脳梗塞を予防する食べ物・飲み物!発症や再発を防ぐ食事とは
私の父は脳梗塞を発症した後、様々な後遺症が残ったために寝たきり生活となりました。脳梗塞の怖いところは、生命を脅かすだけでなく、つらい後遺症が残ったり寝たきりに繋がることです。
「寝たきり」になる原因では、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)がダントツの1位です。
さらに、「寝たきり」の原因2位の認知症の中には、脳血管障害が原因のものが2割含まれるので、それを合わせると「寝たきり」になる原因の約4割が、脳卒中によるものです。
脳卒中の中でも、脳梗塞は脳卒中全体の約75%も占めています。
脳梗塞は突然襲ってくる脳の病気のように思いがちですが、実際は長年の生活習慣が引き金となって起きる血管の病気です。
つまり、脳梗塞は、日常生活や食事を改善することによって十分予防が可能な病気なのです。
そこで、脳梗塞の発症や再発を防ぐためには、どんな食べ物・飲み物が効果的なのか、食生活の面から脳梗塞の予防について、まとめてみました。
前半では、脳梗塞の予防に効果的な食べ物について、後半では脳梗塞予防に効果的な飲み物について取り上げています。
脳梗塞の予防に効果的な飲み物からご覧になりたい場合は、目次の4をクリックすると、そこにジャンプしますので、お好きなところから自由にご覧くださいね。
脳梗塞は危険因子の管理で8割以上予防できる!

脳梗塞の発症や再発を防ぐためには、その危険因子を知っておくことが大切です。
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 心房細動(不整脈の一種)
- 喫煙
- 多量飲酒
- 肥満(メタボリックシンドローム)
- 運動不足
- ストレス
- 加齢
これらの危険因子をたくさん持っている人ほど、脳梗塞になる危険性は高くなります。
危険因子のうち治療できるものはきちんと治療し、禁煙、食生活、運動など日常生活を見直すことによって、これらの危険因子をしっかり管理できれば、脳梗塞の8割以上は予防できると考えられています。
では、脳梗塞を予防するためには、どのような食事のとり方をすればいいのかを次に見ていきましょう。
脳梗塞を予防する食事のとり方

脳梗塞を予防する食事のとり方のポイントは、血栓ができにくいように、「ドロドロ血液」を「サラサラ血液」に変え、しなやかな血管を維持できるような食生活にすることです。
- 食べ過ぎず、腹八分目の食事
- 栄養バランスのとれた食事
- 夜食やまとめ食いはNG!規則正しく食べる
- 塩分は1日 6g未満を目標に
- 血液をサラサラにする新鮮な青魚を積極的に食べる
- ビタミン・ミネラルをたっぷり摂る
- 食べる順番を変えて食後血糖値を急上昇させない
- お酒は決められた量を守る
- 就寝前・起床後に、コップ1杯の水を飲む

では具体的に、どのような食べ物が脳梗塞を効果的に予防するのかを次に一緒に見ていきましょう。
脳梗塞を予防する食べ物
★EPA・DHAを多く含む青魚を積極的に食べる

EPAやDHAなど魚の脂に含まれている不飽和脂肪酸は、血液を固まりにくくし動脈硬化の進行を抑え、血液をサラサラにする効果があります。
EPA・DHAは、イワシ、サバ、サンマ、アジなどの青魚に多く含まれていますが、不飽和脂肪酸は酸化しやすいという欠点があるため、鮮度の落ちているものは避け、新鮮なものを早めに食べるようにしましょう。
作 用 | 多く含む食べ物 | |
---|---|---|
EPA | ・血栓をできにくくする ・高血圧の改善 | イワシ、サバ、サンマなど |
DHA | ・中性脂肪の増加を抑制 ・善玉コレステロールを増やす | マグロ・サバ・はまちなど |
しかし、母は今、病院で「ロトリガ」というEPA・DHA剤をもらって飲んでいます。

このロトリガの良い点は、市販のEPA・DHA剤と比べると、値段がとても安いこと(保険適用となった場合)と、EPA・DHAの含有量が市販品より豊富なところです(ロトリガ2g に、DHA 750mg, EPA 930mg 含有)。
「ロトリガ」は、特に中性脂肪が高めの方に使われるお薬ですが、どんな薬にも、効能と共に副作用が出る場合もありますので、詳しくは、かかりつけ医にご相談なさってください。
ただし、α-リノレン酸は熱に弱く、酸化しやすいという性質があります。酸化した油は、動脈硬化の原因になります。
そのため「えごま油」を使うときには、早めに使い切ることと、熱を加える調理には使わないようにしましょう。
★納豆は血栓を溶かす

納豆のネバネバ部分に含まれるタンパク質分解酵素のナットウキナーゼは、血栓を溶かし血液をサラサラにする効果があります。
納豆の血栓を溶かす力は、薬に匹敵するほどとの報告もあるほどですが、注意しなければいけないのは、ワルファリン(抗凝固薬)を服用している人は、納豆を食べてはいけないという点です。
ワルファリンはビタミンKの働きを阻害して血栓をできにくくする薬ですが、納豆にはビタミンKが含まれているので薬の効果を弱めてしまいます。
ビタミンKは、緑黄色野菜や青汁、クロレラなどの健康食品にも多く含まれてるので、ワルファリンを服用している人は注意してください。
ただし、ビタミンK非依存性の抗凝固薬ならば、納豆などのビタミンKを含む食品も自由に食べられます。
★海藻類・きのこ類を積極的にとる
食物繊維は大きく分けると、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分けられます。
性 質 | 多く含む食品 | |
水溶性食物繊維 | ネバネバ・ヌルヌルしている。便通を改善する。 | 昆布・わかめ・大麦・ライ麦・ドライフルーツ・らっきょう・納豆・アボガドなど |
不溶性食物繊維 | 水分を吸収してふくれる性質がある。大量摂取で便秘になる。 | 穀類・野菜・豆類など |
例えば、海藻類に多く含まれるアルギン酸は、腸の中でナトリウムと結合して排出を促すので、高血圧の予防に効果があります。

また、きのこ類(まいたけ・しいたけ・エリンギ・なめこなど)や大麦に含まれる βグルカンには、コレステロール値を下げる働きがあります。
健康を維持するためには、成人1日あたり男性 20g以上、女性 18g 以上の食物繊維を摂ることが目標とされます(厚労省 日本人の食事摂取基準2015年版)。
ただし、サプリメントで食物繊維を補いすぎると、ミネラルも排出してしまうことがあるため、ゆでる、蒸すといった調理法で、なるべく普段の食事から多く摂取するようにしましょう。
★オレイン酸は悪玉コレステロールを減らす

調理に使う油は、オレイン酸を多く含むオリーブオイルがお勧めです。オレイン酸は、オリーブオイルに多く含まれる一価不飽和脂肪酸です。
料理にオリーブオイルを多用する地中海沿岸地方では心疾患が少ないことから、オレイン酸の効果に注目が集まるようになりました。
オレイン酸は、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを減らす働きがあります。また便秘を解消する効果もあります。
オレイン酸は、オリーブオイル以外にも、マカダミアナッツやアーモンド、カシューナッツなどのナッツ類にも多く含まれています。
ただ、市販品には、エクストラバージンオイルのニセ物も多いです。本物とニセ物との見分け方は、こちらの過去記事をご参考になさってくださいね。
→ ◆便秘解消にオリーブオイルが効果的♪オリーブ納豆でスッキリ快便♪
★抗酸化作用の高い食べ物をとる

過剰となった血中コレステロールは「酸化」して血管壁にこびりつき、動脈硬化の原因となります。この酸化を抑えてくれるのが抗酸化食品です。
ビタミンC・ビタミンE・ビタミンAには、高い抗酸化作用があります。
<抗酸化ビタミンを効率的に摂取する方法>
ビタミンA | 脂溶性ビタミンなので油で炒める |
ビタミンC | 熱に弱く水に溶けやすいので、加熱するときは煮るより短時間でサッと炒めたほうがいい |
ビタミンE | ビタミンC、B2、セレンなどと一緒にとる |
●アスタキサンチン・・紅鮭
●リコピン・・トマト
●サポニン・イソフラボン・・大豆
●アントシアニン・・ブルーベリー
●ルチン・・そば
野菜や果物、大豆には、脳梗塞の予防に効果的な抗酸化物質が豊富に含まれているので、動脈硬化対策として積極的に活用しましょう。
★マグネシウム不足は高血圧の引き金になる
マグネシウムは、骨や歯を形成するとともに、体内の様々な代謝を助けており、血液循環を正常に保つのに重要な役割を果たしています。また、マグネシウムには、カルシウムによる血液凝固作用を阻止する働きもあります。
マグネシウムが不足すると高血圧の引き金になりかねません。

- ワカメなどの海藻類、大豆、ゴマ、アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツなど
マグネシウムはカルシウムと一定の割合を保ちながら、血管の収縮・拡張をコントロールしています。しかし、マグネシウムが不足し、そのバランスが崩れると、心疾患や不整脈を起こしやすくなります。
日本人は食事から摂取するマグネシウムの量が不足しています。しかも、ストレスやアルコールの飲み過ぎ、精製された白米やお菓子の食べすぎで、さらにマグネシウム不足になるおそれがあります。
ストレスの多い時には、マグネシウムやカルシウムが尿中に排泄されてしまうため、特に意識してマグネシウムやカルシウムを多く含む食べ物を摂るようにしましょう。
★カリウムの不足は高血圧を引き起こす

近年、カリウム摂取量を増加することによって、血圧低下、脳卒中予防につながることが、動物実験や疫学研究によって示唆されています。(引用 厚労省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書)
高血圧対策においては、減塩と同時に「カリウム」を積極的に摂ることも大切です。なぜなら、カリウムは、体内の過剰な塩分(ナトリウム)を尿と一緒に体外へ排出する働きがあるからです。
カリウムは野菜・芋類・海藻類など、様々な食べ物に含まれており、たとえ摂り過ぎたとしても尿中に排泄されるので普通の食生活で過剰摂取になることはありません。
ただし、腎臓病を患っている人は、カリウムのとり過ぎが不整脈の原因となることがありますので、主治医の指示に従ってください。
★毎日の味噌汁は、女性の脳梗塞や心筋梗塞を予防する

味噌汁は塩分が多いので、避けられていた時期もありました。しかし、2013年日本高血圧学会総会で、味噌汁を飲んでも飲まなくても、味噌汁の摂取頻度と血圧とには関係性がないことが発表されました。
つまり、味噌汁を飲んでも、味噌汁の塩分によって血圧は上がらないということです。
味噌汁の具材には、豊富なカリウムが含まれています。カリウムは水に溶けやすい性質がありますが、味噌汁なら汁ごと飲めます。また味噌汁の具材に使われるワカメ・豆腐・油揚げなどには、マグネシウムも豊富です。
カリウムやマグネシウムの一部は煮汁に溶けてしまいますが、これを丸ごと摂ることができる味噌汁は、余分な塩分を体外へ排出してくれるので、血圧を下げる効果があります。
さらに、味噌の原料である大豆には、イソフラボンが豊富に含まれています。
日本人を対象にした大規模調査によると、「大豆イソフラボンは、日本人女性の脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを下げる」という調査結果が出ました。(参考:多目的コホート研究からの論文)
特に、閉経後の女性にその傾向が顕著でしたが、男性には、その関連性は見られなかったようです。大豆イソフラボンの1日の摂取量の目安の上限値は、75mg です。
ただし、この上限値は、毎日欠かさず長期間摂取する場合の平均値としての上限値なので、この量を超えたからといって、直ちに健康被害に結びつくわけではありません。
イソフラボンはサプリメントなどで過剰摂取すると、女性ホルモンのバランスが崩れる可能性があり、子宮内膜増殖症などのリスクが高まるという報告もあります。
その点、豆腐、納豆、煮豆、みそなどの食品を通常の食事で食べる分においては、健康への悪影響はないといわれています。(参考:厚生労働省 大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A)
大豆のタンパク質は、大豆そのものを食べるよりも、味噌で食べたほうが消化吸収しやすいという特徴があります。
女性、特に閉経後の女性は、脳梗塞・心筋梗塞を予防するためにも、毎日の味噌汁が効果的です。
★葉酸は脳梗塞の原因となるホモシステインを抑制する
動脈硬化の予防には、葉酸やビタミンB6、B12 などのビタミンB群をとることも大切です。
葉酸はビタミンB群の一種ですが、この葉酸が不足した状態が続くと、アミノ酸の一種である「ホモシステイン」が血中に増えて、悪玉LDLコレステロールと結びついて動脈硬化を促進させます。

- レバー・枝豆・モロヘイヤ・ほうれん草・納豆・ブロッコリー・いちご・アボガドなど
葉酸を含む食品はいろいろありますが、食べ物からは、なかなか摂取しにくいという難点があります。
- 熱や水に弱く、調理の段階で破壊されてしまう
- 人体への吸収率が悪い(平均吸収率50%程)
★魚介類に含まれるタウリンは血圧の上昇を抑制する

タウリンには交感神経を抑制する作用があり、血圧が上昇するのを防ぐ働きがあります。
タウリンは水溶性なので、ゆでるよりも生で食べたほうが効率よく摂取できます。貝類は酒蒸しにするなど、煮汁も一緒に摂れるような食べ方がお勧めです。
- サザエ、牡蠣、ホタテ、アサリ、カツオ、鰤、タコ、イカなど
★玉ねぎは血液をサラサラにし血圧を下げる

玉ねぎをみじん切りにした時、目にしみる原因でもある「硫化アリル」は、血液を固まりにくくし、血栓ができるのを防ぐ働きがあります。
さらに血中の余分なコレステロールを排出し、毛細血管を広げて血液の流れを改善する効果もあります。
また、玉ねぎにはポリフェノールの一種である「ケルセチン」も豊富に含まれており、この成分は抗酸化作用にすぐれ、血管を丈夫にし、高血圧の予防に効果的です。
★トランス脂肪酸は心疾患のリスクを高める

菓子パン・ケーキ・スナック菓子・揚げ物などに多く含まれているトランス脂肪酸は、善玉のHDLコレステロールを減らし、悪玉のLDLコレステロールを増やします。
日常的にトランス脂肪酸を多く摂り過ぎると、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるという報告もあります。
アメリカではニューヨーク州の11の郡で、2007年からトランス脂肪酸の使用を制限し始めたところ、循環器疾患(心筋梗塞や脳卒中)による入院率が低下したことが報告されています。
日本では、トランス脂肪酸の摂取量はアメリカほど多くないとして制限されていませんが、脂肪の多い食品など偏った食生活をしている人は十分注意してください。
では次に、脳梗塞の予防に効果的な水分の摂り方について見ていきたいと思います。
脳梗塞の予防に効果的な水分の摂り方
血液をサラサラに保つためには、水分補給も大切です。特に、夏場や運動後、入浴後、下痢や嘔吐などの後は、脱水症状になりやすいので、水分補給を心がけるようにしましょう(注:夏は脳梗塞が最も多く発症する季節です)。
また、人は寝ている間も汗をかきます。就寝前と起床後のコップ1杯の水は、脳梗塞予防にとても効果的です。

脳梗塞の発症は、早朝6時頃から午前中の早い時間帯に極めて多く発生しています。
これは睡眠中の発汗によって体内の水分が不足してしまい、血液が粘り気を帯びてドロドロになり、血管が詰まりやすくなっていることが原因です。
また、この時間帯は血圧が変動しやすい時間帯でもあるので、脳梗塞を発症しやすい状態になっています。そのため、起床後はまず水を飲むとともに、血圧を急上昇させないような行動を心がけるようにしましょう。

水分をどの位摂ればいいかの目安は、食べ物から摂取する水分もありますので、普段は1日に約1~2㍑(体の大きさによっても適量は異なる)に、夏場は発汗の分も補給するようにします。
脳梗塞の予防に水分補給が大切だからといって、水分を過剰に摂りすぎると体内の電解質のバランスを崩してしまいます。
ちなみに、サウナや真夏の炎天下でのスポーツは、脱水状態を招き、脳梗塞になる危険性が一気に増しますので注意が必要です。
では次に、具体的にはどんな飲み物が脳梗塞の予防に効果的なのかを一緒に見ていきましょう。
脳梗塞の予防に効果的な飲み物とは
コーヒー・緑茶は、脳梗塞予防に有効?

コーヒーや緑茶は、カフェインを多く含みます。その利尿作用で排泄される水分量が増えたり、カフェインの摂り過ぎが、不整脈や不眠などに繋がるとされ、以前は推奨されていませんでした。
しかし、その後の研究では、コーヒーや緑茶が、脳梗塞の発症リスクを1~2割下げるという研究報告や、コーヒーが血栓を作りにくくするというマウスでの実験結果などが報告されています。
これは、コーヒーに含まれるクロロゲン酸などのポリフェノールや、緑茶に含まれるカテキンなどのポリフェノールが、動脈硬化を抑える働きがあるためと考えられています。
また、コーヒーは、カフェインを多く含むため利尿作用により排泄量が増えますが、習慣的にコーヒーを飲んでいる人は、それによって体内の水分量は減らないとする研究報告もあります。

コーヒー・緑茶が脳梗塞の発症リスクを、ほんの少し下げるとはいえ、カフェインを摂ると、夜眠れなくなる人もいると思います。
1日に250mg 以上のカフェインを摂ると、夜中に目が覚める回数が多くなることが、睡眠の実験結果から分かっています。ドリップコーヒーなら2~3杯で250mg のカフェイン量を超えてしまいます。
ただし、カフェインの感受性には個人差があります。カフェイン感受性の違いは、カフェインの代謝にかかわる遺伝子などによっても異なってきます。
コーヒーが好きだけれど、夜中熟睡できない人の場合は、カフェイン抜きのコーヒー(デカフェ)がいいかもしれません。
黒豆茶

黒豆茶は、中国では古来より不老長寿の薬として珍重されてきました。黒豆茶には、血液をサラサラにし脳卒中を防ぐ作用があります。黒豆茶は自宅でも簡単に作れて保存が利きます。
- 黒豆をサッと洗って水気をふき取る。
- 1を中火で10分ほど乾煎りする。皮がはじけ、皮の中の色がキツネ色になってきたら火を止める。
- 2の粗熱がとれたら、密閉容器で保存する。1週間をめどに使い切る。
- 大さじ1杯分の煎った黒豆をきゅうすに入れ、熱湯400mlを注ぐ。そのまま3分程おいてから湯飲みに注ぐ。1日の摂取量の目安は、2~3杯。
そば茶
そば茶は血液をサラサラにし、高血圧・動脈硬化の予防に効果があります。そば茶に含まれるポリフェノールの一種である「ルチン」には、血圧降下作用や毛細血管を強化し、血流の流れをよくすることで動脈硬化を予防する作用があります。
ただし、そばアレルギーの方は、飲まないようにしてください。
麦 茶

麦茶の香ばしい匂いの成分であるアルキルピラジンには、血液をサラサラにする効果があります。
水と麦茶を飲んだ後の血液流動性の向上作用の違いを比べた実験では、水では血液流動性は変化なしでしたが、麦茶は飲んだ後は、約90分も血液流動性向上の効果が持続するという実験結果が出ました。
つまり麦茶は飲んだ後、約1時間半も血液のサラサラ効果が続くということです。また、麦茶には体を冷やす作用もありますので、夏の熱中症対策にも効果的です。
ちなみに、黒豆茶、そば茶、麦茶は、すべてカフェインを含みません。
レモン水

ミネラルウォーターにレモンの絞り汁を入れて自家製レモン水を作って飲む方法もオススメです。
レモンに含まれるビタミンCやポリフェノールは、抗酸化作用が高く動脈硬化を抑える働きがあります。また、レモンに含まれるクエン酸には、疲労回復効果もあります。
さらに、レモンに含まれるポリフェノールの一種であるエリオシトリン(レモンの黄色の色素)には、中性脂肪を抑制したり肥満を防止する効果もあります。
エリオシトリンは水に溶けやすく、特に皮に多く含まれているので、レモンを切ってミネラルウォーターに入れて飲むといいですよ。作ったレモン水は冷蔵庫に保存し、1日以内に飲み切りましょう。
ただし、水道水で作ると、レモンに含まれるビタミンCの効果が、塩素でなくなってしまいます。そのため、ミネラルウォーターか浄水器などで塩素を除去した水を使ってくださいね。

脳梗塞とアルコールの関係

脳梗塞とアルコールの関係を調べた調査によると、大量飲酒をする人が最も脳梗塞のリスクが高く、たまに飲む人よりも毎日少量を飲む人のほうがリスクは低いと報告されています。
だからといって、お酒を飲んだほうがよいというわけではありません。あくまでも、飲むなら「少量」がポイントです。
お酒には利尿作用があるので、たくさん水分をとっているつもりでも、体は脱水を起こしやすくなっています。その結果、血液が粘り気を増し、血栓ができやすくなるのです。
たとえば「赤ワイン」は心臓病の予防に良いといわれてきましたが、「赤ワインを常飲すると、ガンの罹患率が168%増える」とフランス国立がんセンターが発表しました。
それを受けてフランス政府も、赤ワインをあまり飲まないようにと禁酒キャンペーンを行ったほどです。赤ワインで心臓病の予防ができても、ガンになる可能性を上げてしまっては、元も子もないですよね。
- ビール中瓶1本 (500ml)
- 日本酒1合 (180ml)
- ウイスキーダブル1杯 (60ml)
- 焼酎コップ1/2杯 (100ml)
- ワイングラス2杯弱 (1杯 120ml)
お酒に弱い人や、女性、高齢者はこれより少ないほうが望ましい。
量だけでなく、ゆっくり飲むことも意識すること。
寝つきをよくするための寝酒は、やめるべきです。
ただでさえ脱水状態になりやすい睡眠中に、利尿作用のあるアルコールを飲むと、脱水がひどくなって脳梗塞を引き起こす誘引となりかねません。
また、発作性心房細動のある人は、飲酒によって発作が起こしやすくなります。
さらに、血栓ができるのを防ぐためにワルファリン(抗凝固薬)を服用している場合は、飲酒によって出血性の合併症を引き起こしやすいので要注意です。

まとめ

脳梗塞の発症や再発を防ぐためには、ドロドロ血液をサラサラ血液に変え、血栓ができないようにする予防策が必要です。
食生活の面においては、塩分を控え、食べ過ぎず、ビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含む食べ物や青魚を積極的にとるようにしましょう。
反対に、食べすぎに注意したいのは、ベーコンなどの加工肉、バター、お菓子、甘みの強い果物などです。
脳梗塞は再発の危険がある病気です。発症後1年以内に約10%の人が再発を起こし、半数の人は10年以内に再発を起こすというデータもあります。
脳梗塞になると、ご本人だけでなく、ご家族も人生が大きく変わってしまいます。そうならないように、脳梗塞の危険因子の管理を、食生活の面からもしっかり行っていきましょう。
参考書籍
- 脳梗塞の予防がよくわかる最新知識 内山真一郎著
- 自分で防ぐ・治す脳梗塞 監修 帯津良一・林泰史・金丸和富
- 脳出血も脳梗塞も自力で防ぐ知恵とコツ 編者 主婦の友社
- 脳梗塞 最新治療・再発予防・リハビリのすべて 岡田靖監修
- 脳梗塞の予防・治療と生活のしかた 内山真一郎著
- 脳梗塞の治し方・防ぎ方 岡田芳和著
- 脳卒中 治療後・退院後の生活・リハビリ・食事 下正宗監修
- 脳梗塞の防ぎ方・治し方 高木誠監修
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