アリセプトの副作用 認知症の母、興奮して攻撃性増す


認知症の薬アリセプトについては、ネット上にもいろいろ書かれてありますが、困った副作用が出る場合も多いですよね。

特に在宅介護の場合、家族にとっては、認知症の薬の副作用次第では、毎日の生活が天国と地獄ほど違ってきます。

医師と看護師
でも、副作用のことを医師に話しても、分かってくれない医師もいます。認知症にあまり詳しくない医師の場合には、薬の副作用とは考えずに、却って薬を増量して、さらに症状を悪化させてしまう場合もあります。

根本治療薬がまだない認知症の治療においては、私たち介護する家族は、医師の言うことを鵜呑みにするのではなく、できるだけ知識や情報を集めることで、しなくてもよい苦労を避けられる場合もあります。

今、認知症のご家族を抱えて、大変な思いをしていらっしゃる方に、ご参考になるかどうかは分かりませんが、母がアリセプトを服用したときの症状についてお話したいと思います。

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認知症の母のアリセプトの副作用 興奮して攻撃性増す

アリセプトの副作用認知症の母B
日常生活でさまざまなトラブルを起こすようになった母を、認知症の専門医のところへ連れていったところ、脳の写真(MRI)など様々な検査をした結果、アルツハイマー型認知症と診断され、アリセプトを処方されました。

亡くなった父も、脳梗塞とアルツハイマー型認知症を併発していたので、アルツハイマー病がどのような経過をたどるかは既に父で見ていたので、母もアルツハイマー病といわれて、正直、覚悟していたこととはいえショックでした。

ただ父のときには、アリセプトという薬がまだ無かった時代だったので、母にはアリセプトを使えるという期待感も幾らかはありました。

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ところが、母にアリセプトを飲ませた翌日ぐらいから、母の目つきが変わってきたのです。2~3日経つと、母はとても攻撃的になって、怒りっぽくなっていきました。

アリセプトの副作用認知症の母C

それまでは、もの忘れやもの盗られ妄想などはありましたが、家族に対して攻撃的になることはなかった母が、ささいなことで興奮して暴力を振るうようになりました。

アリセプトを処方した医師に対しても暴言がひどくなり、母は、医師が母のことを殺しにくるという妄想を持つようになりました。当然、そのような妄想にとりつかれた母を病院に連れていくことは、もう困難になりました。

医師に相談したところ、攻撃性が増したのは本人の元々の性格によるものとアルツハイマー病のためだと言われました。でも、母は元来、とても穏やかな性格の人で、暴力・暴言とは無縁の人だったのです。

それがアリセプトを飲みだすと、人が変わったように別人になっていきました。私はアリセプトの副作用ではないかと思いました。

しかし医師に相談しても、アリセプトを飲み続けるように言われるだけで、当時は、認知症の薬はまだアリセプトしかない時代でしたから、アリセプトを飲まないと、治療薬が他にないといわれました。

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どうすればいいのか悩んでいたときに、母がまた暴れだし、アリセプトの薬の袋を私から取り上げて、「お母さんはこの薬で殺されるー!」と叫びながらアリセプトの薬をゴミ箱に捨ててしまったのです。

医師のもとに行って、また薬を処方してもらうことは簡単でした。でも、何かがそうすることを引きとめたのです。

それは、暴れながら叫んで母が私に訴えていたこと「お母さんはこの薬で殺されるー!」という言葉です。

母は確かにアルツハイマー病となり、もの忘れもするし、おかしな行動もするし、妄想もあります。でも、母の全部が壊れたわけではなく、母には、感情も体の感覚もあります。

母は本能的に、アリセプトを飲むと、自分が自分でなくなるような恐怖感を持っていたのかもしれません。

私は医師の指示を無視して、母の体の叫びの声に従い、アリセプトを母に飲ませることを止めました。認知症の唯一の治療薬であるアリセプトをやめることは、当時は賭けでした。

でも、アリセプトの服用を中止して正解でした。服用を中止して、ほどなく、母は落ち着きを取り戻していきました。もの忘れなどの認知症の中核症状はそのままですが、暴力・暴言は無くなりました。

アリセプトを止めても、夜中に興奮状態になることはあります。しかしアリセプト服用中の興奮状態とは、全く質が異なります。アリセプトのように脳に作用する薬は本当に怖いと思いました。

その後、数年が経過して認知症の治療薬が新たに3種類登場して、現在母はメマリーとリバスタッチパッチを使っています。

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アリセプトの副作用

アリセプトの副作用認知症の母A

◆アリセプトの副作用
食欲不振、胃腸障害、嘔吐、便秘、下痢、便失禁、

幻覚、興奮、暴力、暴言、攻撃性

頭痛、眠気、めまい、ふらつき、不眠、手のふるえ、口唇のふるえ


アリセプトの効能は、認知症の進行を遅らせる効果のみで、服用開始から9ヶ月~1年はその効果が持続し、その後は緩やかに症状が進行すると本には書いてありました。

たった1年進行を食い止めても、その後はどんどん進行するという薬のために、介護する家族がどこまでアリセプトの副作用によるダメージに耐えられるかが問題になります。

アリセプトは、食欲不振、胃腸障害、嘔吐、便秘、下痢などの副作用のほかに、暴力・暴言などの困った副作用が出る場合も多く、その場合には介護する家族が大変な思いをすることになります。

認知症の親を持つ仲間達に聴くと、他の認知症薬に比べて、アリセプトは介護者を悩ます副作用が多いように感じます。

アリセプトの副作用認知症の母F
またアリセプトは認知症のタイプによっても効果や副作用の出方が違います。

レビー小体型は、アリセプトなどのアセチルコリン・エステラーゼ阻害剤はよく効くそうですが、その反面、アリセプトに対して過敏に反応する場合があるので、服用量は通常より少量からのスタートで、症状の改善を見ながら、個人に合った適切な量を探すそうです。 

また前頭側頭型では、アリセプトによってかえって脳を興奮させてしまうことがあるので、基本的には使用しないということです。

いずれにしても、症状の改善と副作用を診ながら、適切な対応をその都度してくれる医師でないと、やっかいな副作用が出た場合、介護する家族は困り果てます。

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おわりに

アリセプトは、服用後に反応が早くなったり、記憶力がよくなったり、何らかの認知症状の改善がみられる患者さんもいます。

問題は、アリセプトに効果があっても、困った副作用が起きた場合、患者さんと介護する側がどこまで耐えられるかだと思います。

どんな薬にも副作用の問題はつきものですが、アリセプトのように脳に作用する薬は、精神を興奮させてしまい介護が大変になる場合が多いのです。

アリセプトの副作用認知症の母D
ただ、副作用が出た場合、それが本当にアリセプトの副作用なのか、認知症の症状なのかを、しっかり見極めないといけないので、服用をいったん中止して症状を確認することも大切でしょう。

そして私が、認知症の治療に大切だと感じてることは、治療薬で副作用が出た場合に臨機応変に対応してくれる医師がいるかどうかです。

介護する家族の声をしっかり受け止めてくれる医師に出会えるかどうかも、認知症の進行を遅くするために大事な要素だと思います。

認知症の根本治療薬がない今、認知症の介護は、情報戦でもあります。大切な家族のために、一緒に頑張っていきましょう!

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8 Responses to “アリセプトの副作用 認知症の母、興奮して攻撃性増す”

  1. 川股由美子 より:

    私の母は三年程前からレビー小体型認知症でやっと担当医からアリセプトを出して貰いましたが副作用で目ヤニが酷く身内に攻撃的 何でも美味しく食べていたのに一日中食べない日も24時間殆んど寝ていない私の方がイライラで怒鳴り声と手が出る時がある。加減はしているけれど病院に入れようかと迷ってしまう日々です

    • poteto より:

      川股由美子様

      コメントどうもありがとうございます。
      休みない介護でどれほどお辛い毎日を過ごされているのか痛いほど伝わってきます。

      睡眠が取れない介護ではイライラして怒鳴り声も手も出るときがあるのは、みんな同じですよ。
      どうかご自分を責めないでくださいね。
      そのお辛い状態では病院に入れようかと悩まれるお気持ちも凄くよく分かります。
      私も周りから施設にいれたほうがいいといわれ、散々悩みました。

      お母様はレビー小体型だそうですが、実は私の母も、レビー小体型も少し入ってるようだと医師にいわれて、そのため薬の服用の加減が難しいといわれています。
      現在は、メマリーだけの服用で、リバスタッチパッチは副作用が強く出て使えなくなりました。

      悩み続けて我が家はコウノメソッドの医師に代えたのですが、我が家にとっては良かったようです。
      相変わらず介護は大変ですが、在宅介護の辛さを本当の意味で理解してくださる医師に出会えるかどうかは、私たちにとっては大きな力になります。

      由美子様、今本当にどうしようもなくお辛い日々だと思います。
      由美子様がお母様の介護で潰れてしまわないように、どうかご自分のことも大事になさっていただきたいと思います。
      お一人で背負ってしまっては由美子様がお可哀想です。

      どんな言葉も由美子様を元気づけることはできないでしょうが、由美子様とお母様が少しでも暮らしやすい状態になられますよう心から祈っています。

  2. 大竹芳郎 より:

    この薬は抗精神薬として普通に使われていると聞きました。
    当時、これしかなかった。老母(96歳)もアルツハイマー型ということで服用してましたが、怒るときの形相がハンパでなく異様だった。とうとう狂ってしまったのかと怖かった。
    2,3年前に新薬が3つ解禁されたのをネットで知り、医師に伝え、それに変更してもらったら、即座に昔の母の優しさに戻りました。但し、その医師は、私にプライドを傷つけられたと感じたらしく、ひどい皮肉を言いました。今の医師はネットで勉強などする時間が無いのでしょう。以降、医院を変えました。

    • poteto より:

      大竹芳郎様

      コメントどうもありがとうございます。

      お母様もアリセプトの副作用で大変だったのですね。

      >怒るときの形相がハンパでなく異様だった。

      大竹様が仰る意味が凄くよく分かります。私の母も、目つき、顔つきが全く別人のように変わり、いったい母に何が起きたのかと私もうろたえました。

      >以降、医院を変えました。

      お医者様をかえられて正解でしたね。お母様が元の優しいお母様に戻られて本当に良かったです。

      介護する家族の声に、耳を傾けてくださる医師でないと、私たちもその医師を信頼することは出来ませんものね。

      貴重な経験談をお寄せいただき、どうもありがとうございました。

  3. 介護人 より:

    そのとうりです。アリセプトは性格を荒々しくしてしまいます。副作用です。医師がわからないから、ヤブ医者ってことですね。セカンドオピニオンをお奨め致します。

    • poteto より:

      介護人様

      コメントどうもありがとうございます。

      介護人様も、おそらくご家族様にアリセプトをお使いになって、大変なご苦労をなさったので、アリセプトの怖さをよくご存知なのだと思います。

      脳に作用するお薬は、個人差があるとは思いますが、副作用がやはり怖いですよね。

      お陰様で、今、我が家がお世話になっている医師は、患者や家族の声に謙虚に耳を傾けて下さる先生なので、薬の副作用に悩まされることもなく大変助かっています。ここまで来るのは長い道のりでした。

      介護人様、温かいお心遣いのアドバイスをどうもありがとうございます♪

  4. 酒井 乃里子 より:

    私の母は兄夫婦に囲われて、老人ホームに入れられてしまいました。面倒見ていたのは、ずっと、妹の私。もう半年もあっていません。老人ホームの契約者が兄なので合わしてもらえないのです。
    元をただしたら、父から相続した土地を巡って、知らない間に私のが、母に書き換えられたのが始まりです。
    母を囲い込んで、有利な方に持っていく。私も兄夫婦が酷すぎて、どうしていいかわかりません。ただ、ずっと面倒見ていたので会いたいです。元気なのか?

    • poteto より:

      酒井 乃里子様

      コメントどうもありがとうございます。

      酒井様のコメントを拝見して、思わず涙がこぼれました。お母様に半年間も会わせてもらえないとは酷すぎますね。

      いくら老人ホームの契約者がお兄様であっても、ずっとお母様の面倒をみてこられた娘である酒井様を、お母様に会えなくする権利がお兄様にあるとは思えません。

      でも、老人ホームの職員に言っても無駄でしょうから、一度法律家にご相談なさってみてはいかがでしょうか。

      お父様が残された土地の件にしても、酒井様の相続した土地の権利が勝手にお母様に書き換えられていたということは、このままでは、お兄様の好きなようにされてしまう可能性も高いですよね。

      娘である酒井様ご自身も相続なさる権利はあるのですから、そこら辺も含めて一度法律家にご相談なさってみてはどうでしょうか?

      法律家の事務所に相談に行くのが敷居が高いのなら、電話で無料相談を行なってるところもありますから、まずは電話で気軽に相談なさってみるのもいいかと思いますよ。

      どうか頑張ってください。娘である酒井様がお母様に会えないなんておかしいです。

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