インフルエンザでお風呂いつからOK?年代別の考え方と感染の可能性
インフルエンザに感染して高熱を出すと、汗をびっしょりかきますよね。そんな時、お風呂に入ってサッパリしたいと思うこともあるでしょう。
でも、インフルエンザの時って、お風呂に入ってもいいのかどうか迷うことも多いと思います。特に、お子さんがインフルエンザのときは、お風呂に入れても大丈夫かなと不安に思うママ・パパも多いでしょう。
また、お風呂場は密閉された空間なので、インフルエンザに感染してない人にとっては、「ひょっとしてお風呂場でインフルエンザに感染しちゃうかも?」と心配になる人もいるかもしれません。
そこで、今回は…
- インフルエンザの時のお風呂はいつからOK?
- 子供の場合
- 大人の場合
- お風呂での家族感染を防ぐコツ!
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目次
インフルエンザでお風呂はいつからOK?

子供のお風呂はいつからOK?
赤ちゃんや子供は、40度くらいの熱があっても機嫌がいいこともありますが、湯船につかると、かえって熱を上げることになり体力を消耗させてしまいます。
熱が高くて辛そうな時は、お風呂は控えるようにしましょう。幼いお子さんの場合は、熱が37.5度以上ある時は、お風呂はお休みしたほうが安心です。
ちなみに、子供の平熱は高いので、37.5度以上を発熱といい、37.4度までは平熱として扱われます。
お風呂に入れない時には、お子さんが汗をかいたら、こまめに着替えさせ、お湯で絞ったタオルで体をふいてあげるといいですよ。
ぬるま湯に浸して絞ったタオルで体を拭いてあげると、肌についた水分が熱を奪って、一時的に体温を下げる効果もあります。
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もし、お子さんの熱が微熱程度(37.5~38度)で、機嫌もよく、元気で食欲もあるようなら、シャワーかぬるめのお風呂で、汗をさっと洗い流してもいいでしょう。
ただし、湯船に長時間つかると、子供の体力を消耗させてしまうので、インフルエンザが完治するまでは、短時間でさっと済ませる程度にしてくださいね。
また、髪の毛を洗うと湯冷めしやすくなるので、熱が平熱に戻るまでは、シャンプーは控えるか、あるいはシャンプーした場合は、ドライヤーでしっかり乾かしてあげてください。
インフルエンザの場合は、熱が下がった後に、また熱が上がる二峰性発熱がよく見られます。特に、小学校入学前のお子さんには、この二峰性発熱が多く見られます。
二峰性発熱は、解熱後、半日から2日程経過してから熱をぶり返すパターンが多いようです。そのため、お風呂は解熱後しばらく様子を見てからのほうが安心です。
★湯冷めに注意!
お風呂から上がったら、湯冷めしないように注意してあげてくださいね。冬の脱衣室は寒いことが多いので、脱衣室も暖めておいてください。 ★水分補給を忘れずに!
インフルエンザの時は、子供は大人以上に脱水になりやすいので、お風呂から上がった後は、必ず水分補給も忘れないようにしましょう。 ★すぐに寝かせない
お風呂から上がって、体が温まった状態ですぐに寝かせると、布団の中で大量に汗をかいてしまい、かえって体が冷えてしまいます。お風呂から上がったら、すぐに寝かせないで、暖かいところで体のほてりを取ってから寝かせてあげてくださいね。

熱は下がったけれど、咳が止まらない!
そんな時には、浴そうにお湯を張って、シャワー全開でお風呂場を蒸気で満たし、抱っこで5~10分蒸気を吸わせると、咳が楽になります。
もし可能なら、浴そうのお湯をシャワーで入れると、その分お風呂場の温度と湿度が、より早く高くなりますよ。
では次に、大人がインフルエンザにかかった時の入浴の目安について見ていきましょう。
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大人のお風呂はいつからOK?
大人の場合は、子供と違って体力もあるので、熱が微熱程度に下がってきたら入浴しても問題ありません。ただし、倦怠感があったり体調がすぐれないときは、お風呂は無理しないほうがいいでしょう。
熱が微熱程度で、他に気になる症状がなければ、お風呂に入ったほうが、血行もよくなり夜もぐっすり眠れます。また、鼻づまりや咳対策にも、お風呂は有効です。
ただし、インフルエンザの時は、体に負担のかからないお風呂の入り方を心がけましょう。
長湯は避け、お湯の温度は 40℃前後で、熱すぎず、ぬる過ぎない程度が体への負担も少なく、寝つきもよくなります。
また、湯冷めしないようにシャンプーを控えるか、またはシャンプーした場合には、髪の毛をしっかり乾かしてから休むようにしてくださいね。
★血圧の高い方のお風呂

血圧の高い中高年の方にとって、インフルエンザの流行する冬場の入浴は、特に注意が必要です。入浴による急激な温度差は、血圧の急上昇を招き、脳卒中や心筋梗塞などのリスクを高めます。
インフルエンザの時でも微熱程度なら入浴はOKですが、血圧の高い方は、湯の温度を 38℃~40℃のぬるま湯にして長湯は避けるようにしましょう。
また、脱衣室やお風呂場が十分に暖まってないと、寒い状態から湯船に入ると、余計血圧の変動が大きくなります。脱衣室やお風呂場は、あらかじめよく暖めておいてから入浴するようにしてくださいね。
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★高齢者のお風呂
高齢者の場合は、インフルエンザが完治するまでは、お風呂は控えるようにしましょう。高齢者は、インフルエンザになっても微熱程度しか出ないことも少なくありません。そのため、熱だけで判断すると、インフルエンザに感染しているのを見逃すこともあります。食欲がない・だるそう・かるく咳をしているなど、いつもと違う症状があるかどうかで判断します。

高齢者の入浴前には、必ず体温・血圧・脈拍チェックも忘れずに行ってくださいね。私の母も、微熱があったり血圧が高いときの入浴は、ドクターストップがかかります。
高齢者の入浴に関しては、日本健康開発財団温泉医科学研究所が、2016年に発表した下記の調査結果が目安となります。
訪問入浴に関連する事故・体調不良の調査結果
(調査期間 2012年6月~2013年5月)
参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/onki/79/2/79_2294/_pdf
(調査期間 2012年6月~2013年5月)
- 入浴前の体温が 37.5度以上あると、事故の可能性が16.47倍高くなる
- 入浴前の上の血圧が 160mmHg以上あると、入浴事故の可能性が3.63倍高くなる
- 入浴前の下の血圧が 100mmHg以上あると、入浴事故の可能性が14.71倍高くなる
参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/onki/79/2/79_2294/_pdf
高齢者は、入浴による血圧上昇で脳卒中や心筋梗塞を起こし、入浴中に突然死することもありますので細心の注意が必要です。

- 入浴前の体温が37.5度以上ある時は、お風呂は×
- 入浴前の上の血圧が160mmHg以上ある時は、お風呂は×
- 入浴前の下の血圧が100mmHg以上ある時は、お風呂は×
- インフルエンザに限らず体調が思わしくない時のお風呂は×
- お風呂の温度は低め
- お湯につかる時間は10分以内
- 脱衣室やお風呂場の温度を24~26℃程度に前もって高くしておく
- お風呂から上がった後の水分補給を忘れずに!
※70歳以上の高齢者は平熱がやや低めです。普段の平熱を把握しておき、微熱があるときは、清拭だけにしてお風呂は控えるようにしましょう。
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ところで、インフルエンザに感染した人がお風呂に入ると、その後に入浴した人に、うつすのではないかという心配も出てきますよね。
インフルエンザの場合、熱が下がっても1~2日は少量のウイルスを排出します。しかも、小児や高齢者、重症化したインフルエンザ患者の場合は、通常より長い期間ウイルスを排出することもあります。
では、お風呂場でインフルエンザに感染することはあるのでしょうか?次に一緒に見ていきましょう。
お風呂場でインフルエンザに感染する?

結論からいうと、お風呂場でもインフルエンザに感染する可能性はあります。ただし、居間や台所などの共有スペースと比べると、感染の可能性は低くなります。
その理由は、お風呂場では感染者と一緒に入浴しない限りは、咳・くしゃみなどの飛沫感染がないことと、お風呂場の特殊な環境にあります。
インフルエンザウイルスは、石けんで簡単に不活性化します。従って、石けんと流水で体を洗い流すお風呂場では、接触感染の機会も少なくなります。
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また、インフルエンザ・ウイルスは湿度に弱いので、高湿度のお風呂場では、ウイルスが不活性化する(感染能力を失う)時間が早くなります。
しかし、湿度の高いお風呂場といえども、インフルエンザウイルスがすぐに感染能力を失うわけではありません。
たとえば、室温32℃、相対湿度50%の環境下では、6時間後にはインフルエンザウイルスの生存率が0%になります(1961年 G.J.Harperらによる発表)。
このデータからも分かるように、ウイルスが感染能力を失うには時間がかかります。特に、家庭では、短時間に家族が次から次へと入ることが多いので、インフルエンザウイルスが失活する前に次の人が入浴する可能性もあります。
その意味でも、ドアノブ・椅子・シャンプー剤などの共有スペースからの接触感染の可能性があります。
さらに、お風呂場のように湿度100%に近い環境下では、ヒトの気道粘膜のインフルエンザウイルス排出能力が落ちるという問題もあります。
米国のバージニア工科大学環境工学のリンゼイ・マー氏らが、発表した研究報告によると…
湿度が100%に近いか、あるいは50%未満のときに、ヒトの粘膜に取り付いたA型インフルエンザ・ウイルスの生存率が最も高くなるというのです。(引用:最新健康ニュース)
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日本では、冬の乾燥した時期にインフルエンザが流行しますが、熱帯・亜熱帯地域では、雨季を中心としてインフルエンザが発生します。
つまり、インフルエンザは、低温低湿度だけでなく高温高湿度の環境でも流行します。
高温高湿度の地域でもインフルエンザが流行する理由には、いくつかの原因があげられていますが、その中の一つに、ヒトの気道粘膜のウイルス排出能力の問題もあげられています。
詳しくは、こちらの過去記事をご覧ください。→ ◆インフルエンザ予防の目安は絶対湿度!気温は無関係!夏にも流行る訳は?
湿度100%に近いお風呂場では、インフルエンザウイルスの側から見ると不活性化する時間は早くなりますが、ヒトの気道粘膜の側から見ると、インフルエンザに感染しやすい状態ともいえます。

また、国立感染症研究所感染症疫学センターによると、インフルエンザウイルスは、56℃ 30分の加熱で不活性化するとあります。
そこから考えると、お風呂の湯の温度は、だいたい40℃前後ですから、湯船の湯からも接触感染の可能性がないとは言い切れません。
ただし、接触感染はウイルスが付着した手で、鼻・口・目を触ることで感染するので、その前に石鹸で手洗いをすれば接触感染は簡単に防げます。
ちなみに、界面活性剤が入ってる泡風呂入浴剤を使用した場合は、湯船の湯からの感染の心配はないでしょう。
このように、お風呂場でもインフルエンザに感染する可能性はあり、特に感染者と一緒に入浴した場合は、うつる可能性も高くなります。
そこで、お風呂でインフルエンザに感染しないコツを、次にご紹介したいと思います。
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お風呂でインフルエンザに感染しないコツ!
お風呂での家族感染を防ぐためには…
インフルエンザの感染者が一番最後に入浴するのがベスト!
ただ、そうはいっても、感染者が幼い子供の場合は、親が一緒に入浴しなければいけないでしょうし、帰宅が遅くなった場合は、感染者の入浴後にお風呂に入ることもあるでしょう。
では、インフルエンザに感染してる人と一緒に入浴する場合と、感染者の後に入浴する場合の2つのケースに分けて、家族感染を防ぐコツをお伝えしますね。
感染者と一緒に入浴する場合の感染しないコツ

たとえば、親がインフルエンザに感染した子供と一緒にお風呂に入る場合は、飛沫感染と接触感染の両方の可能性があります。
そのため、ママ・パパは、感染者の子供と一緒の間は、10分~15分置きに水分補給をして気道粘膜に付着したウイルスを胃に流し込むようにします。
お風呂場に飲み物を持ち込めない場合は、つばをゴックンと飲み込む「嚥下法」でもOK! 口の中のツバをちょっと溜めて、ゴックンと飲み込むと、水分を摂るのと同じ効果があります。
インフルエンザウイルスは、気道粘膜に付着してから細胞内に入り込むまで20分足らずなので、その前に水分をとってウイルスを胃に流し込めば、胃酸でウイルスは失活(不活性化)します
この方法は、以前ドクターに教えてもらったのですが、テレビに出ていた別のドクターも同じことをおっしゃっていたので、インフルエンザの患者さんに接する機会の多いドクター達の間では、実践してる先生が結構いるのかもしれません。
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感染者の後に入浴する場合の感染しないコツ
この場合は、ドアノブ・洗面器・椅子・浴槽などから接触感染の可能性がありますので、次のことに気を付けるようにしましょう。
- お風呂場から出たら、もう一度石鹸で15秒以上手洗いをするかアルコール製剤で手指消毒をする
- バスタオルの共有は避ける
チェック
バスタオルなどの布地の表面にインフルエンザウイルスの飛沫が付着した場合、人への感染力があるのは、約2~8時間程度といわれています(参考:米国 CDCの資料)。ただし、飛沫が付着した表面の環境(ウイルスの量・温度・湿度・布地の表面の状態など)によっても時間は異なります。

インフルエンザの時の入浴の目安は、基本的には、熱が微熱程度で体調も良ければ、お風呂に入っても問題ありません。ただし、体力のない幼児・高齢者・持病のある方は、より慎重な判断が望まれます。
インフルエンザの時のお風呂は、体に負担のかかる長湯や熱めのお湯は避け、湯冷めしないように気を付けましょう。
また、お風呂でインフルエンザに感染する可能性は、居間などの共有スペースと比べると低くなりますが、それでも、感染者と一緒に入浴する場合は、インフルエンザがうつる可能性は高くなります。
感染者と一緒のお風呂の場合は、こまめに水分補給を心がけて、お風呂で感染しないように気を付けてくださいね。
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