子供が熱を出した時の対処法!コレさえ覚えておけば、もう慌てない


子供が熱を出してぐったりしてる写真画像
子供が熱を出すと、ママ・パパは「こりゃあ!大変だ」と(あわ)てますよね。特に夜中に子供が高熱を出すと、すぐに病院へ連れていくべきか迷うことも多いでしょう。

そんな時に「病院へ行く目安」や、「子供が熱を出したときの対処法」を知っておくと、ママ・パパも落ち着いて行動できます。

そこで今回は…

  • 子供が熱を出したとき病院へ行く目安は?
  • 病院へ行くときに持参するものリスト
  • 子供が熱を出す原因となる病気は?
  • 子供が熱を出した時の家庭での対処法
  • 解熱薬はどんなタイミングで使う?
  • 子供が熱を出した時のお風呂はどうする?
  • 熱性けいれんが起きたときの対処法
この7点についてまとめてみました。では、さっそく見ていきましょう。

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子供が熱を出した時に病院へ行く目安

熱でぐずって診察を嫌がる子供
子供の平熱は大人よりも高めなので、37度以上あっても、それがその子の平熱ということもあります。また、子供は体温調節中枢が未成熟なため、ちょっとした風邪でも高熱になりがちです。

しかし、子供の熱が高いからといって病気が重いとは限りません。たとえば突発性発疹は心配のない病気ですが、いきなり39~40度の高熱を出します。

子供が熱を出した時の受診の目安は、熱の高さだけでなく熱以外にどんな症状が出ているのかをよく観察して判断します。

食欲はあるか、機嫌はいいか、水分は摂れているか、吐くなど、いつもと違う症状がないかどうかをよく観察します。

熱があっても、子供の機嫌がよく、食欲もあって、よく眠れているようなら、家で様子を見ていても大丈夫です。

しかし、熱はそれほど高くなくても、元気がなくて、ぐったりしていたり、食欲がない、水分を受け付けない、嘔吐を繰り返す、けいれんを起こしたなど、いつもと違う様子が見られるときには、すぐに病院へ行きましょう。

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★3ヶ月未満の赤ちゃんは要注意!

眠っている赤ちゃんの写真
3か月未満の赤ちゃんが38度以上の熱を出したときには、食欲、機嫌などの様子を見ることなく、すぐに病院へ行きましょう。

3ヶ月未満の赤ちゃんは、ママからもらった免疫のおかげで軽い風邪にかかりにくくなっています。発熱する場合は、重い感染症の可能性が高いと考えられます。

★発熱が続いたり別の症状が出たら再受診を!


かぜ症候群のようなよく見られる病気で発熱した場合は、一度受診した後は、家庭でケアをしながら体力が回復するのを待ちます。

しかし、発熱が3日以上続く、症状が悪化してきた、下痢や発疹などの新しい症状が加わったときには、単なる風邪ではない可能性があります。その場合は、一度受診していても、再度受診しましょう。

休日・夜間の急な子供の病気で、対処法や受診の判断に迷ったときには、小児救急電話相談「#8000」に電話すると、小児科医や看護師からアドバイスを受けることができます。

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子供の発熱時の受診のまとめA

受診の目安のポイント

  • 熱の高さだけでなく、子供の機嫌や食欲など、熱以外にいつもと違う症状があるかどうかが受診の目安。
  • 熱がそれほど高くなくても、いつもと違う様子が見られたら受診する。
  • 受診の際は、熱の推移を記録して持参すると診断の目安になる。

家庭で様子を見るとき

熱があっても、次の4つの場合には家庭で様子を見る。

  • 食欲がある
  • 元気がある
  • 機嫌が良い
  • 発熱以外はいつもと変わらない様子

病院を受診するとき

  • 38度以上の発熱で元気がない
  • 熱が1日以上続いている
  • 下痢、嘔吐、せきなど発熱以外の症状がある
  • 機嫌が悪い、食欲がないなどいつもと様子が違う
  • 一度受診したが、熱が下がらず続いている
  • 一度受診したが、発疹など他の症状が出てきた

夜間でも大至急病院へ

  • 生後3か月未満の赤ちゃんで、38度以上の熱がある
  • グッタリしていて意識がおかしい
  • 呼吸が荒く、苦しそう
  • 嘔吐を繰り返す
  • 激しい下痢・嘔吐を伴い、おしっこが出ない
  • 水分を受け付けない
  • 激しく泣いて足をお腹のほうに縮める
  • 初めてけいれんを起こした
  • 6か月未満でけいれんを起こした
  • けいれんが5分以上続く(発熱がない場合)
  • けいれんが10分以上続く(発熱がある場合)
  • けいれんが治まった後も、ぐったりしていたり、意識がおかしい

救急車を呼ぶとき
あなたの家に固定電話がある場合は、救急車を呼ぶときには携帯電話ではなく固定電話を使ってください。救急隊の人は、あなたの自宅の位置を固定電話の番号から把握できます。

大人が二人いる場合は、一人が子供を見守り、もう一人が健康保険証や診察券の準備をし、家の外で救急隊を自宅へ誘導してください。

子供が熱を出して救急車を呼んだり、夜間、病院へ子供を連れていくときには、ママ・パパはあわてるものです。いざという時に忘れ物がないように、病院へ行くときに持参するものを、チェックしておきましょう。

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病院に行くときに持参するものリスト


緊急の受診の際には、あわてて忘れ物がないように気をつけましょう。

病院のイラスト
<病院へ持っていくものリスト>

  • 健康保険証
  • 母子健康手帳
  • 乳幼児医療証
  • お薬手帳
  • 診察券
  • 紙おむつ
  • 着替え
  • タオル
  • 携帯電話
  • お金
  • 病気メモ(体温の推移、症状、経過)
  • うんち、おしっこのついたおむつ又はその写真(下痢の場合)

吐いたものや便などは、病名の特定の判断材料になります。また、独特のせきの場合、録音して医師に聞いてもらってもいいでしょう。

「はしか」など、うつる病気かもしれないと思ったときは、受診前に電話で症状を伝えるか受付で申し出ます。

子供が熱を出すと、ママ・パパは、子供の熱が単なる風邪によるものなのか、あるいはもっと別の病気が原因なのか、心配でたまりませんよね。では次に、子供が熱を出す原因には、どんな病気があるのかを、簡単に見ておきましょう。

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子供が熱を出す原因は?


下記の表は、子供が熱を出す原因と考えられる主な病気です。あくまでも目安なので、必ずしもその病気ということではありません。詳しくは医師の診察を受けてください。

【子供が熱を出す原因となる病気】

子供が熱を出した時に考えられる病気

子供が熱を出した時、早く子供が元気になれるかどうかは、ママ・パパのホームケアにかかっています。では次に、ホームケアの大切なポイントについて押さえておきましょう。


子供の熱が高いときの家庭での対処法

発熱の一般的な経過グラフ
上のグラフは一般的な発熱の経過です。熱の出始めは寒がりますので暖め、熱が上がりきったら薄着にします。発熱時に気をつけたいのは脱水症状です。熱が上がりきったら、水分はこまめにたっぷりと与えましょう。

発熱のそれぞれの段階別(熱の上がり始め・熱が上がりきったら・熱が下がってきたら)にホームケアのポイントをまとめてみました。

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熱の上がり始めのイラスト
  • 暖かくする
熱の上がり始めは、血管が収縮するので手足が冷たくなり、寒気や震えが起きることがあります。熱があるのに手足が冷たいときは、これからまだ熱が上がる可能性があります。

子供が寒そうにしていたり手足をさわって冷たいようなら、普段より1枚多く着せたり、布団をかけたりして暖かくしてあげましょう。

熱を出して毛布に包まる子供
部屋の暖房を上げるときには、室内の乾燥にも気をつけます。風邪などのウイルスは、空気が乾燥していると繁殖しやすくなります。また乾燥は咳を誘発します。部屋の湿度は、50~60%に保つようにしましょう。

快適な室温の目安は、夏が25~28℃、秋~冬で23~25℃ 位です。


熱が上がりきったら
  • 薄着にする
  • こまめな水分補給
  • 冷やす
  • 解熱薬を使う場合は、このタイミングで使う

熱が上がりきると、手足が熱くなり汗がでて暑がるようになります。このサインを見落とし、暖かくしたままにしておくと、脱水症状になりかねません。熱が上がりきって暑がるようになったら、今まで着ていた衣服を脱がせ薄着にします。

「熱のときは、汗をかいて治す」という昔から言われてきた方法は、間違いです。子供は大人よりずっと脱水状態になりやすいので危険です。

また、夏はクーラーや扇風機の風が、直接子供に当たらないように気をつけましょう。

<水分補給>
熱が高いと、あまり水分も受けつけなくなりますが、脱水症状を起こす危険がありますので、水分はこまめに与えるようにします。

ミルクを飲む赤ちゃん
離乳食直前の赤ちゃんなら、母乳かミルクを、それより上の赤ちゃん・子供は麦茶や湯冷まし、果汁、乳幼児用イオン飲料などを、こまめに飲みたがるだけ与えます。

ただし、3歳未満のお子さんでは、発熱してるだけで嘔吐したりすることもありますので、水分補給はあわてず少量ずつ行いましょう。

<食 事>
食欲がないようなら無理に食べさせる必要はありません。ただし、水分補給はこまめに心がけます。

食欲があるようなら、子供が食べたがるものを与えてOKです。年長児ではアイスクリームなどをねだることがありますが、度を過ぎなければ構わないでしょう。

熱があるときは胃腸の働きが落ちるので、消化の良いもの(おかゆ・うどんなど)や、ひんやりとして、のどごしが良いもの(すりおろしたリンゴ、ゼリー、ヨーグルトなど)が、オススメです。

<冷やす>


子供が熱で辛そうなときは、水道水を入れたビニール袋や、タオルに包んだ保冷剤などで少しずつ冷やします。体を冷やすときには太い血管があるところを冷やします。

冷やすときには冷たすぎないことが大切です。赤ちゃんや子供は体温調節機能が未熟なので、冷やしすぎると熱が下がりすぎることがあります。

ただし3ヶ月未満の赤ちゃんが熱を出した時には、冷やしてはいけません。すぐに医師の診察を受けてください。

冷やす場所のイラストA
【冷やす場所はココ!】

●首の付け根
●わきの下
●太ももの付け根(鼠径(そけい)部)

冷却シートのイラスト
冷えピタや熱さまシートなどの冷却シートを額に貼っても、解熱という観点からは効果はありません

子供が気持ちよさそうなら使っても構いませんが、冷却シートがズレて鼻や口をふさいでしまい、窒息状態になる危険性もあるため、使うときには保護者が必ず目を離さないように注意しましょう。


<汗をかいたら、こまめに着替えを>

汗をかいたら、こまめに着替えさせましょう。そのままにしておくと、あせもや、おむつかぶれができやすくなります。

着替えをするときに、ぬるま湯に浸してしぼったタオルで体をふいてあげると、肌についた水分が熱を奪って、一時的に体温を下げる効果があります。


熱が下がってきたら
熱は一度下がっても、ぶり返すことがあります。特に夕方から夜にかけて再び発熱したり、治りかけのときに別の症状が出ることもあります。

丸一日平熱が続くようになるまでは、外出はせず、なるべく家の中で静かに過ごすようにしましょう。

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子供が熱を出して苦しそうにしてると、ママ・パパは、少しでも早く子供の熱を下げてあげたいと思うでしょう。しかし、早く熱を下げたくて、むやみに解熱薬を使うのは子供のために良くありません。

では、解熱薬を使って子供の熱を下げたいときには、どうすればいいのでしょうか。次に、解熱薬の上手な使い方について、一緒に見ていきましょう。


解熱薬はどんな時に使う?

高熱で寝込む子供

★発熱が原因で脳に障害が残ることはない


子供が高熱を出すと、熱で脳がやられるのではないかと心配するママ・パパもいるでしょう。

確かに、脳に障害を起こす「髄膜炎」や「脳炎」なども高熱が出るので、「高熱」=「脳の障害」というイメージを持つかもしれません。

しかし、熱そのもののために脳に障害が起きることはありません。

脳自体がウイルスに感染した場合や、熱中症のように体の外から熱が加わり体温調節ができなくなった場合以外は、脳が障害を受けるほど熱が高くなることはありません。

感染症の発熱が原因で脳に障害が残ることはないので、むやみに熱を下げようとしなくても大丈夫です!


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★解熱薬をむやみに使わない


熱を上げるのは、ウイルスや細菌の増殖を抑え、免疫細胞を活性化させ、病原体をやっつけるためです。つまり発熱は、お子さんの体が病原体と闘っている証拠なので、発熱そのものを恐れる必要はありません。

解熱薬は熱を下げる薬ですが、病気を治す薬ではありません。発熱による体のつらさを一時的に軽くしてあげるためのものです。

むやみに解熱薬を使うと副作用の心配もあります。解熱薬は子供の容態に応じて、タイミングを見計らって上手に使いましょう。


★解熱薬を使うタイミングは熱が上がり切ってから!


熱を出して額に冷却シートを貼る男の子
解熱薬を使う目安は、熱が38.5度以上で、発熱のつらさで子供が食事や睡眠を十分とれない場合に使います。

食事の30分前ぐらいに解熱薬を使い、一時的に熱を下げて、食事や睡眠が楽にとれるようにしてあげます。

ただし、解熱薬は熱がどんどん上がって、手足が冷たくなってるときに使っても、熱はなかなか下がりません。

手足が冷たくなって悪寒やふるえが出てるときに解熱薬を使うと、体温が下がりすぎてしまい、かえって症状を悪化させることがあります。

解熱薬は子供の熱が上がり切って、手足が熱くなってから使うようにしましょう。


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解熱薬を使っても、熱はまた上がるでしょうが、一度使ったら次に使うのは6時間以上あけ、1日に使用する回数は、2~3回にしましょう。

ただし、熱が高くても、子供の機嫌がよく、食欲もあり、よく眠れるようなら解熱薬は使わないで様子を見ましょう。また、眠ってる子供を起こしてまで解熱薬を使う必要はありません。

特に、6か月未満の乳児は、低体温になる可能性があるので解熱薬は使わないほうがいいでしょう。


★解熱薬の種類に気をつける

発熱で苦しそうな子供の画像
子供に使う解熱薬は、基本的に医師が処方した解熱薬を使います。やむをえず子供に市販薬を使う場合は、アセトアミノフェン(またはイブプロフェン)を使います。

これ以外の解熱薬は使ってはいけません。ライ症候群、インフルエンザ脳症との関連が疑われるためです。どうしても市販薬に頼らざるをえないときは、薬剤師に相談しましょう。

体重により薬の用量が違ってくるので、上の子に処方された薬をそのまま下の子に飲ませることは避けます。また、大人用の解熱薬を、量を減らして子供に飲ませるのは絶対にやめましょう

解熱薬には、飲み薬と座薬があります。効果は同じですが、座薬のほうが効き目が早く出ます。

熱が高くて薬が飲めなかったり吐く子には座薬を、下痢のときや座薬を嫌がる子には飲み薬を与えます。座薬の解熱薬と飲み薬の解熱薬は、同時に使わないように気をつけましょう。

解熱薬を使う際には、まずお子さんの体温を正確に把握することが大切です。子供の体温を測るときに気をつけたい注意点についても、次に一緒に見ておきましょう。


体温を測るときの注意点

子供が体温を測るイメージ画像
家庭で測る体温計は、わきの下で測るタイプが一番正確です。汗で皮膚の表面温度が下がるので、熱を測る前は、きちんと汗をふいてから測りましょう。

耳式体温計は、すぐに体温が表示されますが、数字の正確さには多少の不安が残ります。耳式体温計は、何回か測るようにしましょう。

電子体温計の場合、最初のブザーは予測値です。そのまま測り続けると、10分ほどで実測値になります。

体温は朝は低めで、夕方は高めです。運動したり食後や入浴後は、体温が高くなります。また赤ちゃんは、厚着や暖房などの影響で、体温が高くなることがありますので、おかしいなと思ったら、しばらくしてからもう一度測ってみましょう。

正常体温(わきの下)

乳児(1歳未満)
36.3~37.4℃
幼児(1歳~小学校入学前まで)
36.5~37.4℃
学童(小1~小6年生まで)
36.5~37.3度

出典 子どもの病気ホームケアガイド 第4版 日本外来小児科学会 編著


★元気なときに平熱を測っておく

子供の体温測定
発熱とは、平熱より1度以上高いときをいいます。医学的には、子供の場合の平熱と発熱の境は37.5度とされています。しかし、同じ37.5度でも、平熱が37度台の子供と平熱が36度台の子供とでは、熱の出方の程度が違いますよね。

熱がどのくらい高いかを正しく判断するためにも、普段子供が元気なときに体温を測って、子供の平熱を把握しておきましょう。


体温は、測る時間帯によっても異なります。元気なときに1日4回(朝・昼・夕方・寝る前に)、食事前の安静な状態での体温を測って、それぞれの時間帯の子供の平熱を知っておきましょう。

平熱は1日だけでなく日数をあけて何日か測っておくと、より正確な値が分かります。


ところで、子供が熱を出して汗をいっぱいかいた時、お風呂に入れてもいいのかどうか迷うママ・パパも多いと思います。では次に、子供が熱を出した時にお風呂に入れるべきかどうかの目安について、ポイントを押さえておきましょう。


子供の熱が高い時のお風呂

幼い子供とお風呂の画像
赤ちゃん・子供は40度くらいの熱があっても機嫌がいいこともありますが、湯船につかると、かえって熱を上げることになり体力を消耗させてしまいます。

子供の熱が高いときは、汗をかいたら、こまめに着替えさせ、お湯でしぼったタオルで体をふく程度にしておきましょう。

もし、お子さんの熱が微熱程度に下がってきて、元気で食欲もあるようなら、シャワーかぬるめのお風呂で、汗をさっと洗い流してもいいでしょう。ただし、湯冷めしないように気を付けてあげてくださいね。

熱がある時のおむつ替えには、100円ショップなどで売ってる調理用ボトルにぬるま湯を入れて、それを使って簡易シャワーのような感じでお尻を洗ってあげると、おむつかぶれの予防にもなりますよ。

インフルエンザでお風呂はいつからOKの画像 子供がインフルエンザにかかった時のお風呂に入れる目安については、こちらの記事をご参考になさってください。
◆インフルエンザでお風呂いつからOK?年代別の考え方と感染の可能性

インフルエンザをお風呂場で家族感染させないコツについても、ご紹介しています。

では最後に、子供が熱性れいけんを起こした時の対処法について見ていきましょう。我が子が熱性けいれんを起こすと、ママ・パパは動転すると思いますが、できるだけ落ち着いて行動できるように、いざという時のために対処法を確認しておきましょう。


熱性けいれんが起きたときの対処法

↑子供が熱性けいれんを起こした時のための心の準備動画


子供は発熱がきっかけになって熱性けいれん(ひきつけ)を起こすことがあります。両手足を突っ張り、全身を硬直させ、手足をガクガクと震わせます。

黒目は上方に上がり、白目をむいた状態になり、顔色は青く、呼んでも返事をしません。熱性けいれんは、熱の上がり始めに起こりやすいのが特徴です。

乳幼児は脳の神経発達が未熟なため、発熱の刺激でけいれんを起こすのではないかと考えられていますが、詳しくはよく分かっていません。

熱性けいれんは数十秒から5分程度で治まります。熱性けいれんが起きるのは、生後6ヶ月頃からで、5歳を過ぎる頃には起こらなくなり後遺症もありません

兄弟や両親が子供の頃に熱性けいれんの経験があると、起こりやすいようです。

初めてけいれんを起こしたときは、けいれんの原因を調べ、ほかの病気と区別してもらうためにも受診しましょう。熱がないのに、けいれんを起こした場合は、てんかんを疑います。

こんな時には救急車を呼ぶ

  • けいれんが10分以上続く(発熱時)
  • けいれんが5分以上続く(発熱がない場合)
  • けいれんが治まった後も、意識がおかしい
  • 短時間にけいれんを繰り返す
  • けいれんの他に嘔吐も伴う
  • けいれんの様子が左右非対称
  • 頭を強く打った後にけいれんを起こした
  • 熱が出て48時間以降にけいれんを起こした
  • 初めてけいれんを起こした
  • 6か月未満でけいれんを起こした


★熱性けいれんを起こした時は、時間を計る


わが子が初めてけいれんを起こしたのを見て、動転しない親はいないでしょう。しかし、保護者にできる最善のことは、あわてずに行動することです。

まず一番にやるべきことは、時計を見ることです。熱性けいれんは何分間持続するかが、その後にどう対処するかを判断する最も重要な鍵になります。

そして、子供を平らな場所に横向きに寝かせてください。可能なら、右を下にしたほうがいいのですが、パニックを起こしてる時に、左右を判断するまでの余裕はないかもしれません。

横向きに寝かせるのは、嘔吐したときに、気道に嘔吐物を詰まらせ窒息するのを防ぐためです。右を下にすると、さらに嘔吐の可能性が減ります。そして、胸元などの衣服をゆるめます。

けいれんの最中に子供の顔色が悪くなり、呼吸が非常に弱くなることがあります。しかし、呼吸が完全に止まることはありません。たとえ数秒間呼吸が止まっても、必ず呼吸は再開します。

もし顔色が悪く呼吸が止まりかかっていたら、お子さんの下あごの骨(エラの部分)を軽く持ち上げ、お子さんが「匂いをかぐ」ような顔の向きにしてください。(参考:子どもの危険な病気のサインがわかる本 松永正訓著)

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けいれんを起こしても舌を噛み切ることはないので、口の中にタオルや保護者の指を絶対に入れないようにしましょう。気道を詰まらせ窒息の危険があります。

また子供の体を揺すったり手足を押さえつけないようにしましょう。お子さんの名前を強く呼びかけても、けいれんを起こしてる子供は反応しません。

子供がけいれんを起こしたときは、両手足のけいれんが左右対称かどうか、目の向きはどうかなど、けいれんの様子をよく観察することが大切です。

けいれんの持続時間とけいれんの様子は、後で医師から必ず聞かれますので、あわてずに観察してください。

熱性けいれんのときのNG
  • 体を揺すらない
  • 体を強く叩かない
  • 口の中にタオルや保護者の指を入れない
  • 手足を押さえつけない
  • 強く抱きしめない


熱性けいれんは、子供の7~8人に1人が経験し、そのうち3人に1人は2回以上繰り返します。目の前で我が子がけいれんを起こしてる姿を見たら、パニックを起こすのは当然ですが、発熱時にはよくあることと考えて、落ち着いて行動しましょう。


【子供がけいれんを引き起こす病気】

けいれん(ひきつけ)が起きる病気

おわりに

子供が眠るのを見守る母親
子供が熱を出したときの受診の目安は、熱の高さだけでなく、その他にどんな症状があるかをよく観察して判断します。

呼吸が苦しそう、ぐったりしていて意識がおかしい、けいれんを起こしたなど、いつもと様子が違うときは、すぐに病院へ行きましょう。

熱があっても機嫌がよく、食欲もあり、よく眠れるようなら、冷やして家庭で様子を見ても大丈夫です。熱が上がる途中は寒がるので暖め、熱が上がりきったら薄着にします。

熱が38.5度以上あり、つらそうな場合は小児用の解熱薬を使うのも良いでしょう。発熱時は脱水症状を起こさないように、水分はこまめに与えてあげてください。

子供は熱を出すことで体内に免疫を作っていきます。ママ・パパは、高熱を出したお子さんを見て、慌てる気持ちもよく分かりますが、できるだけ落ち着いて対処してあげてくださいね。

子供の熱のライン
参考書籍
  • 子どもの危険な病気のサインがわかる本 松永正訓著
  • お母さんに伝えたい子どもの病気ホームケアガイド
  • 0~6才 病気&ホームケア
  • はじめてママ&パパの病気とホームケア
  • 知っておきたい赤ちゃんと子どもの病気とホームケア
  • 赤ちゃんと子どもの病気とホームケア
  • 子どもの病気と薬の知識 稲尾康司著
  • 子どもの病気の不安に答える本 宮下守著
  • 子どもの病気ナビゲーター 五十嵐隆編集




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