く、次いで皮膚症状のみのバリアントV型が 25% を占めています。

早期に診断して紫外線を浴びないような生活習慣(紫外線を遮断する衣服・帽子・サングラス・UVカット機能つきコンタクトレンズ、窓ガラスへの紫外線フィルムの貼付、サンスクリーン剤塗布)など徹底した遮光対策が必要なため、色素性乾皮症の疑いのある場合には、すぐに皮膚科専門医を受診なさってください。


★骨髄性プロトポルフィリン症(EPP)の症状と治療

光線過敏症の少年のイメージ画像
ポルフィリン症は、赤血球を構成するヘモグロビンの成分となるヘムの代謝にかかわる8つの酵素のいずれかの活性が低下して起こる代謝異常症です。

ポルフィリン症は「皮膚ポルフィリン症」と「急性ポルフィリン症」の2つに分類されますが、骨髄性プロトポルフィリン症は「皮膚ポルフィリン症」に属し、皮膚科が中心に診療する病気です。

骨髄性プロトポルフィリン症は、通常10歳までに軽度の光線過敏症で発症します。日光に当たると皮膚がヒリヒリ痛んだり、かゆくなったりして、赤く腫れてきます。酷くなると水ぶくれやかさぶたになり、その後に少し凹んだ傷跡になります。

不用意に日光にあたりすぎると急性肝不全を起こし、重症例では肝硬変に至り、死亡することもあります。

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治療は、皮膚症状にはステロイド外用薬や抗生物質の外用剤を使いますが、もっとも大切なのは日光を避けて予防することです。日光の中でも可視光線を避けます。ポルフィリン体は可視光線を吸収し、光毒性(光に当たると毒性を持つ)を発揮します。

普通の日焼け止め (サンスクリーン剤) は紫外線をカットしますが、可視光線はカットしませんので、皮膚ポルフィリン症には効果がありません。また窓ガラス越しの光にも可視光線が含まれているので注意が必要です。まず日傘をさし、帽子・長袖・長ズボンを着用します。顔や手にはファンデーションを塗るといいです。詳しくは皮膚科専門医から指導を受けてください。引用:日本皮膚科学会 


★種痘様水疱症の症状と治療

サンスクリーン剤で遮光する子供の画像
日光に当たった顔、耳、手の甲、下口唇に種痘に似た水疱性丘疹ができ、1~2週間でかさぶたをつくり傷跡を残して治癒します。約30%の患者さんは、結膜炎・角膜炎・虹彩炎などの眼症状を併発します。

2~3歳までに発症し(男児に多い)、多くは思春期頃に自然寛解しますが、一部の患者さんでは、より激しい発疹と発熱などの全身症状があらわれ重症化することもあります。

治療は発疹にはステロイド外用薬を塗り、日光が皮膚に当たらないように日傘、帽子、衣服(長袖・長ズボン・手袋)、遮光クリームなどで予防します。

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青年期に好発する光線過敏症


青年期に好発する光線過敏症は、次の4つです。

  • 多形日光疹
  • 日光蕁麻疹
  • 光接触皮膚炎
  • 光線過敏型薬疹

では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。


★多形日光疹の症状と治療

多形日光疹のイメージイラスト
光線過敏症の中で最も高頻度にみられ、10~20代の若い女性に好発します

本人は日光によるものと気づかないことも多く、日差しの強くなる春先から夏にかけて悪化し、冬に少し軽くなることを繰り返しながら慢性化していくことが多いようです。

首や手、腕などの紫外線に当たった部分に、かゆみを伴なう紅斑やぶつぶつした丘疹があらわれます。

日光を浴びて数時間してから発疹があらわれ、数日間続く傾向がありますが、何もしなくても2~3日で自然に治ることも多くあります。加齢と共に症状が出にくくなり自然寛解することも多いようです。

発疹が出たときにはステロイド外用薬を使います。予防は日傘や帽子、長袖の衣服、サンスクリーン剤の塗布などで遮光します。

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★日光蕁麻疹の症状と治療


日に当たった部分に数分~数十分以内に蕁麻疹がでます。しかし日光を避けると、10分~2時間程度で自然に消えていくのが特徴です。ただし遮光することで悪化する例もあります。

日光に当たった部位が赤くかゆくなったり、酷くなるとミミズ腫れを起こします。まれにアナフィラキシーショックを起こすこともあります。

作用波長は紫外線領域の場合もありますが、可視光線(400~500nm)によるものが大部分です。可視光線が作用波長の場合はサンスクリーン剤は効果がありません。

日光蕁麻疹で遮光対策をしてる女性
治療は、作用波長に応じた遮光対策(日傘、帽子、長袖、長ズボン、手袋など)と、対症療法として抗ヒスタミン薬の内服を行います。しかし効果は限定的で、長時間日光に当たることで症状が出てしまうことも多いようです。

日光蕁麻疹は難治性で、長年にわたって症状が続くことが多くあります(自然消退率は26%)。

重症例では免疫抑制薬や血漿交換が有効とする報告もあります(参考:あたらしい皮膚科学 第2版)。


【多形日光疹と日光蕁麻疹の違い】

多形日光疹
日光蕁麻疹
作用波長紫外線可視光線が大部分(紫外線の場合もある)
症状の現れ方日光に当たってから数時間後に出現日光に当たってから数分~数十分後に出現
持続時間数日間持続日光を避けると自然消失
サンスクリーン剤有効無効である場合が多い

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★光接触皮膚炎の症状と治療

自宅にあったモーラステープ
ある化学物質が塗られた皮膚に紫外線が照射されることで、かゆみを伴なう紅斑や丘疹があらわれます。青年期から中年期に好発する光線過敏症です

光接触皮膚炎には、光毒性と光アレルギー性の2つの型がありますが、頻度的に多いのは光アレルギー性のほうです。

特にケトプロフェンという消炎鎮痛成分が含まれる湿布(モーラステープが有名)や塗り薬による光アレルギー性接触皮膚炎が多発しています。ケトプロフェンによるものは、湿布を貼った部位を越えて皮疹が出ることもあります。

また湿布をしたことを忘れた数ヶ月後に症状が出ることもあります。そのため日光に当たる部位にモーラステープを貼った場合は、はがした後もしばらくは衣服などで覆って日光に当てないように気をつけましょう。

日光にさらされる運転中の両手の画像
光接触皮膚炎を起こす作用波長は、通常、紫外線A波ですが、紫外線A波はガラスを通り抜けます。

そのため、たとえば窓の近くのソファーに長時間座ったり、ドライブ中に腕に太陽光線が当たって症状が現れることもあります。

車の場合は、フロントガラスよりサイドガラス、リアサイドガラス(後部座席の横窓)のほうが紫外線カット率は低くなります。

UVカット率は車によっても異なりますので、紫外線カット率の低い車の場合には、UVカットフィルムを貼るなどの紫外線対策も必要になります。

日焼けによる湿疹予防でアームカバーをする女性の画像
また夏場は、UVカット機能付きアームカバーも有効です。光線過敏症対策だけでなく、運転による左右の腕の色の違いや、シミ・皮膚ガンの予防にもなります。

◆アームカバーUV の楽天市場での販売状況はこちら♪お値段も数百円のものからありますよ。


光接触皮膚炎の治療は、まず光パッチテストを行い原因物質を確定し排除します。ステロイド外用剤や抗ヒスタミン剤の内服を行い、症状がひどい場合にはステロイド剤の内服薬も使用します。

日傘、帽子、衣服、手袋などで患部を紫外線に当てないようにしますが、サンスクリーン剤も有効です。ただし、サンスクリーン剤や化粧品中の香料に含まれる成分が、光線過敏症の原因となることもあります。

オキシベンゾン、オクトクリレンを含むサンスクリーン剤や化粧品は要注意です。これらの薬剤を含むサンスクリーン剤や化粧品は、ケトプロフェン(モーラステープなど)と併用すると、光接触皮膚炎を更に悪化させる可能性があります。


◆オキシベンゾンやオクトクリレンを含んだ代表的な全身用日焼け止め薬の例

成 分 名
代表的な製品
オキシベンゾンキスミーサンキラー シリーズ
DHC サンカットQ10 50プラス(スーパー) 30ml
オクトクリレンアネッサ パーフェクトUV シリーズ
シーブリーズ UVカット シリーズ
デクレオール アロマホワイト シリーズ
引用:i-redsiss

原因に気づかずに光接触皮膚炎を繰り返していると、慢性光線性皮膚炎に移行することがあるので注意が必要です。

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★光線過敏型薬疹の症状と治療

薬剤による光線過敏症のイメージ画像
青年期から中年期に好発する光線過敏症の一つで、ある腫の薬を内服して日光に当たることで光線過敏症を起こします(内服した場合は光線過敏型薬疹、外用した場合は光接触皮膚炎)。

薬剤摂取後、早い場合は日光に当たって数時間で発症しますが、通常2~3日から2週間、時に半年以上服用していて生じることもあります。日光曝露部位に紅斑、浮腫、小水疱、色素沈着などがみられます。

原因薬剤として、非ステロイド系消炎鎮痛薬(ピロキシカム)、ニューキノロン薬、チアジド系降圧利尿剤が多くみられます。その他にも様々な原因薬剤がありますが、病院でもらう薬だけでなく、たとえばビタミンB6、ビタミンB12によるものなども報告されています。

治療は原因物質である薬剤を中止し、衣服などで遮光することです。作用波長は紫外線A波なので、サンスクリーン剤は有効です。原因物質に気づかずに光線過敏型薬疹を繰り返していると、慢性光線性皮膚炎に移行することがあります。

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中高年に好発する光線過敏症

中高年の夫婦の画像
中高年に好発する光線過敏症は、次の2つです。

  • 慢性光線性皮膚炎
  • 晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT)

では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。


★慢性光線性皮膚炎の症状と治療


中年以上の男性に好発します。作用波長は紫外線B波を中心に、紫外線A波、可視光線まで広範囲の波長にきわめて強い光線過敏症を示します。

露出部にかゆみの強い紅斑が出て、苔癬(たいせん)化局面(皮膚が肥厚して硬化したもの)が生じ、時に露出してない部分まで皮膚の炎症が拡大し、紅皮症に似た状態となります。激しいかゆみで不眠になることもあります。

紅皮症とは、全身の皮膚が赤くなり、しばしば皮膚が鱗のようにぼろぼろと、はげ落ちる皮膚病


治療はまず徹底した遮光をし、そしてステロイド外用薬や抗ヒスタミン内服を使い、重症例にはステロイド内服も行います。保険適用にはなりませんが、シクロスポリン内服やタクロリムス外用など、免疫抑制薬が有効とされています。


★晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT)の症状と治療

木漏れ日の画像
赤血球を構成するヘモグロビンの成分となるヘム合成に必要な酵素が、先天的あるいは後天的に障害されているために、ポルフィリンという物質が肝臓や皮膚などに過剰に蓄積され、光線過敏症が起きます。

症状は、日光の当たる顔や手の甲などに水ぶくれやかさぶたができ、皮膚の色が黒ずみ、多毛になります。肝障害を伴なうことも多くあります。

ポルフィリン症は8つの病型に分類されますが、中でも晩発性皮膚ポルフィリン症は最も頻度の高い病型で、中年以降の男性や長年飲酒を続けてきた人に見られます

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発症誘因には、長期飲酒、薬剤(エストロゲン薬)、鉄過剰、透析、C型肝炎、HIV感染などがあります。

治療はまず遮光と禁酒。薬剤性の場合は原因薬剤を中止します。治療は、血液をとる瀉血(しゃけつ)をして血清鉄を減らすことと、低用量のクロロキンまたはヒドロキシクロロキンの投与によりポルフィリンの排泄を高めることです。

通常、瀉血療法は効果的ですが、腎不全で貧血を伴う場合は禁忌。その場合は、エリスロポエチン(赤血球の産生を促すホルモン)の投与を行い、瀉血が可能な程度まで貧血を改善させます(参考:MSDマニュアル プロフェッショナル版)。

では次に、一般的な日焼けによる湿疹のケア方法について一緒に見ていきましょう。

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日焼け(日光皮膚炎)による湿疹

日光皮膚炎を起こした男性の画像
私たちは急激に大量の紫外線を浴びると日焼けします。「日焼け」は、医学用語では「日光皮膚炎」といって、実は紫外線によるヤケドなのです。

日本では、肌が赤くなっても黒くなっても日焼けといいますが、英語では赤く炎症を起こしている状態を サンバーン(sunburn)といい、数日後、色素沈着して黒あるいは褐色に落ち着いた状態を サンタン(suntan)と呼び、区別しています。

サンバーンによる紅斑は、主に紫外線B波によってひき起こされ、紫外線を浴びた約6時間後から皮膚が赤くなり始め、24時間後にピークがきます。皮膚が赤くなってヒリヒリ痛んだり、ひどい場合には水ぶくれを起こします。

サンバーンを起こすほどの日焼けは、DNAの損傷も伴なうので、サンバーンを繰り返すと皮膚がんの原因になります。


★日光皮膚炎(日焼け)のアフターケア


日光皮膚炎(日焼け)を起こして皮膚が赤くなったり、かゆくなったりした時は、下記の方法でアフターケアします。

湿潤療法での日焼けの治療の図解
  1. 冷やす。
  2. 保湿する。
    ●白色ワセリンを塗ったラップで(おお)う(湿潤(しつじゅん) 療 法)。
    ●または、ハイドロコロイドやプラスモイストなどの被覆材(ひふくざい)で覆う。
    ●または白色ワセリンを何度も塗る。
  3. 日焼けが重度の場合は病院へ。
  4. 日焼け後は、特に抗酸化作用の高い食品をとる。

日焼けは、やけどと同じ炎症の一種なので、まず冷やします冷たいシャワーや冷たい濡れタオルで、ほてりがなくなるまで冷やします。

ただし、氷を直接皮膚に当てると、冷やしすぎて皮膚に刺激を与えてしまうので、氷はビニール袋に入れてタオルなどに巻いて使いましょう。

日焼けが予想される海水浴やプールの後では、シャワーを使って全身を冷やします。この時は長時間シャワーを浴び続けるのではなく、短時間に区切って何度か浴びるようにすると体の冷えすぎを防ぐことができます。

日焼けによって赤くなった腕の画像
赤くなってヒリヒリ痛むときには、湿潤療法でアフターケアすると痛みがなく早く治せますよ。やり方は簡単で、白色ワセリンを塗ったラップを痛む部分に貼り、サージカルテープで留めるだけ。

顔の日焼けでラップや被覆材を使いたくない場合は、白色ワセリンを1日何度も塗布するのでもOK。

顔の日焼けの場合、赤くヒリヒリしてる肌に化粧水や美容液をつけるのは、かえって逆効果です。肌に刺激を与えてしまい日焼けによるダメージを長引かせることになります。化粧水や美容液は、初期の炎症が治まってから使い始めましょう。

ただし、痛みがなくなったら保湿クリームや保湿美容液で肌の潤いを保つことが大切です。

紫外線は皮膚を乾燥させます。一度乾燥すると年齢が高いほどその回復は遅く、40代以上では2か月経っても乾燥が続く場合もあります。私も、これは痛感しています。


水ぶくれができたときには、熱傷に準じた治療が必要になります。日焼け(日光皮膚炎)による水ぶくれのケア方法については、こちらをご参考になさってくださいね。

日焼け後の水ぶくれのイメージ画像 日焼け後の水ぶくれのケア方法はこちら↓↓↓
◆日焼けによる水ぶくれの処置 痛みがなく早く治る対処法


日焼けによる水ぶくれが大きいとき(目安としては5cmを超える水ぶくれ)、または、個々の水ぶくれが小さくても、あちこち広範囲に水ぶくれができてるときには、病院を受診しましょう。

また紫外線を浴びすぎると体内で大量の活性酸素が発生します。この活性酸素は、皮膚ガン白内障のリスクを高めます。

つまり日焼け後は、いかに活性酸素ができないように抑えるかが大切なポイントになります。そのためには、下記のような抗酸化作用の高い食品を積極的にとるようにしましょう。

【抗酸化作用の高い食べ物】

  • ビタミンA(人参・ホウレン草・春菊など)
  • ビタミンC(柿・イチゴ・ブロッコリーなど)
  • ビタミンE(ナッツ類・うなぎなど)
  • ポリフェノール(ごま・ブルーベリー・大豆製品など)
  • カロテノイド(トマト・鮭・とうもろこしなど)


ところで、日焼けすると、なぜ皮膚が赤くなるの?

皮膚に紫外線が当たると血管を拡張させる物質(プロスタグランディンE)が角化細胞で作られます。この物質が真皮に届き、血管を広げることによって血流量が増え皮膚が赤くなるのです。(参考: 紫外線Q&A )

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おわりに

日光アレルギーのかゆみに苦しむ人達の画像
日光を浴びることによって起きる湿疹には、様々な原因の病気があります。

日光皮膚炎が主に紫外線B波によって起きるのに対して、日光アレルギー(光線過敏症)の場合は、紫外線A波が関係するものが多いです。

さらに可視光線が関与する光線過敏症の場合には、サンスクリーン剤が無効なため衣類などによる物理的な日光遮断が重要になります。

また日光アレルギーには、多形日光疹、光接触皮膚炎、光線過敏型薬疹などのように一過性のケースが多いものと、色素性乾皮症やポルフィリン症のように治療法が確立されていない難病のものもあります。

重篤な光線過敏症をもつ患者さんは、太陽の下での生活が厳しく制限され、日常生活に大きな支障をきたすため、そのQOL(生活の質)の低下は想像以上のものがあります。そのような患者さんを社会的に支援していく体制も、今後ますます必要とされるでしょう。


参考書籍
  • 薬局で役立つ皮膚科治療薬FAQ
  • 知って防ごう有害紫外線
  • 太陽紫外線と上手につきあう方法
  • 紫外線から子どもを守る本
  • スキンケア美容医学事典
  • 紫外線Q&A




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