ココナッツオイルの認知症への効果 摂取量はどのくらい?
ココナッツオイルがアルツハイマー型認知症に効果があると注目されています。
アルツハイマー型認知症は、まだ治す薬がないので、進行を遅らせることしか出来ませんが、ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸には、アルツハイマー型認知症の症状を改善する効果があるそうです。
ホームドクターの勧めで、アルツハイマー病の母も、ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸を積極的に摂り入れるようになりました。私も認知症予防のために、母と一緒に食べ始めました。
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ココナッツオイルの認知症への効果効能

アルツハイマー型認知症に、ココナッツオイルを摂り入れた食事療法がいいと評判になったのは、アメリカの小児科医メアリー・T・ニューポートさんという女医さんが書いた本がきっかけだったようです。
彼女のご主人が若年性アルツハイマー病になり、ココナッツオイルを食事に摂り入れたところ、短時間でご主人の認知症状に改善が見られたというのです。
彼女はその体験談を「アルツハイマー病が劇的に改善した!米国医師が見つけたココナツオイル驚異の効能(日本版の題名)」という本にして出版しました。
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すると、その本を読んだ認知症患者の家族たちから、ココナッツオイルが認知症状の改善に確かに効果があったという声が数多く寄せられ、ココナッツオイルの評判が広まっていったようです。
ただ、ココナッツオイルがアルツハイマー型認知症すべての人に効果があるということではないようですが、アメリカではアルツハイマー病3人に1人に効果があったというデータがあるようです。
日本人に効果があるかどうかは、これからの研究課題だそうです。アルツハイマー型認知症は、薬を飲んでも、症状の進行を遅らせる効果しかなく、薬で症状を大きく改善することは出来ません。
しかしココナッツオイルを摂取すると、短時間で認知症状の改善が見られるケースもあるとなると、認知症患者さんや家族にとっては、希望の光となります。薬と違って大きな副作用もないので、安心して食べていけるのも魅力ですね。
ココナッツオイルが認知症に効果がある理由

それでは、どうしてココナッツオイルを摂取すると短時間で認知症状に改善が見られるのでしょうか。
そのカギは、ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸にあります。中鎖脂肪酸とは、油の主成分である脂肪酸の一つです。
昔はよく、「脳は、ブドウ糖しかエネルギーとして使えない」と言われていましたよね。なので頭が疲れたときには、脳に即エネルギーをもたらしてくれる甘いものを摂るのが良いといわれていました。
しかし人間の脳は、ブドウ糖がなくても、脂質を分解してできるケトン体を、脳のエネルギーとして使えることが近年分かってきました。
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最近の研究では、アルツハイマー病になると、グルコース(ブドウ糖)を脳のエネルギー源として上手く使えなくなることが分かっています。そのため、脳がエネルギー不足となり、さまざまな認知症状を引き起こします。
そこで、グルコース(ブドウ糖)の代わりに、脂質の分解物質であるケトン体を脳のエネルギー源として使うことが考えられました。しかし通常は、ケトン体というのは絶食状態になりブドウ糖がなくなったときに肝臓で脂肪酸が分解されて出来るものです。
ところが、中鎖脂肪酸の場合は長鎖脂肪酸とは違い、ケトン体を作るのに、体内の糖質の影響をほとんど受けずにケトン体が作られます。

また、天然の植物性脂肪に含まれる脂肪酸のほとんどは長鎖脂肪酸ですが、長鎖脂肪酸は、体内に吸収されたあと、リンパ管、静脈を通り、いったん脂肪組織や筋肉や肝臓に蓄積されて、必要に応じてエネルギーとして使われます。
ですから長鎖脂肪酸は、食べ過ぎると脂肪として体内に蓄積されるので太ります。
ところが、中鎖脂肪酸の場合には、肝臓へ通じる門脈を経て、直接肝臓に運ばれて、すぐに分解が始まりエネルギーとなるので体内に蓄積されません。
- 中鎖脂肪酸は、体内にある糖質の影響をほとんど受けずにケトン体を作る
- 中鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸と比べて代謝経路が違うので、分解吸収が約4倍も速く、代謝も5~10倍も速い
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このように、脂肪の中でも、エネルギーに変わるのがとりわけ速い中鎖脂肪酸の特徴を活かして、ブドウ糖を脳のエネルギーとして使えない認知症の方に、この中鎖脂肪酸を与えることで、素早くケトン体にして脳細胞にエネルギーを送り、認知症状の改善をはかろうというのです。
ココナッツオイルには、この中鎖脂肪酸が多く含まれています。中鎖脂肪酸は、ココナッツやパームフルーツに含まれる天然の成分で、母乳や牛乳にも含まれている安全な成分です。
しかし、残念ながら、ココナッツオイル(中鎖脂肪酸)が、全ての認知症患者さんに効果があるということではないようです。
ココナッツオイル、摂取量はどのくらい??

ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は、製品によっても若干違いはありますが、だいたい60%前後です。
ココナッツオイル=中鎖脂肪酸というイメージがあるようですが、ココナッツオイルは、3割近く長鎖脂肪酸を含んでいるので、長鎖脂肪酸の特徴もあわせもった油でもあります。
健康維持や認知症予防に、ココナッツオイルを使う場合には、1日大さじ2杯位が目安といわれていますが、認知症患者さんが使う場合には、医師と相談なさった上で摂取量を決められるのがベストだと思います。
急に多く摂りすぎると、お腹がゆるくなる場合がありますので、最初は少量から始められたほうがいいと思います。
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ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は、食べた後すぐに分解されはじめ、エネルギーとなり、3時間ぐらいで脂肪分解の頂点を迎えます。
その後は、ゆるやかに分解されていき、最初に中鎖脂肪酸を摂りいれてから10時間ほどで分解が終わります。そこら辺も含めて、認知症患者さんが摂取する場合には、摂取する時間の間隔も配慮されたほうがいいと思います。
我が家の場合は、母の認知症の症状改善が主目的なので、中鎖脂肪酸の含有量が少しでも多いMCTのほうがいいという医師のアドバイスで、MCT(中鎖脂肪酸)パウダーを利用しています。
これは、エネルギーになりやすいMCT(中鎖脂肪酸)を使用した粉末油脂です。
ココナッツオイルは、3割近く長鎖脂肪酸も含んでいますが、MCTオイルやMCTパウダーの油脂成分は、長鎖脂肪酸油をまったく含まない中鎖脂肪酸油(MCT)100%です。
ココナッツオイルは、お店で購入できるという便利さがありますが、MCTの場合には、その点、通販での購入になるので面倒かもしれません。
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MCTパウダーは、無味無臭の粉末油脂なので、お味噌汁に入れたり、コーヒーに入れたり、おかずにふりかけたりと扱いやすい油脂です。MCTパウダーの場合は、1日40gが目安となっています。
MCTパウダーとMCTオイルを比べると、同じ量ならMCTオイルのほうが中鎖脂肪酸の含有量が多いです。MCTパウダーをお味噌汁に入れると少し色が白くなりますが、MCTオイルなら、色は変化しません。MCTオイルの場合は、1日30gが目安です。
ただし、MCTオイルは、一般の油と違い、炒め物や揚げ物には使えません。料理にふりかけたり、あえたりして使います。
その点、ココナッツオイルなら炒め物にも使えるので便利です。ただココナッツオイルは、約20℃~25℃(製品によっても差があります)以下で白く固まってしまいます。
たとえば前の晩に作りおきしたココナッツオイル入り料理を冷蔵庫に入れておくと、白く固まってしまいます。寒い冬の時期ですと、暖房を入れていない室内なら固まってしまうこともあります。ただ品質に変化はないので、また火を通せば、白く固まったものは液体化します。
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MCTオイル(MCTパウダー)の場合の凝固点は、日清オイリオに問い合わせたところ、マイナス5℃が凝固点ということなので、冷蔵庫の設定温度によっても異なりますが、通常なら白く固まることはありません。
MCT(中鎖脂肪酸油)は、最近注目され始めましたが、タンパク質ゼロで、エネルギーになりやすい油なので、昔から病院で、タンパク質調整の食事や高齢者の低栄養状態の改善などに使われてきたものです。
中鎖脂肪酸は、摂り始めた最初のうちは、下痢になることもあると聞いていたので、最初は小さじ1を1日2回から始めて、少しずつ増やしていきました。
飲み始めて、まだ日が浅いので、効果のほどは、はっきりとは分かりませんが、母が、中鎖脂肪酸を摂り始めて数日後に行った長谷川式認知症スケール(認知症の程度を測るテスト)は、今までで一番良い結果でした。

認知症治療の改善へ向けて、さまざまな取り組みが試みられているそうです。ドクターに聴いたところ、今はまだ治験段階ですが、上手くいけば、認知症を治す新しい薬が数年以内に出るかもしれないという話もあるそうです。

でも、どうなるかはまだまだ分かりませんが、どんな結果になっても希望は持って待っていたいです。
認知症患者は、2012年時点で約462万人、85歳以上では40%を超えます。
日本人の平均寿命は世界一ですが、皆が安心して高齢化社会を迎えられるように認知症の治療法が早く見つかってほしいです。
認知症の母が、実際に服用している認知症薬の効果や副作用については、別記事に詳しく書きましたので、よろしければご覧になってみてくださいね。
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アルツハイマー型認知症の症状!経験から対応の注意点を
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