イルカとクジラとシャチの違いに迫るっ
イルカとクジラとシャチの違いを子供に聴かれ、即答できる人は少ないと思います。一般的に、イルカとクジラとシャチは、別々の生き物として認識されていることが多いと思いますが、本当のところはどうなのでしょうか。
今回は、イルカとクジラとシャチの違いについて探ってみました。
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イルカとクジラの違い
<↑イルカの楽しいショーです♪>
イルカとクジラは、実は同じ仲間です。イルカは、生物分類上は、クジラの一種で、クジラの中でも、口の中に歯が生えていて、体長が4~5メートル以下のものをイルカといいます。
本によっては、3メートル以上のものをクジラ、3メートル以下のものをイルカとしてるものもありますが、大きさに定義はなく、ゴンドウクジラのように比較的小さい体のものでもクジラと分類される種もあります。
クジラというと、巨大な体で、豪快に潮を噴き上げながら泳ぎまわる海の王者というイメージがありますが、そんなクジラが、小さくて可愛いイメージのイルカと同じ仲間だというと、少し意外な感じがしますよね。
イルカもクジラも、海の中で生活していますが、共に肺で呼吸し、生まれた子供を母乳で育てる哺乳類の仲間です。
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上の図をご覧いただくと、イルカとクジラの分類の違いがよく分かると思います。
イルカもクジラも、ともに「クジラ目(くじらもく)」というグループに属していますが、イルカとクジラが、分類上分かれるのは、さらに細かく分類した次の「亜目(あもく)」というグループからで、両者を分ける大きな違いは、口の中にあります。
口の中に、ヒゲ板と呼ばれるものが密集しているのがヒゲクジラ亜目、いわゆる「クジラ」と呼ばれるものたちです。

ヒゲ板は、歯ぐきが変化したものと考えられていますが、ヒトの爪と同じ成分から出来ている薄くて固い板状をしていて、その先端は毛のようになっています。
そのヒゲ板が何百枚も重なり合って巨大な口をとりまくように、クジラの上あごからたれさがっています。ヒゲ板の長さは、種によっても異なりますが、もっとも長いホッキョククジラでは4メートルにもなります。
このヒゲクジラのグループには、地球上で最大の動物といわれるシロナガスクジラなどが含まれ、一般に大型のものが含まれています。もっとも小さい種でも体長5メートル以上はあります。
◆シロナガスクジラの獲物のとり方
シロナガスクジラは、巨大な恐竜よりもずっと大きく、地球上に今まで現われた動物のうち、最大の動物といわれています。もっとも大きいもので全長34.5メートル、体重190トンもありました。
シロナガスクジラの獲物のとり方は豪快です。口を大きく開けて、体を横にして、水面を泳ぐオキアミなどの群れを一気に飲み込みます。
このとき、のどが風船のようにふくらむため、海水ごと沢山のオキアミを口に入れることができます。そして、口をとじて、舌を動かし、ヒゲ板で海水だけを押しだして、オキアミをこしとります。
シロナガスクジラは、1日に7トンものエサを食べることもあります。
シロナガスクジラの獲物のとり方は豪快です。口を大きく開けて、体を横にして、水面を泳ぐオキアミなどの群れを一気に飲み込みます。
このとき、のどが風船のようにふくらむため、海水ごと沢山のオキアミを口に入れることができます。そして、口をとじて、舌を動かし、ヒゲ板で海水だけを押しだして、オキアミをこしとります。
シロナガスクジラは、1日に7トンものエサを食べることもあります。
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一方、口の中に私たちと同じく歯が生えているのが、ハクジラ亜目です。この中に、「イルカ」も含まれています。
歯の数は、種類によってまちまちですが、水族館でもっとも多く飼育されているバンドウイルカでは、上下合わせて70~80本くらいあります。ハクジラ類の歯は、みな同じ形をしており、はえ変わることもありません。

<イルカの歯↑>
イルカの歯は、私たちの歯のように前歯・奥歯の区別もなく、どれも同じ形をした歯なので、エサである魚やイカを、噛んですりつぶして食べるのではなく、丸のみにします。
ハクジラ類には、マッコウクジラなど体長が5~6メートルにもなる種もあります。そこで、このようなハクジラ類のうち、体の大きさが、だいたい4~5メートル以下ぐらいの種を「イルカ」と呼んでいます。
ちなみに、英語では、イルカ類のうち、バンドウイルカやマイルカのように、くちばしが細長く伸びたものをdolphin、また、ネズミイルカやイロワケイルカのように、くちばしがないものをporpoise と呼び分ける場合もあります。
このように、イルカとクジラは、同じ「クジラ目」という仲間にあって、口の中にヒゲ板があるのが「クジラ」、口の中に歯があり、体が小さいものを「イルカ」と呼んでいます。
ポイント!
- イルカとクジラは同じ仲間(イルカはクジラの一種)
- イルカとクジラの違いは、体の大きさと口の中に歯があるかどうかの違い
イルカとクジラ、どっちが耳がいいの?
イルカもクジラも、広い海の中ではパートナーや子供と、はぐれてしまうこともあります。そんな時に、どうやって連絡を取り合っているのでしょうか。イルカやクジラは、超音波を出して互いに連絡を取り合っています。外からは見えませんが、イルカもクジラも非常に精巧な耳(鼓骨胞)を持っており、これで互いが発する信号音をキャッチしています。
ある調査によると、マッコウクジラで1万メートル、イルカで800メートルも遠くの出来事をキャッチできるということです。
ちなみに、マッコウクジラは一夫多妻制で、ほとんどのイルカの仲間は乱婚制だそうです。
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シャチは、イルカやクジラとどう違うの?
水族館では、イルカの他に、シャチのショーも人気ですよね。シャチも、イルカと同様に生物分類上は、クジラの仲間で、ハクジラ亜目の一種です。
さらに詳しくいうと、シャチは、くちばしが細く伸びたバンドウイルカ(水族館でもっとも多く飼われているイルカの種類)と同じマイルカ科の仲間で、歯もありますが、イルカよりも体が一回り大きくなります。
イルカは4~5メートル以下、シャチは6~9メートル、さらに大きいのがクジラです(ゴンドウクジラなど例外的に小型のクジラもあります)。
水族館では、シャチとイルカが仲良く飼われていますが、野生のシャチが、小さなイルカを襲うことはよく知られています。
また、群れで、自分たちよりも大きなクジラを襲うこともあるので、シャチは「キラー・ホエール」とも呼ばれ、海の生態系の頂点に位置します。
ポイント!
- イルカとクジラとシャチは同じ仲間(イルカとシャチはクジラの一種)
- 体の大きさ: クジラ>シャチ>イルカ
- クジラは歯がなく、イルカとシャチは歯がある
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この記事内の動画は、やまかんりにんのYouTube動画よりお借りしました。素敵な動物動画満載です。→ やまかんりにんYouTube動画
ま と め

イルカとクジラとシャチは、共に水生哺乳類であるクジラ目に属し、一般に大型のものをクジラ、4~5メートル以下の小型で歯の生えているものをイルカ、イルカよりも一回り大きなものをシャチとして区別されます。
イルカもシャチも含めてクジラのグループは80種あまりいますが、海の汚染、魚のとり過ぎ、温暖化などのために絶滅の危険にある種類もいます。
この素晴らしい海と、そこに暮らす生きものたちを、未来の世代に残していくために私たちはどうしたらいいのかを、みんなで考えていきたいですね。
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