ピロリ菌除菌は薬を飲むだけ?副作用はないの?
ピロリ菌除菌は薬を3種類、1日2回、7日間飲むだけで除菌できます。
ピロリ菌の1次除菌で、約75%の方が、2次除菌まで入れると、約95%の方が、薬を飲むだけでピロリ菌除菌に成功します。
ただし、ピロリ菌の除菌治療中には、副作用が起きることもあります。
今回は、ピロリ菌の除菌の注意点とどのような副作用があるのか、また除菌終了後に起きるデメリットについてもご紹介します。
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ピロリ菌とは?

そもそも、ピロリ菌って、なぜ除菌しないといけないのでしょうか?
ピロリ菌は、人間の胃の中に住みつく細菌で、正式名称は 。
名前はなんだか可愛らしいですが、胃の中で悪さをして、胃がん、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などを引き起こす悪い細菌です。
胃の中は、食べ物を消化するために強力な胃酸で満たされているので、普通の細菌は住みつくことができません。
でもピロリ菌は、ウレアーゼという特殊な酵素を出して酸を中和させ、自分の周りを中性に近い状態に出来るので、酸性の強い胃の中でも生息できます。
自分の酵素でアンモニア(アルカリ性)を作って、中和して生き延びるとは、ピロリ菌って賢い細菌なんですね。
ピロリ菌の感染率は世代によっても大きく異なりますが、若い世代では2割程度ですが、50代以上では7割以上の人からピロリ菌が見つかります。
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でも、なぜ、ピロリ菌は、中高年に多いのでしょうか?
昔の日本は、まだ上下水道の整備がなされていなくて、井戸水などを飲んでいましたが、今の中高年は、幼少期に衛生状態が悪かったために、ピロリ菌の感染者が多いといわれています。
ピロリ菌が胃の中にいると、どうなるの?

胃がんになった患者さんは、ほぼ全員がピロリ菌に感染しています。
胃がんは、「慢性胃炎→萎縮性胃炎→腸上皮化生→胃がん」という流れで発生しますが、この2番目の状態の萎縮性胃炎が進行していない段階で、ピロリ菌を早期除菌すれば、胃がんの発症は、ほぼ確実に抑えられます。
ピロリ菌を早期除菌しておけば、胃がんにならなくても済むって凄いことですよね。
胃がんは、日本人がかかる癌のトップですから、その胃がんの発症を、ほぼ確実に抑えられるとなると、ピロリ菌の早期除菌は、画期的な胃がん予防方法ともいえます。
ただ、胃の状態がかなり悪化した状態でピロリ菌除菌しても胃がんの発症を抑えられないケースもあります。それでもピロリ菌を除菌したほうが、胃がんの発症率は、かなり下げられます。
また胃潰瘍の70%、十二指腸潰瘍の95%は、ピロリ菌が原因だといわれています。
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その他にも、ピロリ菌は、アルツハイマー病、脳血管障害、虚血性心疾患、関節リウマチなど数多くの疾患との関連性が報告されていて、ピロリ菌除菌が、それぞれの疾患に有効だという報告もあります。
しかし、その多くは、まだ十分に証明されておらず、今後の課題となっているそうですが、ピロリ菌が人の体の中で、色々悪さをしているのは間違いないですから、この悪いピロリ菌は、除菌しておきたいですよね。

ピロリ菌は一度感染すると、除菌しなければ、一生涯、胃の中に住み続けます。
成人が一度除菌に成功すると、その後にピロリ菌に再度感染することは、ほとんどないと言われています。
一生に一度、除菌すればいいだけなら、少々お金がかかっても、やはりピロリ菌は除菌しておきたいですね。
<北大の教授がピロリ菌除菌のメリットを短時間で分かりやすく説明している動画です↓>
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ピロリ菌の感染ルートは?

ピロリ菌は経口感染ですが、そのルートは、口から口、糞から口、飲料水から口(井戸水など)、動物媒介などです。
母親がピロリ菌に感染していて、口移しで子供に食べ物を与えると、感染の危険があります。
ピロリ菌は、免疫力のまだ弱い5歳位までに、口から感染するといわれているので、幼い子供に家族感染させないように注意が必要です。
親がピロリ菌に感染してることが分かった場合、我が子に、うつしてしまったのではないかと心配になると思いますが、子供がまだ小さい場合には、基本的に除菌の治療は必要ありません。
子供の場合、特に5歳未満では、除菌しても再感染することが多いので、何も症状がない子供の場合には成人してから検査・除菌治療するのがいいそうです。
しかし大人になってからは、ピロリ菌が口から入っても、問題ありません。ですから、夫婦間や恋人同士のキスによるピロリ菌の感染は、まずありません。
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ピロリ菌の除菌は、どんな薬を使うの?

ピロリ菌除菌は、2種類の抗生物質と、抗生物質の効き目をよくするためにPPIという胃酸を抑える薬を1種類、合計3種類の薬を1日2回、7日間、内服します。
そして4週間以上経過した後に、ピロリ菌除菌が成功したかどうか再度検査します。
◆1次除菌で75%の方が除菌に成功します。
しかし抗生物質に耐性があって効かないケースもあるので、その場合は2次除菌法を行います。2次除菌のときには、アルコールは1週間禁止です。
◆1次・2次除菌合わせて、95%の方が除菌に成功します。
それでも、除菌できなかった場合には、3次・4次の除菌法になりますが、その場合には保険適用外になります。
除菌の薬は、飲み忘れると除菌率が大きく低下するので、飲み忘れないように注意してください!
ペニシリン系の抗生物質を使うので、ペニシリンアレルギーのある方は除菌治療はできません。
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ピロリ菌除菌の副作用

副作用として最も多いのは、下痢・軟便ですが、ほとんどの場合、軽症ですみます。
ただ、血便が出たり、じんましん・発疹・かゆみが出た場合には、服用をすぐに中止して医師に相談してください。
またピロリ菌除菌後のデメリットとして、約1割の人に、逆流性食道炎になる人がいます。これは胃酸が食道に逆流して食道の粘膜を刺激し炎症を起こす疾患です。
ピロリ菌除菌後に、胃の状態がよくなり、それによって過食、飲酒などの生活習慣が変わることが一因と考えられています。
ピロリ菌除菌率をアップさせるLG21乳酸菌ヨーグルト

LG21は、ピロリ菌よりも胃酸に強くて、ピロリ菌の増殖も抑制してくれる乳酸菌です。
LG21ヨーグルトを食べていると、ピロリ菌の除菌成功率を10%程あげてくれます。
ということは、ピロリ菌除菌の前には、LG21乳酸菌ヨーグルトを食べ続けておいたほうがいいですね。
私の母も、胃が弱かったのですが、ピロリ菌除菌後は胃薬を飲む必要もなくなりました。ピロリ菌除菌は、一生に一度やっておけばいいことなので、健康で暮らしていくためには、面倒でもやっておきたいものですね♪
ピロリ菌に効く食べ物
ヨーグルトの他にも、ピロリ菌に効くといわれてる食べ物は、ハチミツ(特にオーストラリアなどで自生しているマヌカの花粉からできたマスカハニー)、ココア、ブロッコリー、梅干、ワカメ、モズクなどがありますが、どれもまだ実証できるデータはありません。ピロリ菌を確実に除菌できるのは、今のところは抗生物質のみです。
ピロリ菌の検査の方法や費用については、こちらの記事もご参考になさってくださいね。→ ピロリ菌の検査の方法 費用はどのくらい?
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