便秘に効く食べ物・飲み物 大切なポイントは?
「今日で、もう便秘5日目・・・お腹は、張って苦しいし、頭痛もする。顔には吹き出物も出てきちゃったし、もう嫌!イライラしてくるわ!」
便秘に悩む女性は多いですよね。今や便秘は日本女性の国民病ともいえるほどです。便秘になると、ガスが排出されないので、まずお腹が張ってきます。便秘のときは、1日に2~3㍑ガスが溜まります。
その状態を別な物でたとえると、500mlのペットボトル4~6本が、お腹に入ってるのと同じことなので、かなり苦しい状態です。
あの苦しさは味わった者でないと分からないつらさですよね。便秘の人は、この苦しさから逃れるために、「下剤」に頼ってしまう人も多いです。
でも、下剤を使っていると、だんだん下剤の量を増やさないと効かなくなり、下剤を飲めば飲むほど、ますます便秘が酷くなるという悪循環になります。できることなら食事で便秘を解消したいというのが私たち女性の本音でしょう。
そこで今回は、便秘に関する書籍も多数出版されている松生恒夫医師が勧める「便秘に効く7種の食べ物(栄養素)・飲み物」についてご紹介したいと思います。
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目次
便秘に効く7種類の食べ物(栄養素)・飲み物

毎日スッキリ快便になるために効果的な7種類の食べ物(栄養素)・飲み物は、次のとおりです。
①水 | 便を軟らかくさせ腸の反射を起こす |
---|---|
②食物繊維 | 便のかさを増やし軟らかくする |
③乳酸菌 (特に植物性乳酸菌) | 腸内の細菌バランスを改善する |
④オリーブオイル | 小腸を刺激する |
⑤オリゴ糖 | 腸内でビフィズス菌のエサになる |
⑥マグネシウム | 腸管の働きをよくする |
⑦ビタミンC | ガスを発生させ、ぜん動運動を活発にする |
それでは、一つひとつ一緒に見ていきましょう♪
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水

朝、起き抜けにコップ1~2杯の冷たい水を飲む!
目覚めの冷水を飲む方法は、便秘解消法として昔からよく知られていますが、実際これは結構効きます。
目覚めの冷たい水は、寝ぼけまなこも一気に目覚めさせてくれますが、空っぽの胃の中に冷たい水が入ると、胃が刺激され、大腸に「ぜん動運動を始めなさい」という指令が送られるので(胃・結腸反射)、便が出やすくなります。
大腸内視鏡で検査を行うときに、上行結腸(盲腸の手前)に4℃以下の冷水を入れると、急に腸が活発に動き出す人が多いそうです。
また飲み物や食べ物から摂取した水の一部は、大腸に達して便に吸収されます。便を軟らかくするためにも、水は欠かせません。
■ 胃・結腸反射とは ■
大腸の動きは、ふだんはそれほど強くはありませんが、私たちが食事をすると、その食べ物は胃に入り、食べ物が入ってきた胃は、大腸に「食べ物が入ってきたから、すきまを空けておいてくれよ~」とサインを送ります。
大腸は、「よっしゃ!分かった!便を肛門へと送り出すぞー!」と、ぜん動運動を始めます。
このように胃・結腸反射とは、大腸のぜん動運動を促すために大変重要で、便秘解消のためには、この胃・結腸反射を上手く利用していくことが大事です。
この胃・結腸反射というのは、空腹時に胃に食べ物・飲み物が入ってくると起きるので、目覚めの冷たい水や、朝ごはんを食べた後に最も起こりやすいので、朝食を食べないと便秘になりやすいというのは、このためなのです。
忙しい朝も、大腸にきちんと働いてもらうために、しっかり朝食を食べる習慣を身に付けたいものですね。
大腸は、「よっしゃ!分かった!便を肛門へと送り出すぞー!」と、ぜん動運動を始めます。
このように胃・結腸反射とは、大腸のぜん動運動を促すために大変重要で、便秘解消のためには、この胃・結腸反射を上手く利用していくことが大事です。
この胃・結腸反射というのは、空腹時に胃に食べ物・飲み物が入ってくると起きるので、目覚めの冷たい水や、朝ごはんを食べた後に最も起こりやすいので、朝食を食べないと便秘になりやすいというのは、このためなのです。
忙しい朝も、大腸にきちんと働いてもらうために、しっかり朝食を食べる習慣を身に付けたいものですね。
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食物繊維

便のかさを増やし、便を軟らかくするために食物繊維が効果的なことは広く知られていますが、誤解も多く、摂取の仕方を間違うと、かえって便秘を悪化させる場合があります。
食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維の2種類があります。
水溶性食物繊維は、水に溶け、便を軟らかくしてくれます。不溶性食物繊維は、水分を吸収して、膨らんで便のかさを増やし、腸壁を刺激して腸のぜん動運動を促進します。
ところが、不溶性食物繊維だけでは、しっかり水分を取らないと、便が硬くなって、かえって便秘を悪化させてしまいます。
それでは具体的に、どうしたらいいのかというと、「不溶性食物繊維」対「水溶性食物繊維」の摂取割合を「2対1」にするのが、便秘解消に一番効果的だそうです。
不溶性食物繊維は、穀類(ライ麦、そば)、野菜(ゴボウ、しそ、パセリ、グリンピース)、豆類(きなこ、おから、納豆)、木の実(アーモンド、ごま、くるみ、バターピーナッツ)、芋類(サツマイモ、しらたき)、キノコ類(干ししいたけ、えのき、しめじ、)などに多く含まれています。
水溶性食物繊維は、昆布やワカメなどの海藻類、キウイフルーツ・もも・リンゴなどの果物などに含まれています。
食物繊維というと、生野菜やサラダというイメージが強く、このような不溶性食物繊維ばかり摂っていると、たくさん水分を取らないと便が硬くなって便秘を悪化させてしまいます。
たとえば、便秘解消のためにマクロビオティック(玄米菜食)的な食事をし続けると、ますます便秘の症状が悪化してしまうことがありますが、これは玄米を中心にした不溶性食物繊維の割合が多くなってしまうためです。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維は、2対1が理想ですが、不溶性食物繊維を多く摂るときには、水分をその分たくさん摂ることが大切です。
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乳酸菌(特に植物性乳酸菌)

乳酸菌というと、ヨーグルトなどの乳製品をイメージする人が多いと思いますが、乳酸菌には、動物性乳酸菌と植物性乳酸菌と2種類あります。
ヨーグルトやチーズのように乳(動物性のもの)に生育する乳酸菌を「動物性乳酸菌」といい、漬物や味噌、しょう油、酒など植物性の発酵食品に生育する乳酸菌を「植物性乳酸菌」といいます。
ただしスーパーなどでよく売られている浅漬けなどの調味液で漬けられた漬物には、乳酸菌は含まれていません。ぬか漬け、しば漬け、たくあん漬けなどに植物性乳酸菌が含まれています。
動物性乳酸菌と植物性乳酸菌と何が違うかというと、ヨーグルトなどの動物性乳酸菌は、ほとんどが胃酸で死滅してしまいますが、ぬか漬けなどの植物性乳酸菌の場合には、ナント!生きたまま腸に届きやすいということです。
植物性乳酸菌は、生命力が非常に強く、胃で死滅することなく腸に達します。腸に達した植物性乳酸菌は、乳酸を産生して腸内を酸性よりに変えることによって悪玉菌をやっつけて腸内環境を整えてくれます。
便秘解消が目的ならば、ヨーグルトよりも、ぬか漬けやしば漬け、たくあん漬けなどの植物性乳酸菌を食べたほうが効果的です。
日本の伝統的な食べ物である「ぬか」や「味噌」は、強力な植物性乳酸菌の宝庫なので、積極的に摂りたい食べ物ですね。
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オリーブオイル

オリーブオイルが、便秘に効果があることは紀元前から知られていました。イタリアでは、今でも便秘の子どもに、天然の下剤であるオリーブオイルを与えているそうです。
オリーブオイルが、なぜ便秘に効くかというと、そのカギは、オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸にあります。オレイン酸は、腸に吸収されにくく、そのため腸内に残り、腸に刺激を与えて排便を促してくれる効果があります。
オリーブオイルを便秘解消の目的で摂る場合には、品質が最高の「エクストラバージンオイル」を使います。便秘解消のためには、朝、大さじ1~2杯 エクストラバージンオイルを摂ると効果的です。
ところが、この「エクストラバージンオイル」は、名前はエクストラバージンオイルでも、中身は精製オイルやオリーブ以外の原料から作られたオイルが混ぜてあるニセ物が、日本でも、とても多いのす。
本物の「エクストラバージンオイル」なら、「そのままで美味しく飲める」「さっぱりしていて油臭くない」と言われますが、百貨店・高級食品スーパーなどでよく見かける商品にも、名前はエクストラバージンオイルでも、中身は違うものも多いのです。
私も、何度ニセ物を買ってしまったか分かりません。その苦い経験から、やっと本物を間違いなく見分ける方法が分かりました。
素人でも間違うことなくエクストラバージンオイルの本物を見分ける方法については、「便秘解消にオリーブオイルが効果的♪オリーブ納豆でスッキリ快便♪」の「本物とニセ物の見分け方」の部分でご紹介していますので、是非ご覧になってみてくださいね♪
便秘解消に効果が高いオリーブ納豆の作り方についてもご紹介していますよ。
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オリゴ糖

人間の腸には、健康維持にかかせない腸内細菌が300種類以上棲んでいます。オリゴ糖は、その腸内細菌の中でも善玉菌の代表格であるビフィズス菌のエサとなってビフィズス菌を増殖させます。
ビフィズス菌は、腸内の悪玉菌の増殖を抑え、腸内を酸性にして、ぜん動運動を活発化してスムーズな排便を促します。
しかしビフィズス菌は、加齢やストレスなどによって減っていきます。赤ちゃんのときにビフィズス菌は最も多く、中高年以降はビフィズス菌がどんどん減って、高齢になるとビフィズス菌は、非常に少なくなってしまいます。
そこでオリゴ糖が活躍します。オリゴ糖は、胃や小腸で、人間の消化酵素や消化液によって消化吸収されずに大腸に届き、ビフィズス菌のエサとなり、ビフィズス菌を増やしてくれます。
オリゴ糖には、主に4種類あり(フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖)、実にさまざまな食品に含まれていますが、含有量がどれも多くないので、効果的に摂取するのなら、スーパーやドラッグストアで、オリゴ糖を買ってきて、砂糖の代わりにオリゴ糖を使う習慣を身に付けることが、便秘解消には効果的です。
オリゴ糖は砂糖に比べカロリーも低く、砂糖のように血糖値を急激に上げません。熱にも強いので料理にも手軽に使えます。ただし、長時間熱を加えたときには、甘さが若干減るようですが、便秘解消にはオリゴ糖はあなたの強力な味方になるでしょう。
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マグネシウム

マグネシウムはミネラルの一種で、腸管の働きをよくする作用があることで知られています。
一時期、便秘やダイエットに効果があるとブームになった「にがり」も、マグネシウムの含有量が多く、これが便秘解消効果のカギとなっています。
マグネシウムを薬にした酸化マグネシウムは便を軟らかくする働きがあります。マグネシウムは、ひじき、ワカメ、ゴマなどの食品のほか、にがりやミネラルウォーターにも含まれています。
私が、マグネシウムが便秘に効くことを実感したのは、カルシウム剤がきっかけでした。
カルシウム剤には色々な種類がありますが、医師から、カルシウム剤は単独で摂るよりもマグネシウムと一緒にバランスよく摂ったほうがいいとアドバイスされ、マグネシウム入りのカルシウム剤を飲んだところ、ナント!1日3回も出て快便状態になりました。
元々はカルシウム剤を飲んだのは、骨粗しょう症予防目的だったのですが、思わぬプラス効果まであって、マグネシウムの威力は凄いと実感しました。
ただし、マグネシウムは下剤にも使われているほどなので、飲みすぎると下痢になることがあります。
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ビタミンC

ビタミンCは、別名アスコルビン酸という水溶性のビタミンです。ビタミンCそのものの作用に加え、ビタミンCが腸内で分解されることで発生するガスが、ぜん動運動を活発にします。
ビタミンCは、柿、キウイフルーツ、イチゴ、オレンジなどの果物やパセリ、ピーマン、ブロッコリーなどの野菜に多く含まれますが、ビタミンCを多く摂ると、便が軟らかくなることは、体感として分かっている方も多いのではないでしょうか。
ビタミンCは、野菜や果物といった食品でとるのが一番ですが、難しい場合はサプリメントでもOK。朝起きてすぐの空腹時に、1~2gのビタミンCをとるのがいいそうです。
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月経前症候群(PMS)の影響による便秘には γリノレン酸

月経前症候群(PMS)が影響していると思われる便秘の人には、γリノレン酸がオススメです。γリノレン酸は、母乳やコンブなどの海藻類に含まれる重要な脂肪酸の一種で、月経前症候群(PMS)の改善に効果があるといわれています。
女性が便秘になりやすい背景には、女性ホルモンの影響があります。
(参考:女性が便秘しやすい原因 排便障害に男女差がある理由)
月経前症候群で便秘に悩む人は多く、ふだん便秘でない人も、この時期には便秘になったり、もとから便秘の人では、この時期に症状がさらに悪化しやすくなります。
食事でこの成分を取るのが難しい場合には、サプリメントや補助食品で補ってもいいそうです。

便秘解消のために、食事に気をつけることは、長期に渡って続けていかなければいけないことなので、とても根気がいることです。
下剤に頼ったほうが楽だと考えがちですが、長い目で見ると、下剤の慢性的使用は下剤依存症となり、さまざまな副作用が出てきます。
そうならないためにも、食事や運動、マッサージなどで便秘が改善されないときには、「便秘外来」できちんと専門医に診てもらうことをお勧めします。
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参考文献
- 排便力が身につく本 松生クリニック院長 松生恒夫著
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