昼寝の効果!厚生労働省も推奨!居眠り上手は仕事ができる


昼寝をするビジネスマン
日本人の平均睡眠時間は、世界各国と比べても少ないそうです。ただでさえ睡眠時間の少ない日本人ですが、その中でも仕事に追われるビジネスマンは、睡眠不足との戦いです。

時間を買ってでも熟睡したいと望むビジネスマンもいます。そんな忙しいビジネスマンにこそ活用してほしいのが「昼寝」です。

厚生労働省が11年ぶりに改定した「健康づくりのための睡眠指針2014」では、必要な睡眠時間を確保しにくい勤労世代に対して、疲労回復・能率アップのために昼寝が効果的と勧めています。

 短時間の昼寝は、心臓病やアルツハイマー病の発症のリスクも下げることが分かってきました。

今回は、仕事の能率アップと心臓病・アルツハイマー病の発症リスクを下げるために、もっとも効果的な昼寝の方法についてお伝えします。

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昼食後、眠くなるのは人間の本能

昼寝の効果H
居眠り事故が集中する時間は?
昼食の後、眠気に襲われることは、誰でも経験があると思います。この昼食後の眠気は、食べ物の消化吸収のために血液が胃腸に集まることによって起こると考えられてきました。

しかし、その後の研究によって、昼食の時間をずらしても、この眠気があらわれることが分かってきました。

日中に起こる居眠り事故は、午後2時~午後4時の間に集中しています。事故原因は、睡眠不足が多いのですが、しかし、前の晩に十分眠っていても居眠り事故は起きています。

居眠りだけではなく、午後2時~午後4時は、仕事中にミスをしたり集中力や判断力が著しく低下しやすい時間帯であることも分かってきました。

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この午後の眠気は、昔から世界中の人々を困らせてきました。その結果、眠いときには眠ってしまおうという「昼寝」文化と、昼寝はしないで「お茶の時間」として「休憩」を楽しむ文化とが育ちました。

「おやつの時間」が午後2時~午後4時に集中しているのは、そのためです。

午後に眠気が起きる理由
午後に起きる眠気は、人間にとって生理的なものですが、なぜ午後2時~午後4時に強い眠気が起きるのか、そのメカニズムが徐々に解明されてきました。

人間の眠気は、24時間周期の夜の眠気のほかに、12時間周期の眠気のリズムがあります。24時間周期の眠気は、夜10時から始まるのに対して、12時間周期の眠気は午後2時に始まることが分かってきました。

そのため人間は、午後2時から午後4時までの間に強い眠気に襲われるのです


また興味深いのは、24時間周期の夜の眠気と12時間周期の眠気との間には、ほとんど眠れない時間帯が潜んでるそうです。

これは、夜7時から夜9時の間で、睡眠禁止帯と呼ばれます。この時間帯は高体温期のピークにあたり、覚醒度が最も高くなります。

夜勤の人などは、この時間帯で出勤前に一眠りしておこうとしても、最も眠りにくい時間帯なので、この時間帯を外して眠るようにしたほうがよいでしょう。

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短時間の昼寝は、なぜ体にいいのか

昼寝の効果A
日中の短時間の昼寝は、眠気も取れて、仕事や勉強の能率が上がります。しかし、短時間の浅い眠りの昼寝が、どうして体にいいのでしょうか。

私たちは普通、深い眠りのほうが、浅い眠りよりも体の疲労が回復できるので良いと考えています。

しかし、浅い眠りは精神的疲労の解消に、深い眠りは肉体的疲労の回復にと、それぞれの眠りが果たしている役割が違います。

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忙しい日々が続き、仕事に追われるビジネスマンは、ストレスが溜まっているので、長くたっぷり眠らないと、なかなか疲労を回復することはできません。

しかし仕事が忙しくて長い睡眠時間など取れない人がほとんどなので、そういう人こそ、日中に短時間の昼寝をして、脳を休めて精神的疲労を和らげることが必要です。

世の中の大多数のビジネスマンは、精神労働者に入るので、ビジネスマンの疲労は精神的なストレスによるものと考えるのが妥当だそうです。

ポイント!
  • 精神的疲労には浅い睡眠、肉体的疲労には深い睡眠が必要!
  • 大多数のビジネスマンは精神労働者
  • 短時間の昼寝(浅い睡眠)で精神的疲労を和らげることが大切!


短時間の昼寝は心臓病・アルツハイマー病の発症リスクを下げる


昼寝の効果G
南欧や南米に広く伝わる昼寝習慣にシエスタという仮眠があります。シエスタの習慣のある国で、昼寝の時間と死亡率との関係を調べたところ、昼寝の時間が1時間以上になると男女共に死亡率が上がることが分かりました。


またシエスタの長さと心筋梗塞の発病率を調べたところ、昼寝の時間が週平均19分程度であれば心筋梗塞の発病率は、0.77倍で23%ほど抑えられますが、昼寝の時間が45分になると1.28倍、90分で1.66倍、132分で1.40倍となり、この結果から昼寝の時間が45分以上になると心筋梗塞を起こしやすいということが分かっています。

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また日本で行われた調査では、昼寝とアルツハイマー病の発病との間にも緊密な関係があることが報告されています。


昼寝の習慣が全くない人と比べて、昼寝の長さが30分未満の人では、アルツハイマー病の発病のリスクが、6分の1に下がり、昼寝の長さが30~60分になると発病のリスクは0.4倍となり、1時間以内の昼寝は、アルツハイマー病の発病リスクを下げることが分かりました。


ただし、昼寝の時間が1時間を超えると、発病リスクは2.07倍に上昇し、長い昼寝は、アルツハイマー病の発病率を高めることが分かっています。


昼寝の効果的な時間

昼寝の効果D
昼寝が肉体に及ぼす影響について既に見てきたように、45分以上の昼寝では心筋梗塞の発病リスクが高くなり、1時間以上の昼寝は、死亡率を高め、アルツハイマー病の発病率も2倍になります。

一方、短い昼寝は、20分以内であれば心筋梗塞の発症を抑え、30分以下ではアルツハイマー病の発病リスクを6分の1に抑える効果があります。

以上のことから、日中の眠気対策として昼寝をする場合は、20分~30分程度がいいということになります。


さらに昼寝から目覚めたときにスッキリ目覚めるためには、浅い睡眠状態から目覚める必要があります。深い睡眠から目覚めると、なかなか眠気が取れず疲労感がより増してしまうからです。

そのため、昼寝からの寝起きをよくするためには、深い睡眠に入る前に起きる必要があるので、昼寝の時間を20分以下にする必要があります

大学生や大学院生を対象にした実験では、15分以上になると徐々に深い睡眠状態に入る人が出てきます。なので、昼寝の効果的な時間は15分~20分がベストといわれています。

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ただし、睡眠不足などが影響してるときには、15分経たないうちに深い睡眠に入る人の割合は増えるので、その場合には10分程度に昼寝の時間を短くする必要があります。

人が深い睡眠に入る時間は、加齢と共に遅くなるので、高齢者では深い睡眠に入るまで30分以上かかる場合もあります。

そのような高齢者の場合には、昼寝の時間を30分より少し長めに取ることを考えても良いそうですが、45分以上の昼寝は心筋梗塞の危険性を高めるので、そこら辺は慎重に判断したほうがよいそうです。


昼寝の効果的な時間は、15分~20分ですが、若い人は短時間で深い睡眠に入りやすいので、昼寝から目覚めたときに、強い眠気が残るようなら深い睡眠に入ったしまった証拠なので、その場合には昼寝時間を短めに調整しましょう。

また横になるよりは、椅子に座って昼寝したほうが深い睡眠に入らないので、目覚めもスッキリします。

ポイント!
  • 昼寝の効果的な時間は15分~20分がベスト
  • 昼寝からスッキリ目覚めるためには、深い睡眠に入る前に起きる必要がある
  • 高齢者の場合は、昼寝の時間を30分より少し長めに取ってもよい
  • 横になるより椅子に座って昼寝したほうが目覚めがスッキリする

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昼寝をする最適なタイミングは午後2時

昼寝するタイミングの時間
それでは昼寝をする最も効果的なタイミングはいつでしょうか。答えは、上のイラストにもあるように、午後2時です。

昼寝の時間帯をずらして実験を繰り返し行った結果、眠気も取れて、その後も高い覚醒度を最も維持できるのは、午後2時に昼寝をした場合だったそうです。

しかし現実問題、午後2時に昼寝ができる職場は少ないので、昼寝をする人は昼休みが多いのではないでしょうか。

昼寝は、5分~10分でも効果がありますので、出来るときに短時間の昼寝をするのがいいでしょう。しかし夜の睡眠に支障をきたさないようにするためには、厚生労働省の睡眠指針にあるように午後の早い時刻に昼寝をするのが理想的です。


ちなみに、高校の昼休みにお昼寝タイム(午後1時15分~1時30分)を導入したところもありますが、昼寝をするようになってからのほうが、夜もよく眠れて、日中の覚醒度も高くなったそうです。その結果、授業への集中度も高まり、学校の成績も向上した生徒が多かったそうです。

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昼寝からスッキリ目覚める方法

昼寝の効果E

昼寝から目覚めた直後は、眠気が残りますが、これを取り除く方法をご紹介します。


1.昼寝の前にカフェインを取る

昼寝の効果L
カフェインの覚醒作用は、服用してから15分~30分後に現れます。昼寝前に、コーヒー・紅茶・緑茶・清涼飲料水(カフェイン入り)を飲むと、昼寝から目覚めた頃に効果が現れるので眠気を抑えられます。


2.強い光を浴びる

昼寝の効果M
日当たりのよい窓辺や屋外に出て太陽の光を浴びたり、高照度光に当たると昼寝から覚めた直後の眠気が抑えられます。


3.覚醒的な音楽を聴く

私の場合、これを聴けば気分が高揚して眠気が取れるという曲があるので、それを聴きます。コーヒーを飲み忘れて昼寝してしまったときなどは、音楽による刺激も効果的です。ただ職場など音楽を聴けない状況の時もあるのが難点です。


4.冷たい水で洗顔する

女性の場合は、冷たい水で洗顔すると化粧が落ちるので、職場などでは難しいと思います。そういう時にはハンカチを冷たい水でぬらして首すじに当てると頭がスッキリしますよ♪


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ま と め


  1. 昼寝の効果的な時間は、15分~20分

    深い睡眠に入る前に目覚めるのがコツ!

  2. 昼寝をする最適のタイミングは午後2時

    午後の早い時刻に昼寝をするのが理想的

  3. 昼寝の姿勢は、椅子に座ったままがベスト

    ソファーに横になると深い睡眠に入りやすくなるので椅子のほうがいい

  4. 昼寝の前にカフェインを取る

  5. 昼寝から目覚めた時

    眠気が残ってる場合は太陽の光を浴びたり、冷水で洗顔したり、冷水でぬらしたハンカチを首筋に当てる


パワーナップ
一般的に15分~20分程度の短い昼寝をパワーナップ(power-nap)といいます。日本の企業の中にも、業務中に20分間程の昼寝を許可するパワーナップ制度の導入を始めたところもあります。

パワーナップは、仕事の能率も上がり、ミスも減るということで評判は上々だとか。

アメリカでは、パワーナップが積極的な自己管理の一つとして評価され定着しています。アメリカ海兵隊は、パトロールに出る隊員にパワーナップを義務づけているそうです。

日本人は、世界各国の中でも平均睡眠時間が少ないので、日中の昼寝を大いに活用して仕事や勉強の能率アップをはかっていきたいものです。飛蚊症花イラスト

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指差し矢印
◆落ちこんだりイライラしている時には昼寝がオススメ♪

私たちが、イライラしたり、落ちこんでる時には、右脳の前の部分が働いています。逆に、スッキリとさわやかな気分で、「さぁ、頑張るぞ!」と思うときには、左脳の前の部分が活動しています。


落ちこんでイライラしてる時に昼寝をすると、思わぬ効果が期待できるそうです。イライラしたり落ちこんだ気分のとき、右脳の前頭葉が働いていますが、短時間の昼寝で、これがチェンジして左脳の前頭葉が活動を始めるからです。


つまり昼寝をするとスッキリした気分になってプラス思考に転ずるそうです。マイナス気分のときには、昼寝で気分転換をはかってみてはいかがでしょうか。


参考文献
  • 安眠健康術 堀忠雄著(広島大学名誉教授)
  • 5分間睡眠で脳率が上がる 品川嘉也著(医学博士)




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