細菌とウイルスの違いは?抗生物質が効くのはどっち?
細菌とウィルスの違いって、何??
細菌もウィルスも、体内に侵入し、病気を引き起こす病原体の代表的なものです。細菌とウィルスの違いは、増殖の方法と大きさです。では、詳しく見ていきましょう。
細菌とウィルスの違い ①増殖方法の違い

細菌は毒素を作って攻撃したり、細胞を溶かすなど、外側から作用しますが、ウィルスは、人の細胞内に入り込んで、中から作用します。
なぜなら、細菌には細胞がありますが、ウィルスには細胞がないからです。
そのため、ウィルスは自力で増殖できないために、他の生物(宿主)の細胞に入りこんで、その細胞の機能をうばって増殖します。
つまり、ウィルスは自力で増殖する遺伝子がないので、他の細胞に入り込んで増殖して、挙句の果てに、その細胞を壊してしまうという悪いやつなのです。
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ウイルスは、遺伝情報を担う核酸と、それを囲むタンパク質の殻でできています。ウイルスの仕事は、生きた細胞を狙って乗っ取ること。自分の遺伝物質を宿主の細胞にいれ、細胞のシステムを働かせて新しいウイルスをつくらせるのです。
新たに生まれたウイルスは、その細胞を離れ、別の細胞を見つけて入り込みます。ウイルスは自力で増殖する機能を持たないため、厳密にいえば生物ではありませんが、しかし、極めて生物らしい振る舞いもします。
たとえば、感染性ウイルスの多くは、頻繁に突然変異を起こし、ただでさえ数少ない治療薬にすぐ耐性ができます。
ウイルス同士で、さかんに遺伝子を交換するだけでなく、種類の違う生物にも飛び移って、それまで見たこともない全く新しいウイルスに生まれ変わります。
一方の細菌は、生物としての必要な道具はすべてもっており、増殖するための遺伝子情報もあります。そのため自力で増殖することができます。
自力で増殖できないウィルスに比べると、細菌は自立してるやつなんですね。
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細菌とウィルスの違い ②大きさの違い
細菌もウィルスも人の目では見えないほど小さいものですが、細菌は1µm(マイクロメートル)ぐらいで、顕微鏡でなら見ることができます。(※1µm は1mm の1000分の1)
一方、ウィルスはそれよりもっともっと小さく、電子顕微鏡でないと見ることができません。インフルエンザウィルスの場合は、1mm(ミリメートル) の1万分の1ぐらいの大きさです。
細菌とウィルス、抗生物質が効くのはどっち?

抗生物質が効くのは細菌で、ウィルスには、個々のウィルスに対抗する抗ウィルス薬やワクチン以外は効果がありません。
そのため、子供が風邪をひいた時に、お母さんがドクターに、この子は抗生物質を飲まないと治らないからと抗生物質を与えて下さいと、しつこくお願いするとドクターはとても困るそうです。
ウィルス感染による風邪症状に、抗生物質を与えても無駄だからです。
それどころか、必要以上に抗生物質を使いすぎると、耐性が出来てしまって、後で本当に必要な時に、その抗生物質が効かなくなることもありますから、抗生物質の使いすぎには要注意です。
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現時点での最強ウィルスは、エボラウィルス
ウィルスも細菌も生物です。ということは、進化する可能性があります。その進化が人間の手に負えないことも、しばしばあります。冬に流行するインフルエンザが、よい例ですよね。予防ワクチンを作っても、いつまた全く異なるインフルエンザウィルスが誕生するか分からないですよね。
細菌も同じです。細菌をやっつける抗生物質ができても、それに負けない耐性菌が、次々に出来てしまいます。
どんどん進化し続けるウィルスと細菌。その中で今、最も怖いのがエボラウィルス!
感染すれば致死率90%のエボラウィルスは、現時点での最強ウィルスです。
エボラウィルスに感染すると、体中の穴という穴から出血します。アメリカでは、エボラウィルスを生物テロの危険度Aに指定してるぐらい恐ろしいウィルスです。
ま と め
ズバリ!細菌とウィルスの違いは、コレ!
- 自力で増殖できるかどうかの違い!細菌は自力で増殖でき、ウィルスは自力で増殖できない!
- 大きさは細菌のほうが大きく、ウィルスは細菌よりもっと小さい
- 抗生物質が効くのは、細菌だけ!ウィルスには抗ウィルス薬やワクチンしか効かない。
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