ストレス解消に役立つ食べ物・栄養素 イライラ・怒りを消す食事!
私たちは、毎日いろいろなストレスにさらされています。しかし、ストレスになることを避けたくても周囲の環境は自分の努力ではなかなか変えられません。職場の上司が嫌だからといっても、その上司に会わないわけにもいきません。
ところが、このストレス、食生活をちょっと変えるだけで、たいていのストレスを感じなくすることができるというのです。
栄養療法で精神疾患をはじめ多くの疾患の治療に当たっている溝口徹医師の著書「女性の脳からストレスを消す食事」から、食べ物でストレスを感じなくする方法をご紹介してみたいと思います。
女性だけでなく男性にも共通するとっておきのストレス解消法なので、男性の方も是非ご覧になってみてくださいね。
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脳の栄養失調がストレスを大きくする

溝口医師によると、現代人の多くの人が栄養失調に陥ってるそうです。
こんな飽食の時代に栄養失調なんてあり得ない!と思われるかもしれませんが、現代人が陥ってる栄養失調には、ある特徴があります。
それは、摂取カロリーは十分すぎるほどなのですが、一部の栄養素が極端に不足しているのです。この極端に不足した栄養素を補うことで、ストレスに強い脳を手に入れられるのです。
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ストレスは脳で感じるものであり、その脳は栄養によってコントロールされています。ですから、食べ物と食べ方を変えるだけで、あなたはストレスに負けない強い脳を手にいれられるのです。
それでは、どんな栄養素を補えばいいのでしょうか。その答えは、ストレスを受けてる脳の中で、一体何が起きてるのかを知れば、自然と答えが出てきます。
では、ストレス下の脳の中で何が起きているのかを、一緒に見ていきましょう。
ストレスを受けると、脳内で何が起きるの?

ストレスを感じてる脳の中では、大量の神経伝達物質が合成されています。
ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、GABAなど、よく耳にする名前だと思いますが、脳の中では、これらの神経伝達物質がバランスを保ちながら感情をコントロールしていると考えられています。
そして私たちがストレスを感じているときには、主に興奮系の神経伝達物質が盛んに脳内で作られています。
いつ敵に襲われるか分からないストレスを前提にして、脳の中では、せっせと興奮系の物質が合成されています。
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そして、この盛んに合成されてる神経伝達物質は、すべてタンパク質を原材料にしています。タンパク質が、多くのビタミン・ミネラルの力を借りることで、脳内で神経伝達物質が合成されているのです。
つまり、ストレスを感じると、脳内では、タンパク質、ビタミン、ミネラルが大量に消費し始めます。
このため強いストレスを受けたり、ストレス状態が長引くと、脳内の神経伝達物質の合成に必要な栄養素が足りなくなってしまうのです。これが現代人に特有の脳の栄養失調状態です。
ストレスは食べ物に左右される

栄養失調状態なら、それらの神経伝達物質を口から摂ればいいんじゃないの?と思いますよね。
ところが、脳内で活躍する神経伝達物質は口から摂取しても、脳まで届かないのです。
以前、GABA入りのチョコレートが流行ったことがありますよね。脳をホッとさせる働きがあるGABAを混ぜることで、リラックス効果を高め、ストレスを消すという触れ込みのチョコレートです。
しかし、GABA入りのチョコレートを食べても、そのことで脳内のGABAが増加したり、食べた人がリラックスすることは残念ながら無いのです。
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その理由は、脳は身体から独立しているからです。
脳に対して直接作用するような物質は、基本的に「血液脳関門」という関所でストップされ、脳内に運ばれない仕組みになっています。そのため食材に含まれている脳内の神経伝達物質は血液脳関門を通過することができません。
ですから、ストレスにさらされると盛んに脳内で合成される神経伝達物質の不足には、その材料であるタンパク質やビタミン・ミネラルをたくさん摂るしかないのです。
材料さえ豊富に摂っておけば、あとは、脳内で自然とバランスを考えて神経伝達物質が作られます。
ストレス解消には、甘いものではなくタンパク質♪

昔はよく「疲れたときには、甘いものが脳にいい」と信じられていましたよね。
しかし、研究が進んだ現在は、ストレスによって脳が消費する栄養素は、主にタンパク質やミネラルであること、そして、これらは身体のエネルギー源となるブドウ糖とは、全く異なるものだということが分かってきました。
そうはいっても「疲れたときに、甘いものを食べたら、ボーっとしていた頭がシャキっとした」と思われる方も、沢山いると思います。
しかし、それは甘いものを食べることによって血糖値が上昇し、その結果、一時的に起こる変化で、いくら甘いものを食べても、ストレスによって失われてしまった栄養素を補給することはできないのです。
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それどころか、ストレスを感じる度にヤケ食いをして甘いものを食べていると、血糖値の乱高下を起こし、さらにストレスを大きくしてしまいます。
実は、この血糖値の乱高下が、私たちが意識していないところで脳に大きなストレスを与えているのです。
それでは次に、脳に大きなストレスを与えている隠れた犯人である「血糖値の乱高下」について一緒に見ていきましょう。
血糖値の乱高下がストレスのもと

あなたのストレスの原因は何ですか?という問いに、対人関係、仕事と答える人が多いそうです。確かに目に見える形のストレスは、対人関係、仕事が大きな原因だと思います。
しかし、それ以外に、自分で意識していない大きなストレスが、実は隠れているのです。それが血糖値の乱高下です。この血糖値の乱高下は、脳に大きなストレスを与えます。
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血糖が下がりすぎると、脳はエネルギー不足になるために、アドレナリンの分泌を促し、体内に蓄積されている糖分を血液中に出して正常な血糖値にするよう指令を出します。
このアドレナリンは、別名「攻撃ホルモン」ともいわれるもので、人がお腹が空くと、イライラしたり攻撃的になるのは、このアドレナリンの作用によるものです。
血糖値が安定してるときなら、嫌なことがあっても受け流せることが、血糖値の乱高下にあると、イライラしたり怒りが爆発してしまいます。
糖質制限で熟睡できるようになる
血糖値は、睡眠の質にもダイレクトに影響します。ストレス解消には熟睡はかかせませんが、血糖値の乱高下は、眠りを浅くしてしまいます。
糖質中心の食事だと、どうしても血糖値が激しく上下してしまいますが、その糖質を制限すると熟睡できるようになったという話は、私もよく耳にします。

溝口医師によると、睡眠薬を飲んでも、あまり安定した眠りが得られない場合には、昼食から夕食にかけて、糖質制限することを勧めています。
また血糖値の乱高下をできるだけ緩和するためには、食べる順番を工夫するのも一つの方法です。
食べる順番を野菜・サラダ・肉・魚などから食べて最後に糖質をとるようにすると血糖値の乱高下が緩和されます(参考:老化防止の食べ物 アンチエイジングの鍵は脳の抗酸化!)。
ポイント!
- 糖質中心の食事は、血糖値の乱高下を起こすので、さらにストレスを大きくする。
- 糖質を控えて血糖値を安定させることは、感情の安定につながる。
- 食べる順番の工夫で、血糖値の乱高下を緩和できる。
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ストレス解消に関わる主要なビタミン・ミネラル
脳をきちんと働かせるためには、タンパク質のほかに、神経伝達物質の合成に関わるビタミン・ミネラルの存在も欠かせません。 ◆ビタミンB群
ビタミンB群の中でも、特に重要なのがタンパク質の代謝に関わるビタミンB6(レバー、まぐろ、かつお、塩さけ、バナナなど)。その他にも葉酸、ナイアシンなどのビタミンB群も大切です。
◆鉄
女性は月経のために鉄不足になりがちです。鉄が不足すると、やる気や集中力が低下し、体温も下がって「冷え」に悩まされるようになります。また、ちょっとした刺激で皮下に、アザができやすくなります。
鉄を多く含む食べ物については、過去記事をご参考になさってください。
鉄分の不足症状 フェリチン検査で隠れ貧血が分かる!
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◆亜 鉛
亜鉛不足は、毛髪が細くなったり抜け毛が増えます。爪は、縦の線が目立つようになり白い斑点がでることもあります。
亜鉛は飲酒によって減ってしまうミネラルなので、亜鉛の不足はアルコールの代謝にも影響を及ぼします。悪酔いをするようになったり二日酔いが増えてきたら、まずは亜鉛不足を疑ってみてください。
亜鉛は飲酒によって減ってしまうミネラルなので、亜鉛の不足はアルコールの代謝にも影響を及ぼします。悪酔いをするようになったり二日酔いが増えてきたら、まずは亜鉛不足を疑ってみてください。
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◆ビタミンD
女性ホルモンが不足しがちな50代以降の女性に、是非とってほしい栄養素です。更年期にともなう「怒りっぽくなる」「気分の浮き沈みが激しくなる」という症状は、女性ホルモンの減少が原因の一つ。
ビタミンDには、女性ホルモンの減少を補う働きがあります。
ビタミンDには、女性ホルモンの減少を補う働きがあります。
◆ビタミンC
不意に襲ってきたストレスに対しては、ビタミンCで応急処置を♪
ビタミンCは、食材だけから十分な量を補給することは難しい栄養素なので、ここはサプリメントで補います。
400~800mgのビタミンCを、2時間ごとに摂取するのが効果的。ストレスに打ち勝つための主役である副腎の働きが落ちてくる午後から夕方にかけて、意識的にビタミンCを摂取することが大切なんだそうです。
ちなみに、ビタミンCが多く含まれていると謳う栄養ドリンク剤は避けたほうが無難です。
※ただし、副腎疲労患者が高容量ビタミンCを摂取することについては注意が必要
ビタミンCは、食材だけから十分な量を補給することは難しい栄養素なので、ここはサプリメントで補います。
400~800mgのビタミンCを、2時間ごとに摂取するのが効果的。ストレスに打ち勝つための主役である副腎の働きが落ちてくる午後から夕方にかけて、意識的にビタミンCを摂取することが大切なんだそうです。
ちなみに、ビタミンCが多く含まれていると謳う栄養ドリンク剤は避けたほうが無難です。
※ただし、副腎疲労患者が高容量ビタミンCを摂取することについては注意が必要
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ストレス解消に役立つ食べ物・栄養素 まとめ♪
ストレス解消に役立つ食べ物・栄養素
- タンパク質中心の食生活にする(肉・魚・卵など)
- ビタミン・ミネラルをしっかりとる
(ビタミンB群・鉄・ビタミンC・ビタミンD・亜鉛など) - 疲れたときには、甘いものではなくタンパク質をしっかりとる
- 糖質をできるだけ制限する(白米・菓子パン・うどんなど)
- 食べ方の工夫で血糖値の乱高下を穏やかにする
昔のようにのんびりした時代とは違い、進化の速度が速まった私たち現代人は、時間に追われ、さまざまなストレスにさらされています。
ストレスによる脳の栄養消費量は増えているにもかかわらず、食材に含まれる栄養素は逆に減っているという大変な状況です。
ストレスを受けてる脳の中では、タンパク質、ビタミン、ミネラルが大量に消費されています。これらの栄養素が足りなくなると脳は栄養失調状態となり、脳の中で感情や精神のコントロールをしている物質が足りなくなります。
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ストレスを苦に感じなくするには、脳に必要な栄養素をたっぷり与えてあげればいいのです。
食べ物をちょっと変えるだけでストレスが消え、あなた本来の明るさがよみがえり、元気な毎日を送れるようになります。
もし、あなたが今、ストレスから体調の不調を感じているのなら、がんばろうとするのではなく、まずは食事を変えてみることから始めてみませんか?
※タンパク質制限をされている腎臓病の方の場合には、食事療法については主治医の指示に従って行なってくださいね。
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