インフルエンザの予防はビタミンC・Dがカギ!大量摂取の驚異の効果
毎年インフルエンザの流行時期になると多くの人たちがダウンするインフルエンザ。
インフルエンザの予防方法としてマスクや手洗いがよくあげられますが、それだけではインフルエンザの猛威に負けてしまうこともあります。インフルエンザの最大の予防方法は、なんといっても免疫力を高め、ウイルスに負けない体を作ることです。
そのために、我が家が実践してることは、ビタミン摂取!
我が家には、インフルエンザのハイリスク群である高齢の母がいるので、インフルエンザの予防対策には、人一倍気を遣っています。以前、母がインフルエンザにかかった時には、救急車で運ばれて大変な状態になりました。
それ以来、様々なインフルエンザ予防対策を試してきましたが、中でも、ビタミン摂取の方法は、かなり良い手ごたえを感じています。
そこで今回は、我が家が実践している「インフルエンザをビタミンで予防する方法」についてご紹介したいと思います。
ビタミンはインフルエンザ予防のカギ!

風邪・インフルエンザの予防のために、我が家が積極的に摂取してるビタミンは次の3つです。
◆ビタミンC
◆ビタミンD
◆ビタミンA
中でも、インフルエンザの予防の要となるのは、ビタミンCとDです。
ただし、インフルエンザの予防を目的とするなら、ビタミンCとDは、かなりの摂取量が必要になります。そのため食事だけでは不十分なのでサプリメントも活用します。
もちろん、ビタミンだけ摂っていても、インフルエンザは予防できません。免疫力を高めるためには、免疫細胞の原料であるタンパク質をしっかり摂ることが大切です。
タンパク質が不足すると、いくらビタミンを摂取しても、免疫力が落ちて風邪・インフルエンザにかかりやすくなります。タンパク質には、動物性と植物性とがありますが、免疫機能を高める効果が高いのは動物性タンパク質です。
バランスのとれた食事に、免疫強化にかかせないビタミンC+D+A を十分補給することで、ウイルスに負けない身体を作ることができます。
では、さっそくビタミンCから見ていきましょう。
ビタミンCの大量摂取でインフルエンザ予防

ビタミンCは、風邪・インフルエンザの予防にとても効果的です。しかも予防だけでなく、風邪・インフルエンザにかかったかなと思うごく初期に摂ると、重症化を防ぎ、早期に治癒する効果も期待できます。
ビタミンCが、風邪・インフルエンザなどの感染症に有効であることを示す科学的な報告には、次のようなものがあります。
- 活性酸素を消去する
- 免疫機能を増強する
- インターフェロン(抗ウイルス性タンパク質)の産生をうながす
- ウイルスを不活性化する
ただし、インフルエンザを効果的に予防するためには、厚労省が発表しているビタミンCの推奨量 100mg/日 では足りません。
では、風邪・インフルエンザの予防のためには、ビタミンCをどのくらい摂ればいいのでしょうか。

インフルエンザの予防を目的としてビタミンCを摂取する場合には、摂取量と摂取回数が重要なポイントになります。
- 摂取量
- 摂取回数
g単位で大量にとる
1日数回に分けてとる
インフルエンザの予防・治療のためには、1回に大量のビタミンCを摂取しても、一時的に血中のビタミンC濃度は高くなりますが、30分後には半減し、数時間後には元の値に戻ってしまいます。
ビタミンCの血中における半減期は短いので、血中濃度を低下させないためには、1日数回に分けてビタミンCを摂取することが必要です。つまり、4gのビタミンCを1日1回摂取するより、1回1gのビタミンCを1日4回摂取したほうが効果的なのです。
では具体的には、1日何gのビタミンCを、何回に分けて摂取すればいいのでしょうか。

ビタミンCの最適の摂取量は、個人差が非常に大きいため、各自で最適量は異なります。また同じ人であっても、加齢やその時の疲労状態や病気の深刻さによってもビタミンCの必要量は変わってきます。
それでも、だいたいの目安はあります。風邪・インフルエンザなどの感染症の予防・治療に必要なビタミンCの摂取量の目安は下記のとおりです。
【感染症の治療】
1日の総量(体重1kgあたり350mg)
体重60kgなら1回2gを1日10回、経口摂取
【感染症の予防】
1日の総量(体重1kgあたり70mg)
体重60kgなら1回1gを1日4回、経口摂取
ビタミンCの摂取量の目安はあっても、ストレスの多い人や喫煙者などは、更に多くのビタミンCを必要とします。

◆妊婦・授乳婦
◆喫煙者
◆深酒する人
◆薬を常用している人
◆疲れやすい人
◆ストレスの多い人
◆激しい運動や労働をする人
◆病気の人
◆高齢者
このように、ビタミンCの必要量は、個人の状態によっても違ってきます。
ビタミンCを大量摂取する場合の最適量は、個人差が非常に大きく、その量の違いは何十倍かの相違があるといわれます。
ビタミンCは、個人の最適量が分かりにくいという難点はありますが、最適量の目安をひと言でいうと、下痢を起こす一歩手前の分量ということになります。
ビタミンCを大量に経口摂取すると、お腹がゆるくなります。たとえば、健康な時にビタミンC10gを摂取すると下痢を起こす人でも、風邪・インフルエンザの時には、同じ分量のビタミンCを摂取しても下痢を起こしません。
その理由は、病気の深刻さに比例して、身体は多くのビタミンCを必要とするからです。
人は病気になると活性酸素が発生するため、酸化から身体を守るために多くのビタミンCを必要とします。重い病気ほど沢山のビタミンCを必要としますが、病気が回復へ向かうと、ビタミンCはそれほど要らなくなります。
身体が必要とする分量以上のビタミンCを摂ると、腸管のビタミンCレベルが高くなり、それを解消しようとして大腸壁から大量の水が腸管に流れ込み、下痢が起こります。
つまり下痢は、身体が必要とするビタミンCの分量を超えたというサインなので、下痢を起こす一歩手前のビタミンCの分量が、その人の身体が必要としているビタミンCの分量ということになります。
言い方を換えれば、ビタミンCを飲んでいても下痢を起こさない限りは、身体がまだビタミンCを必要としているということでもあります。
下記の表は、分子矯正医学で著名なカスカート医師の長年の臨床経験にもとづいて作られた腸管耐容量の数値です。あくまでも一般的な数値なので、この数値に当てはまらない人もいます。

風邪・インフルエンザの治療としてビタミンCを摂取するときには、腸管耐容量あたりの量まで達すると、症状が大きく改善するといわれています。治療におけるビタミンCの効果を劇的に高める閾値が、腸管耐容量のあたりにあるようです。
では次に、「ビタミンCで風邪・インフルエンザを早く治すとっておきの方法」についてご紹介しますね。もし、風邪・インフルエンザにかかっても、ごく初期にビタミンCを大量摂取すると、重症化を防ぎ、早く治すことができますよ!

- すぐにビタミンCをg単位でとる。
- これを30分~1時間おきに繰り返す。
- 何g飲めばいいかは個人差が大きいですが、1回1g~5gの摂取量で効果を感じる人が多い。
- ひきはじめを感じてからビタミンCを摂取するまでの時間が長くなると、ビタミンCの効果が薄れ、回復までの時間が長引く。
- インフルエンザの流行時は、出勤時にも常にビタミンCの錠剤を持ち歩くこと。
- ひきはじめの初期なら、普通はこれを何時間か繰り返せば、風邪なら抑えられ、インフルエンザの場合も半日から1日程で症状が楽になることが多い。
- ただし、症状がよくなってからもビタミンCの摂取は必要。摂取量は、状態に応じて、健康なときの摂取量に少しずつ戻していくこと。
では次に、実際のところ、ビタミンCにどのくらい風邪・インフルエンザの予防効果があるのかについてお伝えしますね。まずは、我が家のケースからご紹介します。
母は、以前にもビタミンCを飲んでいた時期はあったのですが、その当時は摂取量が少なかったこともあり、風邪やインフルエンザでよくダウンしていました。
ところが、ビタミンCの量を、1日8gに増やし、数回に分けて摂取するようになってからは、母は驚くほど風邪・インフルエンザにかかりにくくなりました。
それでも、たまに風邪かなと思われる症状が見られることもあります。そんな時は、いつもより多めにビタミンCを飲んでもらうと、いつの間にか風邪の症状が消えてしまいます。

以前の母なら、風邪をひくと、喘息が悪化してそのまま1~2か月は寝込むのが常でした。しかし、ビタミン摂取を始めてからは、まるで別人のようです。
ただ、8gの摂取量では、ショートステイ(お泊りサービスのこと)利用中に、母は風邪をひきかけることもあります。そこで母の最適量はもう少し上だと判断し、今は1日12gを飲んでもらって様子を見ています。量を増やしてからは、更に安定しています。
ビタミンCの大量摂取を始めてからは、母は調子が良く食欲も旺盛です。しかも、ビタミンCは利尿効果が高いため、むくみが取れて少しスッキリしたようで、体重も1kg減りました。ドクターから痩せるように言われてる母にとっては、まさに一石二鳥です。
また、ビタミンCには動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などを予防する働きもあるので、その点でも母にピッタリだと感じています。
そんな私が、ビタミンCの効果を強く感じるようになったのは、風邪をひいた時です。ビタミンCを飲んでいなかった時に、鼻水と喉の痛みに襲われ、風邪だと感じ、すぐにビタミンCを30分毎に、2gずつ摂取しました。
そうしたところ、ナント数時間程で風邪の症状が消えてしまったのです。私は一度風邪をひくと、1か月はダラダラと風邪の状態が続く人なので、これには正直驚きました。

また、ビタミンCを大量摂取していると、頭痛が治ったり、ストレスに強くなったり、シミが薄くなるなどの効果も感じました。意外だったのは、ビタミンCを大量に摂ると、頭の中がボーッとしていたのがスッキリしてくることです。
調べてみると、ビタミンCには脳の働きもよくする効果があるそうで、子供の知能指数も上げるそうですよ。
なぜなら、その時々で個人の状態が変わってくるからです。とても疲れた日とそうでない日とでは、必要量そのものが変わってきます。
毎日のそのサジ加減が難しいことと、食事やサプリメントによる経口摂取だけでは限りがあります。しかも、毎日何度も大量のビタミンCを摂取するのは、実際やってみると、かなり大変です。
そのため予防としてビタミンCを大量摂取するよりも、風邪・インフルエンザにかかったかなと思うごく初期に、ビタミンCを治療として大量摂取したほうが、忙しい現代人には向いてるかもしれません。
風邪・インフルエンザのごく初期に大量摂取すると、驚くほど短期間で治ります。
ただし、お金が幾らかかってもいいから、なんとしてもこの時期はインフルエンザを予防したいというときには、奥の手があります。次に、その奥の手をご紹介しますね。

ビタミンCは、ガンの治療にも使われます。ビタミンCには、正常細胞を傷つけずにガン細胞のみを選択的に死滅させる効果もあります。そのためガン治療のために、点滴で静脈に直接ビタミンCを投与する高濃度ビタミンC点滴療法を受けているガン患者さんもいます。
通常、ガン患者は、かなりの抗がん剤治療を受けているため白血球が減っており、非常に感染症にかかりやすくなっています。そのためガン患者は、感染症で亡くなることがとても多く、ガン患者の死因の8割は、なんらかの感染症が関連しているともいわれます。
ところが、日本で高濃度ビタミンC点滴療法を行ってる医師によると、ガン治療のために高濃度ビタミンC点滴療法を受けてるガン患者さんの場合は、インフルエンザの流行時でさえインフルエンザにかかる人が一人もいなかったというのです。

家族がインフルエンザで倒れても、本人は抗がん剤で免疫力が落ちているにもかかわらず、インフルエンザは勿論のこと、風邪、肺炎などの感染症に全くかからないといいます。いかにビタミンCの感染症の予防効果が高いかが分かります。
点滴でビタミンCを体内に入れた場合には、食事やサプリメントの経口摂取とは比べものにならないほど、一気にビタミンCの血中濃度が上がります。食事やサプリメントでビタミンCを摂取するだけでは、点滴療法で得られる血中濃度までもっていくのは不可能なのです。
ただし、高濃度ビタミンC点滴療法は、保険適用外なので料金が高く、1回1万円~2万5000円位かかるのが難点です。
海外では次のような事例も報告されています。
家族は、どうしても諦めきれず、最後の望みを托して、高濃度ビタミンC点滴療法を行うことを強く希望しました。

当時は、まだ一部の医師しか行っていない治療法だったため、専門の医師に相談し、ビタミンCを点滴で大量投与したところ、死を宣告されていた患者さんが、奇跡の生還を果たしたというケースも報告されています。
ネット上にも、ビタミンC療法を行った人たちの体験談が載っています。「ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く」という書籍へのAmazonのレビューページには、かなり濃い体験談が寄せられていますので、ご興味のある方は、こちらもご参考になさってみてください。
では最後に、ビタミンCを大量摂取した場合の気になる副作用についても、触れておきたいと思います。

ビタミンCを口から大量摂取することで起きる副作用は、便がゆるくなったり下痢を起こすぐらいで、深刻な副作用はありません(※ただし、高濃度ビタミンC点滴療法では下痢は起こりません)。
ビタミンCは、人間が健康を維持するために必要とされる必須栄養分であり、幼児が風邪・インフルエンザの予防や治療のために大量に摂取しても、なんの問題もなく安全です。
純粋なビタミンCは弱い酸性なので、胃を刺激するため、人によっては胃に不快感があるかもしれません。
そのような人は、ビタミンCのナトリウム塩(アスコルビン酸ナトリウム)、カルシウム塩(アスコルビン酸カルシウム)、マグネシウム塩(アスコルビン酸マグネシウム)などのミネラル塩を摂るといいでしょう。
また、サプリメントを摂るときには、空腹時を避けて食後に摂るようにするといいでしょう。
大量のビタミンCは腎臓結石をつくるどころか、腎臓結石のリスクを減らします。詳しくお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。
●国際オーソモレキュラー医学会ニュース
●統合医療でがんに克つ ビタミンCは腎臓結石を作らない!
では次に、ビタミンCと共に、インフルエンザの予防の要となるビタミンDについて、実際の予防効果がどのくらいあるのかを見ていきましょう。
ビタミンDでインフルエンザ予防

ビタミンDは、骨を強くするビタミンとして有名ですが、それ以外にも、免疫力を高め、風邪・インフルエンザなどの感染症を予防する効果があることでも注目されています。

小中学生334人を対象に臨床試験を行ない、半数にビタミンDのカプセル30μg(1,200IU)を3~4か月摂取してもらい、残りの半数にはビタミンDの入っていない偽薬カプセルを摂取してもらいました。
その結果は、ビタミンD入りグループのインフルエンザ発症率は10.8%、ビタミンDなしのグループは18.6%で、ビタミンD30μg(1,200IU)の摂取によりインフルエンザの発症リスクが約半分に減ったそうです。
インフルエンザの予防接種をしても約半数はインフルエンザにかかるそうですから、それを考えると、ビタミンDのインフルエンザの予防効果はかなりのものですよね。
ビタミンDには、さまざまな細菌、ウイルス、真菌などの病原体に対する免疫力を高める作用と抗炎症作用があるため、インフルエンザなどの感染症を予防する効果があると考えられています。
ビタミンDは感染症の予防だけでなく、その他の様々な病気にも効果が期待されており、近年最も注目されているビタミンでもあります。
- 感染症予防(風邪・インフルエンザ・結核など)
- ガン予防(発症リスクの低下、ガン診断後の生存率の増加)
- 糖尿病予防
- 骨粗しょう症の予防
- 花粉症などの各種アレルギー予防
- 季節性うつ病や統合失調症の予防
- 自閉症の予防
上記の他にも、ビタミンDが不足すると、認知症やアルツハイマー病の発症リスクを高めるという研究報告(米国神経学会)もあり、ビタミンDと認知症との関係の更なる研究が期待されています。
このように、ビタミンDはインフルエンザの予防をはじめ、私たちの健康に欠かせない大切なビタミンですが、インフルエンザが流行する冬は特に、ビタミンD不足になる人が多くなります。
では、なぜ冬にビタミンDが不足しやすいのでしょうか。

ビタミンDのとり方には、次の3つの方法があります。
2 サプリメントからとる
3 日光を浴びる
ビタミンDは、食物やサプリメントからも摂取できますが、ビタミンCなどの他のビタミン類と違うところは、ビタミンDは日光を浴びることによって、体内で合成されるという点です。
日光に当たり、紫外線が皮膚に吸収されることによってビタミンDが作り出されます。つまり紫外線量の少ない冬には、どうしても血中のビタミンD濃度が低くなります。
そして一年のうちでも最もビタミンDの血中濃度が低くなる時期と、インフルエンザの発症のピークとは一致するという驚くべき研究報告もあります。
紫外線量は緯度の違いによって変わってくるため、沖縄と北海道を比べると、冬は特にビタミンDの生成量にかなりの違いが出てきます。
では、季節や地域によって、日光から作られるビタミンDの量がどれほど違うのかを見てみましょう。

国立環境研究所と東京家政大学の研究チームが、成人に必要なビタミンD摂取量 5.5 μgを生成するために必要な日光浴の時間を、3地点(札幌・つくば・那覇)で調べた結果が下記の表です。

上記の数値からも分かるように、夏の強い日差しでは、短時間でビタミンDの必要量が生成されます。しかし、インフルエンザが流行する冬は紫外線量が減り、緯度の高い地域は特に、日光からだけでは、なかなかビタミンDが作られないことが分かります。
この調査は、晴天下での数値なので、実際は曇りや雨の日もあるため、時間は更に長くなります。
また、この調査で目安としたビタミンD 5.5㎍ の量では、インフルエンザの予防という観点から見ると不十分なので、さらに長時間日光に当たる必要があります。しかし、現実問題、北国の氷点下の冬の世界で、長時間屋外にいることは困難です。
そのため、高緯度に位置する北欧諸国などでは、日光浴からだけでは十分なビタミンDが生成されないため、ビタミンDのサプリメントの摂取が積極的に行われています。

20~69歳の男女100名の血液検査の結果は…
【女性の場合】
- 4人に3人がビタミンD不足状態
- 4人に1人が深刻なビタミンD欠乏状態
オゾン層破壊の問題から、紫外線は有害であるとの意識が広まり、日光をできるだけ浴びないようにする風潮が広まってきたことや、女性の場合は、シミ・しわの原因となる紫外線をカットする化粧品の普及などにより、私たち日本人は年々ビタミンD不足が進んでいます。
ちなみに室内でどんなに日光を浴びてもビタミンDは生成されません。なぜならビタミンDを皮膚で生成する紫外線UV-Bは、ガラスに吸収されてしまうからです。
また冬は、手袋などの防寒具で体を覆うため、紫外線が当たる部分は顔だけになることが多く、その顔の部分も、女性の場合、日焼け止め効果のある化粧品を使うと、UV-Bを大幅にカットしてしまうので、ビタミンDは、ほとんど生成されません。
さらに高齢者は、皮膚でのビタミンDの生成効率が低下し、ビタミンDを活性型に変換する腎機能も低下しているため、ビタミンD不足になりがちです。
また近年の調査では、新生児の5分の1にビタミンD欠乏症が見られたという報告もあります。妊婦・授乳婦は、特にビタミンD不足にならないように注意が必要です。

ビタミンDが不足しやすい人は、次のような人です。
- オフィスで終日働いている人
- 昼夜逆転生活の人
- 緯度が高い地域に住んでる人の冬場
- UV関連の化粧品をよく使う人
- 皮膚でのビタミンDの生成量の少ない高齢者
- 色黒の人
ビタミンDは、紫外線を浴びることによって作られるため、色黒の人は色白の人と比べるとメラニン色素が多いため、ビタミンDの生成効率が低くなります。
ところが、食べ物からだけでは、インフルエンザ予防に十分なビタミンDを摂取することが、なかなか難しいという問題があります。
では、まず、どんな食品にどのくらいのビタミンDが含まれているのかを見てみましょう。

食べ物に含まれるビタミンDには、植物由来のビタミンD2と動物由来のビタミンD3があります。
ビタミンD3 動物由来(身欠きにしん、いわし、紅鮭、筋子、シラス干しなど)
食品中のビタミンD2の生理学的な効力は、ビタミンD3の40~50%といわれているので、できるだけビタミンD3を多く含む食品やビタミンD3のサプリメントをとることをお勧めします。(出典 がん予防に実は日光浴が有効なわけ 平栁 要著)
ビタミンDを多く含む食べ物はとても少なく、魚・魚卵や、きくらげなどのキノコ類などに含まれますが、野菜には全く含まれておらず、肉類・穀類にもほとんど入っていません。
そこで活躍するのが、ビタミンDのサプリメントです。
では、インフルエンザ予防には、食べ物とサプリメントでどの位のビタミンDを摂取すればいいのでしょうか。

ビタミンDは、脂溶性で体内に蓄積されるため、過剰症にも注意が必要なビタミンです。そのため高用量のビタミンDサプリメントを連日摂取しつづけた場合には、高カルシウム血症となり、吐き気、嘔吐、しびれ、感覚障害、脱力感、不整脈などの症状を引き起こす場合もあります。
そうならないためには…
◆食べ物+サプリメント+紫外線B波から合成されるビタミンD量の合計で過剰症にならないことが大切です。
◆ビタミンDはビタミンD3換算で、1日あたり4,000 IUくらいまでは安全と考えられています。
中には、ビタミンD3を10,000 IU/日を6か月間摂取しても安全であるという研究報告もあるそうです。
国際オーソモレキュラー医学会によると、ビタミンDの経口摂取の適正量については、次のように発表しています。
引用:国際オーソモレキュラー医学会ニュース
- 最適な健康状態のためには30~40 ng/mLを超える血清25(OH)D値が必要であり、紫外線B波のかなりの暴露がない場合、こうした値に達するためには、1,000~4,000 IU/日のビタミンD3が必要となる。
- 北米や欧州に住んでいる人はすべて、冬期は1,000~4,000 IU/日のビタミンDをサプリメントで取るべきである。
- 皮膚の色が濃い人や事務仕事をしている人は、一年中ビタミンDを摂るべきである。
http://www.iv-therapy.jp/omns/news/21.html
我が家は、北国に住んでいて紫外線B波の暴露がほとんどない生活なので、日照量が減る秋から冬にかけては、食事とサプリメントで、4,000 IU/日のビタミンD3を摂取するようにしています。
インフルエンザの予防に必要なビタミンDの摂取量は、住んでいる地域や日光の当たる生活環境かどうかによっても異なってきます。
一番いいのは、病院で血中ビタミンD(25(OH)D)濃度を調べてもらうと、自分に本当に必要なビタミンD摂取量が分かります。
普通の血液検査の項目には入っていませんが、血中ビタミンD濃度を調べてほしいと医師に言うと、調べてもらえます。過剰症が心配な方も、血液検査をするといいですよ。
また、ビタミンDは脂溶性なので、油と一緒に摂ると吸収率がよくなります。そのため、サプリメントを摂る場合には、食後に摂ったほうが効率よく摂取できます。
ビタミンAが不足するとインフルエンザにかかりやすい

ビタミンAは、皮膚やのど、鼻、肺、消化管などの粘膜を正常に保つ働きをするため、感染症を予防し、免疫力を高めることにも役立っています。
そのため、ビタミンAが欠乏すると、風邪・インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。ビタミンAは、日本人が不足しやすいビタミンでもあります。
ビタミンAは脂溶性のため、とり過ぎると体内に蓄積し、脳圧亢進(嘔吐や頭痛などの症状)、骨障害、脂肪肝などの過剰症を起こします。妊娠初期にとり過ぎると、胎児の奇形が増えることも確認されています。
成人男性 850~900 μgRAE/日
成人女性 650~700 μgRAE/日
上限あり 2,700 μgRAE/日
動物性食品に多く含まれるビタミンAは、どのような食べ方でもよく吸収されるため、食べ過ぎると過剰症の心配が出てきます。
その点、緑黄色野菜に多いβカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるので過剰症の心配は要りません。
ただし、ビタミンAは脂溶性のため、緑黄色野菜を食べるときには、生よりは油脂といっしょに調理して食べると、小腸での吸収率が高まります。
我が家の場合は、食事からビタミンAの必要量は摂取できるため、ビタミンAに関しては、ほとんどサプリメントは使いません。
おわりに

風邪・インフルエンザの予防に、ビタミンがいかに大切かを見てきましたが、かといってビタミンだけを摂取していればインフルエンザにかからないということではありません。
タンパク質が不足してしまうと、免疫力が落ちて、ウイルスや細菌に感染しやすくなります。大切なのは栄養バランスのとれた食事をし、その上で、免疫強化に特に必要なビタミンC+D+Aもしっかり摂ることです。
バランスの良い栄養を心がけ、免疫力を高めて、ウイルスに負けない身体を作っていきましょう!
参考書籍
- さらば風邪薬!ビタミンCで風邪を追放 ライナス・ポーリング著
- ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く 生田哲著
- 超高濃度ビタミンC点滴療法 水上治著
- ビタミンCはガンに効く 澤登雅一著
- 新ビタミンCと健康 21世紀のヘルスケア 村田晃著
- ビタミンCの事典 石神昭人著
- インフルエンザにかからない体質の作り方 村上一裕著
- がん予防に実は「日光浴」が有効なわけ ビタミンDの驚きの効力 平柳要著
- 栄養の基本がわかる図解事典 中村丁次監修
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