胃だと思ったら心臓の痛みだった!判断を間違うと手遅れの場合も
「ピーポー、ピーポー」
先日、人生で2度目の救急車体験をしました。
死にそうなほどお腹が痛くて、どうしようもなくて救急車を呼んだのですが、その時、救急救命士の方に言われたのです。
「お腹が痛いといって苦しむ人の中には、心筋梗塞の場合もあるので、心電図をとりますね」と。
「な・な・なに??心筋梗塞!?ヤバイ・・どうしよう。。。」
一瞬もうダメかもモードになりましたが、そのときは激痛のために、猛獣のようなうなり声しか上げられず、ただただ「うぅぅ・・」。
幸いなことに、私の場合は、胃痙攣だったので、まだピンピンしてるのですが、今回の救急車体験のお陰で、胃の痛みだと思っていても、心筋梗塞のこともあることを初めて知りました。
心筋梗塞の痛みは、心臓と関係ないところが痛むことも結構あるので、そのため本人が心筋梗塞だと気づかずに、手遅れとなって死亡してしまうケースも少なくないそうです。怖いですよね。
いざという時に、対応を間違って命を落とさないためにも、心臓の正しい位置と心筋梗塞の痛みが出る位置を簡単に覚えておきましょう。
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心臓の正しい位置

胃の痛みだと思っていたのが、実は心臓の痛みだったという場合は、心臓の位置を勘違いしてるために起こります。
私は心臓の位置は、左胸だとずっと思っていました。
ところが、心臓の位置は、左胸ではなく、胸のど真ん中!
心臓の正しい位置を知るためには、左手でこぶしを作り、胸のど真ん中に置けば、その位置が、だいたいの心臓の位置になるそうです。
心臓の中心は、胸の真ん中にあり、左斜め下に先端が延びています。重さが200~300g(体重の0.5%前後)なので、だいたい、にぎりこぶし位の大きさだそうです。
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でも心臓の位置って、左胸にあると思ってる人も多くないですか? ためしに私の周囲の人たちに、心臓の位置を聞いてみたところ、みんな左胸と即答しました。
実は、多くの人が心臓の位置は、左胸だと誤解してるために、胸の真ん中に痛みが出たときに、心臓の痛みだと思わずに、胃の痛みだと思って対応が遅れる場合があるそうなんです。

どうして心臓が左胸にあると勘違いしてる人が多いかというと、心臓のドキドキする鼓動って、左胸で、よりはっきり感じるからですよね。
心臓が、胸のど真ん中にあるのに、左胸のほうがドキドキする鼓動を強く感じるって不思議ですよね。
そのわけは、心臓は、左側の左心室から全身に血液を送り出しているので、右よりも左の心臓の筋肉のほうが分厚くなっていて、高い圧力をかけて全身に血液を送り出しているために、左側のほうがドキドキする拍動をより強く感じるそうです。
そのために、心臓は胸の真ん中にあっても、左側で鼓動を強く感じるので、心臓は左胸にあると勘違いする人が多いというわけです。
ただし、2000~1万人に1人の割合で、心臓の左右の働きが、逆の人もいるそうで、その場合には右胸のほうが鼓動を強く感じるそうです。
心臓の正しい位置が分かったので、次に心臓病で最も多い心筋梗塞と狭心症について一緒に見ていきましょう。
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心筋梗塞と狭心症の症状

日本人の死亡原因は、1位 ガン、2位 心疾患ですが、心筋梗塞と狭心症は、この2位の心疾患の大部分を占めています。
心臓の表面には、心臓の筋肉に酸素や栄養を運ぶ冠動脈という細い血管があり、それが完全に詰まるのが心筋梗塞、細くなって血液が通りにくくなるのが狭心症です。
心筋梗塞も狭心症も、ともに胸(普通は胸の中央~左胸)のあたりが、締め付けられるような、押しつぶされるような痛みがある場合が多いです。
<心筋梗塞と狭心症の違い>
心 筋 梗 塞 | 痛みは30分以上続く。 吐き気・冷や汗が出てくるほどの激痛。 |
---|---|
狭 心 症 | 1~5分(長くても15分程度)で痛みが消える。 動いたとき(走る・階段の上り下り)に痛みが出る。 ただし「安静時狭心痛」という狭心症は、早朝、寝ているときに痛みが出る。 |
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胸に痛みを感じない心筋梗塞

心筋梗塞の痛みは、胸が締め付けられるような痛みで、脂汗が出るほどの激しい痛みが特徴ですが、ところが、4人に1人は、心筋梗塞になっても胸に痛みを感じない場合があります。
特に75歳以上の高齢者の場合は、4人に3人が胸に痛みを感じません。そのため本人は心筋梗塞だと気づかずに、手遅れとなって死亡してしまう場合も少なくないそうです。
胸痛がない心筋梗塞の場合で多いのが、左肩が痛むケースです。また左腕、首~下あご、奥歯、みぞおちなどに痛みが広がることもあり、これを放散痛といいます。
心筋梗塞の放散痛
◆左肩 ◆左腕 ◆首 ◆下あご ◆奥歯 ◆みぞおち など
でも、なぜ心筋梗塞なのに、心臓以外の場所が痛むのでしょうか。
身体の表面の痛みなどは、体性神経によって脳に伝えられるので、「ここが痛い」と痛みの箇所がはっきりと分かります。
しかし内臓については、自律神経によって痛みが伝えられるので、どこが痛いのか、はっきり分かりにくいのです。
心臓に痛みを伝える自律神経は、脊髄に入って脳につながっていくそうですが、この脊髄に入る場所が、肩の痛みを伝える神経と近いため、脳は、心臓の痛みを肩の痛みと勘違いするそうです。
また糖尿病の人や高齢者の場合には、痛みをほとんど感じることなく、軽い息切れ程度の症状しか表れなくても、心筋梗塞を起こしてる場合もあるので注意が必要です。このタイプの無痛性心筋梗塞は、近年増えてきてるそうです。
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心臓の病気でも息苦しくなる

普通、息苦しさを感じたときは、肺の病気を心配しますよね。
ところが、肺の病気だと思っていたのが、実は心不全が原因の息苦しさもあるそうなのです。
ちなみに心不全というのは病名ではなく、血液を全身に送り出す心臓のポンプの機能が落ちている状態をさす言葉です。
心臓の血管が詰まる心筋梗塞、心臓の弁が壊れる弁膜症、心臓の筋肉に異常をきたす心筋症など、これらほとんどの病気が心不全という状態を引き起こします。
心不全が重症になると、息苦しさのために、ベッドに横になれなくなるほどで、上半身を起こすと肺にたまっていた水分が重力で下半身に落ちていくので楽になるそうです。なので横になって、むしろ息苦しさが激しくなったら心不全の疑いがあります。

◆心臓の位置は、胸の真ん中。
◆狭心症は、心臓が頑張っているときに1~5分間続き、休むと、痛みが消える。
◆心筋梗塞は、痛みが30分以上続き、吐き気や冷や汗が出るほどの激痛。
◆胸痛以外に痛みが出る部位は、左肩や左腕、首~下あご、奥歯、みぞおちなど。
◆糖尿病の人や高齢者の心筋梗塞は、胸痛や放散痛がない場合があるので、要注意。
◆心不全でも息が苦しくなることがある。
心臓の位置は胸の真ん中なので、お腹の激痛が心筋梗塞の症状であることもあります。また心筋梗塞の痛みは、胸以外の箇所が痛むことも多いので、いざという時に対応を間違わないように気をつけたいものですね。
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